西武鉄道 小手指駅発行 稲荷山公園ゆき往復乗車券

1989(平成元)年11月に、西武鉄道池袋線の小手指駅で発行された、稲荷山公園ゆきの往復乗車券です。


   

緑色せいぶてつどう自社地紋のD型大人・小児用券で、山口証券印刷で調製されたものと思われます。

御紹介の券は通常発売用の乗車券ではなく、前回エントリーで御紹介させていただきました、稲荷山公園に隣接する航空自衛隊入間基地で開催される入間航空祭のイベント輸送に際し、航空祭当日の出札窓口混雑緩和対策用として発売されたものです。
当時はまだSuicaやPASMOなどのIC乗車券がございませんでしたので、一般旅客は乗車券を購入して乗車するのが当たり前の時代でしたので、イベント開催時には帰りの乗車券を買い求める旅客で出札口が混雑してごった返すため、同社では主要な駅から稲荷山公園までの往復乗車券を臨時発売して混在緩和を図っていました。

同社の硬券式往復乗車券はA型券が一般的でしたが、混雑時にA型券を2つに切断して回収するのが効率的ではなかったからでしょうか、稲荷山公園ゆきの往復券だけはどの駅もD型券で設備されていました。


   

裏面です。券番の他、社名および発行駅名が印刷されており、入間航空祭関連であるような記載は一切ありませんでした。

現在でも入間航空祭のイベント時には稲荷山公園駅は混雑しますが、IC乗車券が一般的になった現在では往復乗車券の発売は行われていないようです。また、稲荷山公園駅でも、利用客の殆どがIC乗車券を利用しており、臨時出札窓口はありますが、乗車券を購入する旅客がひっきりなしに並んでいることはなく、のんびりとした感じです。

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