JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
広島バスセンター 広島センター発行80円乗車券
平成29年8月に広島バスセンター広島センター発行の80円の乗車券です。
黄色HBC広島バスセンター地紋のA型金額式券となっています。ただし、80円区間という区間はないので、実質「金券式」というのが正しいかもしれません。
発駅である「広島センター」は「センター」と記載され、「通用当日限・途中下車・乗継・前途無効」という表記になっています。
乗車券の発行箇所名も「センター利用バス会社発行」と独特な名称で、券の上部に印字されているなど、かなり独特です。
この共通乗車券は、同バスセンターに発着するほぼ全ての近距離路線バスで利用できる共通乗車券で、ここでは各社独自の路線バス乗車券の発売はしていないようです。
地紋を拡大してみました。Hiroshima Bus Centerの頭文字をかたどった地紋となっています。
乗車券を発行しています広島バスセンターは広島市や県内バス会社が共同で出資した第三セクターである株式会社広島バスセンターが運営するバスターミナルで、広島の郊外路線バスや高速バスの始発着点となっています。待合所内には路線バス乗車券や定期券、高速バス乗車券を発売する窓口や自動券売機、食品は飲料などを販売する売店があり、自動車駅のような雰囲気です。かつては国鉄バスが「広島センター駅」という自動車駅としていたこともあります。
広島センター駅発行の国鉄自動車線乗車券は残念ながら手元にありませんが、広島センター着の乗車券であればございますので、拙ブログ2017年8月15日エントリーの「中国ジェイアールバス 〇自 広島駅発行 広島センターゆき片道乗車券」で御紹介いたしましたが、以下に再掲のうえ御紹介いたします。
広島バスセンターは昭和30年に開業していますが、その後何度も移転が繰り返され、現在の姿になったのは昭和49年10月のことで、広島そごう・広島センター街が同居している「広島センタービル」で、バスセンターは3階に設けられています。
JR東日本 有明駅発行 松本から新宿までの自由席特急券
平成28年3月にJR東日本大糸線の有明駅で発行された、松本から新宿までの自由席特急券です。
桃色JRE地紋のA型大人・小児用の常備軟券です。
JR東日本の常備軟券による自由席特急券は硬券時代の様式を踏襲しており、硬券時代を知っている管理人の世代でも、比較的違和感がありません。
この券は実際に使用しましたので、甲府運輸区乗務員による検札印が捺印されています。車内改札の若い車掌氏に「検札印を捺してしまっても宜しいですか?」と聞かれましたので、実際に乗車したので捺していただきたいと申し上げましたところ、記念に持ち帰られるようにと丁寧に捺してくださいました。
有明駅はこの券が発行された2日後の3月31日を以って常備軟券での乗車券類の発売が中止され、現在ではPOS端末による発券となっています。
湘南モノレール 湘南江の島駅発行 普通入場券
前回および前々回エントリーで湘南モノレール大船駅で発行された普通入場券を御紹介いたしましたので、最後にもう一つの有人駅である湘南江の島駅で発行された普通入場券を御紹介いたしましょう。
前回エントリーの券を同じ、昭和60年3月に湘南江の島駅で発行された、硬券の普通入場券です。白色無地紋のB型大人専用券で、山口証券印刷で調製された、大船駅のものと同じ様式の券です。
たしか大船駅と同じ日に各々購入していますが、湘南江の島駅のダッチングは発行日より1日早くなっており、発行日が間違っていました。
いつから間違ったままなのか分かりませんが、何日間違ったままで発行され続けていたのか、その顛末を知りたい気分になります。
同社における今回の硬券による普通入場券の復活は大船駅分のみですが、湘南江の島駅分についても復活したら面白いですね。
湘南モノレール 大船駅発行 普通入場券 ~その2
前回エントリーで湘南モノレール大船駅で復活発売された硬券の普通入場券を御紹介いたしましたが、かつて同社が発売していました、硬券廃止前の普通入場券が手元にありましたので御紹介いたしましょう。
昭和60年3月に湘南モノレール大船駅で発行された、硬券の普通入場券です。
白色無地紋のB型大人専用券で、現行の券と同じ山口証券印刷で調製されたと思われるものです。
現行の券を再掲いたしますが、券の大きさや活字の字体は異なっているものの、比較的かつて発売されていた券に近い様式となっています。
当時は大船駅のほか、もう一つの有人駅である湘南江の島駅にも同じ様式の普通入場券が存在しています。
湘南モノレール 大船駅発行 普通入場券
平成29年10月に湘南モノレール大船駅で発行された、普通入場券です。
白色無地紋のA型大人専用券で、山口証券印刷で調製されたものと思われます。
同社ではかつて硬券による普通入場券や乗車券を発売していましたが、平成の初め頃に廃止となり、それ以来硬券での普通入場券の発売は行われていませんでした。ところが、本年のゴールデンウイーク中の4月29日より、大船駅のみで復活発売されています。
長期に亘って硬券の扱いが無い同社にはダッチングマシーンがもう無いのでしょうか、ダッチング文字のゴム印で日付の押印をしています。
武蔵野鉄道 池袋から上り屋敷ゆき片道乗車券
昭和5年3月に武蔵野鉄道(現・西武鉄道池袋線系統)池袋駅で発行された、上り屋敷(あがりやしき)駅(廃駅)ゆきの片道乗車券です。
桃色PJRてつだう地紋のB型矢印式大人・小児用券です。
同社の当時の乗車券は通用期間が2日間であったようです。
裏面です。
社名「(武蔵野鐵道)」および発行駅名が記載されています。上にある「(ゐ)」の符号は、本券および小児断片それぞれに印刷されていることから、循環番号に相当するものと思われます。
武蔵野鉄道は西武池袋線系統の前身の会社で、大正4年に開業し、池袋~飯能間が開通しています。その後、大正11年に池袋~所沢間が直流1200Vで電化され、高速電車による電車運転が始まりましたが、戦後の昭和21年11月に、武蔵野鉄道と西武農業鉄道が合併し、現在の西武鉄道となっています。
上り屋敷駅は起点である池袋駅から0.9km、次の椎名町駅から1.0kmのところにあった駅で、昭和20年2月に戦況悪化と両駅間が近いことから不要不急駅として営業が中止され、駅施設はそのまま残されていたようですが、終戦後も再開されることがないまま、昭和28年1月に正式に廃止されてしまっています。
現在の上り屋敷駅跡の状況です。
駅の前後に踏切がありますので観察しやすいですが、左右の草が生い茂って盛り上がっているところが当時のホームの残骸で、最近まで構内の跡が確認できたようですが、現在では駅舎のあったあたりにコンビニのサンクスが営業しています。
この付近は現在の地名は「目白」となっていますが、上り屋敷というのは旧地名であるとのことで、こちらのサンクスが「上り屋敷店」という名称である他、付近のアパートなどに名前が残されています。
飯能方面ゆきのホーム跡です。角が取れて丸くなってしまっているので単なる土盛りのように見えます。
これらの遺構の感じから、2~3両編成程度の長さのホームであったものと推測されます。
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