京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

水無月は皆ツキがある

2009-06-20 | インポート

 6月ももう後半となりました。

 今日は鞍馬寺で竹伐り会という行事が催行されました。

 その名の通り、ナタで竹を切る、という行事です。

 と、それだけではどんな行事なのか、まるで伝わらないでしょうね。

 そもそもは、昔の偉いお坊さんが、大蛇を退治したことに由来する行事です。

 竹は大蛇に見立てられ、それを退治=切るわけです。

 現在は、僧兵の格好(弁慶をイメージしてください)をしたお坊さんたちが、丹波座と近江座の二組に別れ、どちらが先に切り終えるかを競います。

 丹波と近江といえば、京都近郊の米の産地。

 この勝負では、どちらの産地が豊作かを占っているのです。

 つまり、勝ったほうの産地のほうが豊作、というわけです。

 負けたほうは、不作というわけではなく、勝ったほうほどは豊作ではない、ということでしょうね。

 説話などでは、龍や蛇は水に関わる存在として書かれていることが多いです。

 そんなところから想像するに、この梅雨の時期、大蛇=大雨に活躍されては、水害にもつながるので、退治してしまおう、ということなのではないでしょうか。

 今に比べれば、昔の農業は天候に左右されやすかったはずです。

 気休めのようではあっても、重要な行事だったに違いありません。

 なかなか豪快なものですから、来年以降、機会があれば見に行ってみてください。

 鞍馬寺の近く、というかすぐ隣地には貴船もあります。

 貴船川の川沿いの道は、夏でも少し冷ややかな感じです。

 蛍の名所でもあるし、この季節の散策にはもってこいでしょう。

”あいらんど”