京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

おはぎとぼた餅

2009-09-06 | インポート

 サルスベリやムクゲの花のつきが悪くなる頃、秋も本格化。

 といきたいところですが、京都はまだまだ夏の名残たっぷり。

 日中はまだまだ暑い日が多いですね。

 それでも夜は涼しい風が吹くことも多いですから、秋も負けてはいません。

 秋は夕暮、と、清少納言も言っている通り、秋の夕暮は趣が大変よいです。

 夏の夕暮は、西日の暑さにうんざりするばかり。

 しかし秋の夕暮は、夕陽の暑さは遠く、オレンジ色の空をしみじみと眺めることができます。

 日が落ちていく様子を眺めていると、郷愁にかられるものです。

 別に故郷を離れていなくても、なんとなくそんな気分になるのが、秋の夕暮の不思議なところ。

 なんとなく昔のことを思い出してしまったり。

 そのような経験はないでしょうか。

 「おかあ~さ~ん!」と夕陽に向かって叫んでしまったり。

 それはないですか。

 いずれにしろ、何か日本人のDNAに刻み込まれた感覚のような気がしないでもありません。

 京都は三方を山に囲まれた町。

 日の落ちる西も、愛宕山を始め、南のほうまで山が続いています。

 その山の端に日が落ちる姿は、情緒があります。

 かつての平安人も、この夕暮に感動したのだろうな、などと思ってみるも一興。

 そこで一首詠んでみるのも、また一興。

 紅葉にはまだまだ早い初秋といえど、この季節の京都もまた楽しいものです。

 梨木神社の萩や、大原の彼岸花など、花の見所もあります。

 9月9日の上賀茂神社の重陽神事なども行事もあります。

 ぜひとも訪れてみてください。

”あいらんど”