2025.01.28日高報知新聞
シャクシャイン記念館の囲炉裏でオハウの味比べをする参加者ら
【新ひだか】町イオル再生事業空間活用事業「アイヌ語でクッキング」が25日、静内真歌のシャクシャイン記念館で行われ、13人が参加してアイヌの伝統料理のオハウ(汁物)作りを楽しみながらアイヌ語を学んだ。
新ひだか地域における「アイヌの人々の伝統的生活空間(イオル)を活用した、楽しく・わかりやすい体験学習を実施し、アイヌ民族の自然と一体となった暮らしや自然に根ざした伝統や文化に対する理解を促進するとともに、自然環境の共生と循環社会の創造について学ぶことを目的に開かれた。
講師は、新ひだかアイヌ協会の民族文化専門員の菅原勝吉さんが全体説明、事務局の小沢知恵子さんが料理の進行を務めた。
事前に準備されたタラやニンジン、ゴボウ、ダイコン、ジャガイモ、白菜、ネギ、豆腐、コンニャク、コンブなどの材料と味噌と塩の調味料を使って、味噌味と塩味の2班に分かれ、オハウを約1時間鍋で煮込み仕上げた。
カムイチェプ アフンパ(鮭を切ります)、イモ カプフ アカラ ワ アフンパ(ジャガイモの皮をむき、切ります)などのアイヌ語を使って調理。最後に、囲炉裏を囲んで、オハウの味比べをしながらイナキビご飯と一緒にみんなで試食した。
参加した静内農高1年生の水野未悠さんと大西釉陽さんは「ニンジンのいちょう切り、ゴボウのささがきなどがちょっと難しかった。アイヌの伝統や文化を学び、楽しく料理しながらのアイヌ語も学べた。オハウもおいしくできあがってよかった」と笑顔で話した。
菅原さんは「身近なアイヌ料理のオハウを楽しく作りながら、アイヌ語に触れ、少しでもアイヌ語を普及させることができたら」と話していた。