先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

今こそ抑圧に対し立ち上がれ 連帯する法律家たち

2019-09-27 | 先住民族関連
マニラ新聞 2019.9.27
 多くの弁護士や法曹団体、法学部の学生らが23日、フィリピン統合弁護士会の全国事務所に集まった。「市民の自由権のための憂慮する法律家たち」(CLCL)を再スタートさせるためだ。同弁護士会は2006年、当時のアロヨ大統領の反市民的な政策に抵抗してつくられた法律家のネットワークである。ドゥテルテ政権に再び抑圧が高まったとして、このネットワークの活動を再開させたのだ。
 今月23日は、1972年に当時のマルコス大統領が全国に戒厳令を敷いた日だ。これに立ち向かった団体の一つが「自由権連合」(CLU)である。当時10代だった筆者は、レナート・コンスタンティーノ、ヘルナンド・アバヤ、そして人権活動家のシンボルだったぺぺ・ジョクノ弁護士らが署名した声明を読んで感銘を受けた。そして今、法律家たちは再び結集することが求められている。以下は、我々の声明の主な内容である。
 今日、多数の薬物関係の被疑者や人権活動家、弁護士、メディア関係者や先住民族の人々が、歴史上最も暴力的な政権のもとで殺されており、人権を蹂躙する者たちは裁きから免れている。法律の専門家には、司法が「法の支配」と憲法で保障された権利を擁護するよう支える義務がある。そしてこれらが危機に瀕する今、法律家と法学生らの連帯が緊急に求められる。
 我々は、特に次のことに取り組む。(1)憲法で保障された権利と自由権を侵害する政策等に反対するため法律家と法学生を組織化(2)主要な問題について法律上の立場を明示、市民を法的に支援する(3)人権意識の向上、フォーラム等の実施(4)抑圧的な政策に反対する抗議行動(5)人権の保護と促進のため市民運動を支援──。
 独裁の不安がわが国を再び覆っている。「ネバー・アゲイン!」の声を今こそ響かせなければならない。(24日・スタンダード、トニー・ラビーニャ)
http://www.manila-shimbun.com/column/opinions/series247225.html

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(社説)アイヌ施策法 「共生」深める一歩に

2019-09-26 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2019年9月24日05時00分
 アイヌの人々が民族の誇りをもって生活できる社会を実現する――。そううたうアイヌ施策推進法が今春に成立・施行されたのに続き、政府は今月、基本方針を閣議決定した。
 推進法はアイヌの人たちが先住民族だと明記し、差別を禁じ、国と自治体に施策を実施する責任を課した。基本方針では、日本が近代化する過程でアイヌの人たちが差別され、貧窮を余儀なくされた歴史的事実を受け止めねばならないと指摘。アイヌ文化の復興・発展の拠点として国が北海道白老町で整備中の「民族共生象徴空間」に関する項目なども盛り込んだ。
 主に北海道に先住し、独自の文化を育んだアイヌの人々は、明治政府が進めた「開拓」で先祖伝来の土地を追われた。同化政策の下、言葉や文化を奪われ狩猟や漁など生業も失った。
 アイヌの人たちへの不当な扱いや無理解と決別し、歴史や文化を国民全体で共有していく。まず問われるのは、市町村が計画を作り、国が交付金を出して実施する個々の事業だろう。
 国は、従来のアイヌ文化振興・福祉政策に加え、地域や産業、観光振興の視点からの支援を強調する。実際、安倍首相が今年初めの施政方針演説で「象徴空間」に触れた際は、北海道の自然を生かした体験型ツーリズムへの後押しと並列だった。
 アイヌの人たちからの要望もふまえた方針というが、単に地域の活性化に利用する形になっては本末転倒だ。例えば、アイヌのお年寄りの自分史を記録に残し、それを伝えていく事業を実施してはどうか。アイヌの人たちの自主性や意向を尊重しつつ、しっかり検討してほしい。
 推進法が置き去りにした課題もある。アイヌの人たちの「先住権」に触れていない点だ。
 07年の国連総会で採択され、日本も賛成した「先住民族の権利に関する宣言」は、土地や資源などで固有の権利を指摘した。これに伴い、海外では権利回復をはかる動きがある。
 一気に解決するのは難しいため、海外の例も参考に、まず国有地で動植物などの資源を幅広く利用する権利を認めるよう求める意見もある。アイヌの人たちの権利への思いを受け止め、政府は対話を重ねるべきだ。
 19世紀末に制定され、アイヌ文化の否定と同化政策の根拠となった「北海道旧土人保護法」をようやく97年に廃止してから、既に20年余が過ぎた。しかし、アイヌ民族への差別的な言動はなくなっていない。
 推進法は、アイヌ施策を通じて、全ての国民が互いに人格と個性を尊重しながら共生する社会の実現を目的に掲げる。言葉だけに終わらせてはならない。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14190607.html

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口に含むと広がる甘み 美酒カムイトノトが食の架け橋に

2019-09-26 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2019年9月25日10時00分 Pause
【動画】アイヌ文化、食が結ぶ「架け橋」=吉村卓也撮影
 1899(明治32)年創業の小樽・田中酒造。製造直売所の「亀甲蔵」は、小樽の人気観光スポットだ。敷地内の蔵では、涼しい気候を生かして一年中仕込みを行う様子が見学できる。直売所に30種ほどの日本酒やリキュールが並ぶ中、アイヌ文様のボトルに入った酒「カムイトノト」があった。「試飲の前に、このデザインで選ばれています」というのは同社専務、岡田栄造さんだ。
シリーズ「食べて知る アイヌの食の知恵」
 同社は2015年に白老のアイヌ民族博物館(現在は閉館)と連携。「アイヌ生活文化再現マニュアル」(アイヌ民族文化財団のホームページで公開)に沿って、アイヌ民族伝統のトノト(酒)を製品化した。杜氏(とうじ)の高野篤生さんは儀式に招かれ、トノトが捧げられる場面も体験したという。「伝統の製法を製造工程に落とし込むのが難しく、道立総合研究機構食品加工研究センターにもアドバイスを頂きました」(高野さん)。
 製品は北海道産の米麹、酵母、小樽のくみ上げ水にヒエを加えて発酵させ、味の厚みのためにヒエの甘酒も加えている。白いにごり酒を口に含むと、甘さ、酸味、コクが一度にじんわり広がった。
 小樽で販売中のカムイトノトを、札幌・すすきのの居酒屋「海空のハル」で飲めると聞いて出かけてみた。北海道の料理と酒を打ち出すメニューの中に、「アイヌ伝統料理」の文字がある。汁物と主食を兼ねたオハウ、サーモンのチタタプ(たたき)、チポロシト(イクラをのせたいも餅)など、どれもわかりやすく食欲をそそる。
 店内にはアイヌ民族の伝統家屋「チセ」を模した個室があって、この部屋専用のアイヌ伝統食とカムイトノトのセットが予約できるという。「今年の夏は(アイヌ民族が登場する)漫画の影響もあり、1時間限定のチセの予約が1日5組も入りました」と、料理長の松本尚之さん。「初めてアイヌ文化に関心を持つ旅行客もいますし、昔のことを伝えようと家族連れで来てくださる方もいます」(松本さん)。アイヌ料理と個室の監修は、アイヌ民族博物館が行った。
 田中酒造と海空のハル、二つの動きを後押ししたのは、アイヌ民族博物館の「ルイカ・プロジェクト」だ。ルイカとはアイヌ語で「橋」のこと。アイヌ文化を中心に人やアイデアに橋をかけ、現代に生かしている。
 前館長でプロジェクトを進めてきた野本正博さんは、丸井今井札幌本店のショッピングバッグのデザインにも協力した。「アイヌの生活文化を残すため、囲い込むのではなく広め、更新していきたい」(野本さん)。
 大切なのは架け橋をわたる人が増えることだ。現代のアイヌの人々の食は、多くの人が楽しみ、共有することで、未来の宝になっていく。
ふかえ・そのこ
 札幌在住のライター。東京で飲食業と宿泊業の業界誌で編集者を務めた。地元の食と農漁業を取材している。
よしむら・たくや
 埼玉県生まれ。札幌在住のフリーランスの編集者、カメラマン、ビデオグラファーとしても活動。(文・深江園子、写真・吉村卓也)
https://digital.asahi.com/articles/ASM9N6SY9M9NIIPE02M.html?_requesturl=articles%2FASM9N6SY9M9NIIPE02M.html&rm=466

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オールブラックス練習場に応援旗 別府とNZの高校生合作

2019-09-26 | 先住民族関連
大分合同新聞 2019/09/26 03:01
 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の公認キャンプで別府市に滞在しているニュージーランド(NZ)代表「オールブラックス」は、市内の練習場に手作りの応援旗を掲げている。姉妹都市の同市とNZ・ロトルア市の高校生が合作し、贈ったものだ。「選手の力になっている」。若者たちの“思い”を常に携え、史上初の3連覇に挑んでいる。
 大分市の昭和電工ドーム大分で10月2日にある1次リーグ第2戦(対カナダ)に向け、泉都で再スタートを切った25日朝。
 選手たちが軽快に駆けるグラウンドには、「オールブラックス!必勝」と大書された応援旗(縦5メートル、横10メートル)が飾られていた。NZの先住民族マオリの言葉で「Kia Kaha(強くあれ)」とも記している。
 作ったのは、別府翔青高とロトルア市のウエスタン・ハイツ高の生徒たち。別府がNZ代表の公認キャンプ地に選ばれたことをきっかけに、約20年にわたって交流を続けてきた両校が力を合わせた。
 6月に語学研修でロトルアを訪れた別府翔青グローバルコミュニケーション科2年の30人が、寄せ書きなどで半分を仕上げた旗を持ち込んだ。ウエスタン・ハイツ高の生徒が書き足して完成させ、チーム関係者に託した。
 オールブラックスは友情の応援旗を持って来日。キャンプを張った千葉県内のグラウンドにも掲げた。チーム広報は「私たちはたくさんの支援をもらっている。できる限り大事にしたい」という。
 応援旗の前で汗を流した世界的なスター、ボーデン・バレット選手(28)も、練習後の会見で「熱いサポートを受けていると実感する。子どもたちがそこまでやってくれるのは力になるし、とてもうれしい」と語った。
 この日、JR別府駅などでW杯関連のボランティアに参加した同科2年の佐藤連哉さん(16)=別府市光町=は「旗にはホームステイなどでお世話になったNZの人たちへの感謝の気持ちを込めた。勝利への後押しができたら」。世界最強チームの力になれている喜びをかみ締めた。

○NHK番組に本紙記者が出演
 ラグビーW杯大分開催を盛り上げるため、NHK大分放送局は26日午後6時10分からのニュース情報番組「いろどりOITA」で、大分合同新聞と共同で取材したニュージーランド(NZ)特集を放送する。
 4回シリーズの3回目。同局ディレクターらと現地を回った本紙W杯取材班の田尻雅彦記者(44)が出演し、「大分とNZの関係」についてリポートする。
※この記事は、9月26日大分合同新聞朝刊23ページに掲載されています。
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/09/26/JD0058519648

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「青い地球が危機に」 国連報告書が気候変動を警告

2019-09-26 | 先住民族関連
BBC 2019/09/26

サンゴ礁も気候変動や温暖化、海面上昇の被害を受けている
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は25日、気候変動が海や寒冷地をこれまでにない規模で脅かしているとする特別報告書を発表した。
報告書では、海面上昇や氷の融解に加え、人間の活動によって野生動物が生息地を追われていると指摘した。
さらに、永久凍土が溶け出していることで、二酸化炭素(CO2)がさらに増え、氷の減少を加速させているという。
一方、CO2排出量を大幅かつ迅速に削減すれば、最悪の影響は免れられるだろうとしている。
IPCCは過去12カ月に、今回のものも含めて3つの特別報告書を発表している。
昨年10月の報告書では、21世紀の終わりまでに地球の気温が1.5度上昇すると指摘。今年8月には、気候変動は地球の陸地と、農業や畜産業にも影響を及ぼしていると分析した。
ただ、気温上昇が海や雪氷圏(水が固体として地表面に存在している場所)に与える影響を示している今回の最新の報告書は、おそらく3つの中で最も気がかりで、気が滅入る内容だ。
何がわかり、どれくらい悪いのか
要約すると、地球の水温が上がり、氷が急速に溶け出していて、地球上のほぼすべての生物に影響が出ているということだ。
報告書の共著者であるジャン=ピエール・ギャットゥーソ博士は、「青い地球は今、深刻な危機にある。さまざまな方面からの多くのひどい扱いを受けていて、それはわれわれ人間のせいだ」と指摘した。
報告書では、地球の海が1970年から継続的に温まっていることは「疑いようがない」と分析している。
水は、人間が過去数十年で生み出した余分な熱の9割以上を吸収しており、吸収の比率は1993年と比べると2倍になっているという。
水は熱せられると質量が増えるため、過去には海面もこれが原因で上昇した。しかしIPCCは今回、現在の海面上昇の主要因はグリーンランドや南極大陸の氷が溶け出していることだと指摘した。
温暖化により、溶け出して液体になった南極の棚氷の量は、2007年から2016年の間に3倍に達した。同じ時期、グリーンランドの棚氷の減少量は2倍になっている。
報告書では、この現象は21世紀の間と、それ以降も続くとみている。
一方、南米のアンデス山脈や中欧、北アジアにある氷河については、CO2排出量が高い場合のシナリオで、2100年までに8割が消失すると予測。何百万人もの人に多大な影響を与えるとしている。
氷が溶けると何が起こる?
さまざまな場所の氷が溶け出し、すべてが海に流れ込めば、世界中で海面が上昇する。そしてそれは数十年にわたって続くと考えられる。
報告書では、最悪のシナリオでは、2100年までに世界の海面が最大で平均1.1メートル上昇するとみている。南極大陸での大量の氷の融解を受けて、前回の予測から10センチ増加した。
ギャットゥーソ博士は、「最も驚いたのは、海面上昇の最大予測値が上方修正され、1.1メートルになったことだ」と話す。
「7億人近くの人々が住んでいる沿岸地域に広範囲に影響が出るだろう」
報告書によると、一部の島国では2100年以降、人間が住めなくなってしまうことが明らかだという。
また、「もし安全な別の場所があるのであれば」、水没する可能性がある地域から住民を移住させることも視野に入れたほうがいいと指摘した。
あなたへの影響は?
報告書が語る重要なメッセージのひとつは、海や雪氷圏の温暖化は、将来的に何百万人に影響を与えるさまざまな悲惨な結末の一部だということだ。
CO2排出量が多いシナリオでは、ニューヨークや上海といった豊かな大都市や、メコン川流域の農業地帯なども、海面上昇で非常に高いリスクにさらされると予測されている。
また、水温が深刻に上昇した結果、世界各地でサイクロンの増加など、危険でやっかいな天候が急増する可能性があるという。
報告書では、CO2排出量が大幅に削減されたとしても、「歴史的にまれ(1世紀に1度)だった異常な海面上での現象が、2050年までに各地でより頻繁に(少なくとも1年に1度)起こるようになると予想される」と指摘している。
IPCCの第2作業部会を主導するデブラ・ロバーツ教授は、「今分かっているのは、前例のない変化が長く続くということだ」と話した。
「たとえあなたが内陸部に住んでいたとしても、海や雪氷圏での大きな変化によって引き起こされる気候体系の変化が、あなたの生活スタイルや持続的な発展の機会に影響を与えるだろう」
あなたの生活への影響はさまざまな形で現れる。例えば洪水被害は、被害の規模を表す水準で2段階から3段階上昇する可能性がある。CO2増加による海水の酸性化や、1.5度の気温上昇によって、地球上のサンゴの約9割が消失するとされている。
海水の温度が上がることで、魚が生息地を移動することが考えられる。また、化石燃料を使えばCO2が増えるだけでなく、河川や海に多くの汚染物質が流れ込む。これによって、魚や海藻に含まれる水銀や汚染物質の濃度があがり、海鮮食品の安全性が損なわれる危険性がある。
他にも、温暖化によって氷河が溶けることで水力発電に使える水の量が変わってしまい、発電に支障をきたす可能性もある。
永久凍土は永久ではない
シベリアやカナダ北部など恒久的に氷のある地域には、大量のCO2が蓄積されている。
しかし、CO2の排出が続き温暖化が進めば、地表面にある永久凍土の7割程度が溶け始めてしまうという。
その結果、2100年までに「数百億から数千億トン」規模のCO2やメタンガスが大気中に放出されると懸念されている。そうなれば、人間が向こう数世紀にわたって温暖化を食い止めるのは非常に困難になるだろう。
長期的には何が起こる?
重要な疑問だが、その答えは我々がCO2排出量を近いうちにどれだけ制限できるかにかかっている。
しかし報告書では、もはや簡単には覆せない気候の変化もあると警告している。南極大陸のデータによると、すでに「不可逆なほど棚氷が不安定」になり始めており、向こう数世紀で数メートルの海面上昇を引き起こす可能性があるという。
報告書にも参加しているネリリー・エイブラム博士は、「棚氷や海面上昇に与える影響には多くの変化が含まれているため、報告書では2300年までの海面上昇の情報を提供している」と説明した。
「なので、温室効果ガスを削減できるシナリオであっても、人類が備えなければならない海面上昇は訪れるだろう」
また、先住民族社会が食料としてきた魚が水温上昇によって消えれば、それに伴って文化的知識が広範囲で永久に失われてしまう可能性もあるという。
報告書は希望を示した?
もちろんだ。報告書では、海の未来はなお人間の手に委ねられていると強調している。
その方程式はすでに使い古されたものだ。IPCCが昨年の報告書で示したように、2030年までにCO2排出量を45%削減することが求められている。
IPCCの李会晟(イ・フェソン)議長は、「もし排出量を急速に減らしても、人間やわれわれの生活への気候変動の影響はなお苦しいものだが、それでも最も弱い人にとってはより制御できる範囲にとどまる可能性がある」と話した。
実際、報告書に携わった研究者の一部からは、国民から政治家への圧力が、気候変動に対抗する野心を広げる重要な役割を担うとの声が上がっている。
ギャットゥーソ博士は、「先週、若者たちが行った抗議デモを見て、彼らこそがわれわれにとって最高の頼みの綱だと思う」と語った。
「彼らは精力的で活動的だ。彼らが活動を続け、社会を変えてくれることを願っている」
(英語記事 UN panel signals red alert on 'Blue Planet')
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-49835265

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アイヌ語由来 町内地名学ぶ

2019-09-26 | アイヌ民族関連
室蘭民報 2019-09-26 09:59
 道博物館主催のアイヌ文化巡回展「アイヌ語地名を歩く~山田秀三の地名研究から」が白老町中央公民館ロビーで開かれており、アイヌ語地名研究の第一人者として知られる山田秀三(1899~1922年)が残した資料の中から、白老の地名調査記録を13枚のパネルで紹介している。きょう26日まで。
 パネルは別々川、ヨコスト、ポロト、マクンベツ、萩野、虎杖浜、アヨロといった町内地名のアイヌ語由来を解説。「ポロト」は「白老町内の地名、湖沼名。白老の観光施設としてポロトにアイヌのコタンが作られ、名所となった。二つ沼が並んでいてポロト(poro―to大・沼)、ポント(pon―to小・沼)と対照して呼ばれていた」と記されている。
 アイヌ民族博物館設立準備室主催、白老町教育委員会共催の国立アイヌ民族博物館開館PR展「ヤヨペヨペ」も同時開催している。
(富士雄志)
https://www.oricon.co.jp/article/941316/

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アイヌ民族を差別的に扱った団体の施設利用について

2019-09-26 | アイヌ民族関連
ブロゴス 2019年09月25日 14:29猪野 亨
 日本会議北海道本部が主催した、アイヌ民族を差別的に揶揄する催しについて白石区民センターの利用を許可するなという声があったと北海道新聞で報じられていましたが、札幌市は、当初に許可したとおり、許可を維持しました。
「札幌市が施設利用許可 アイヌ民族テーマ講演 市民団体「ヘイト」だ」(北海道新聞2019年9月22日)
ネット配信はないようです。
 札幌市が利用許可を維持したことは当然のことで、これで取り消すようなことがあれば大問題です。
 当日も警察官が30名以上も動員される中での開催でしたが、妨害勢力があるということであれば、こうした警備はやむを得ません。一部に暴力的に妨害しようとしていた人たちがいた、そうであれば警察官がこうした行為を事前に阻止するのは責務ですらあります。
 とかくヘイトスピーチデモについても警察官が守っていると批判する人たちがいますが、デモは表現の自由として最大限の保障がなされなければならず、これを暴力的に妨害するなど許されようはずもありません。警察官がヘイトスピーチデモを護衛するのは責務といえます。
 他方で、北海道新聞の記事には違和感を覚えました。
 集会開催前の記事は、「批判相次ぐ」とありながら、電話などのクレームは17件だそうです。これで相次ぐですか。
 北海道新聞のヘイトに関する記事が全体として偏っています。
 アイヌ民族が歴史的にみても虐げられてきたのはまぎれもない歴史的事実です。生活の基盤を壊され、低所得層のまま放置されてきました。格差社会の中で貧困層が貧困層のまま続いていくという悪循環を断ち切るための政策は必要です。
 しかし、それは敵意を示す人たちを暴力的に潰してしまえというようなやり方でこの問題を解決できるはずもなければ誰も共感もしないし、嫌悪感すら持たざるを得なくなります。
 こうした行動こそがむしろアイヌの貧困を固定化させるというだけでなく、煽る人たちの思う壺であり、アイヌ民族の置かれた状況を悪化させるだけという最悪の行動です。
https://blogos.com/article/406467/

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古式舞踊や講演会【新ひだか】

2019-09-26 | アイヌ民族関連
日高報知新聞 2019.09.25
地元新ひだか町の静内民族文化保存会のアイヌ古式舞踊
【新ひだか】公益社団法人北海道アイヌ協会主催、新ひだか町と渡島管内長万部町共催の第32回「アイヌ民族文化祭2019」が22、23の両日、町公民館などで開かれた。松浦武四郎北海道命名150年記念事業。
 文化講演や観客参加型の古式舞踊、管内小中高校生対象のアイヌ民族関連の巡検ツアーなど実施。また、関連企画として7日から23日にかけ、アイヌの英傑シャクシャイン古戦場跡碑がある長万部町をスタートし、胆振、日高管内の各市町をリレーしながらシャクシャイン法要祭の23日朝に同祭会場の真歌公園にゴールする慰霊旗リレーを企画した。
 22日は午後1時に町公民館で開会。北海道アイヌ協会の加藤忠理事長が「郷土の歴史・文化、地域の文化遺産の価値を学び直す場にしたい。この文化祭を通じて、アイヌ民族が先住民であるとの認識と理解が一層深まり、多文化共生社会の実現に向けて少しでも役立てられたら」と主催者あいさつ。
 山岡達丸衆議と金岩武吉道議、北海道環境生活部の長橋聡アイヌ政策監の来賓あいさつに続き、共催する地元新ひだか町の大野克之町長、長万部町の木幡正志町長のあいさつもあった。
 文化祭は文化公演パートⅠアイヌ古式舞踊の発表から始まり、1組目は地元新ひだか町の静内民族文化保存会。タプカル(男の舞)、ホンチプ(輪踊り)、ホイヤオー(静内特有の鶴の舞)、エルムンコイキ(ねずみ捕りの遊び)を披露。続く千歳アイヌ文化伝承保存会がエムシリムセ(刀の踊り)、大きな栗の木の下でと10人のこどもをアイヌ語で歌いましょう、千歳市に伝わるウポポホリッパ。鵡川アイヌ文化伝承保存会がウポポ(座り歌)、フッサヘロ(お祓いの踊り)、ク・リムセ(死霊の踊り)、ムックリ、イヨンルイカ(子守歌)をそれぞれ披露した。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/13781

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大雪山の最も奥深いところに鎮座する「ラスボス」トムラウシ山の紅葉 北海道から毎日お届け中!

2019-09-26 | アイヌ民族関連
現代ビジネス 2019年9月24日 5時0分
アイヌ語では「花の多いところ」を意味する山
「大雪の奥座敷」と称されるトムラウシ(富良牛)山(標高2141m)に登って来ました。
大雪山系の山々の中でも最も人里離れた奥深いところにあるので、「奥座敷」の名で呼ばれています。
トムラウシ山はゴツゴツした岩だらけの山ですが、アイヌ語で「花の多いところ」を意味します。
登山道の周辺には様々な高山植物が自生し、夏登山の季節には花が咲き乱れ、秋には紅葉が登山者の目を楽しませてくれます。
この日は、午前中は霧の中にあったトムラウシ山山頂ですが、晴れるのを待っていると、昼過ぎにやっと頂きが見えました。
大雪山の奥座敷、トムラウシ山の頂
▲大きい写真で見たい方はこちらをクリック▲
紅葉したウラシマツツジを入れてダイナミックに表現してみました。
アイヌの人々が「神々の遊ぶ庭」と呼んだ大雪山でも最も奥に鎮座するトムラウシ山。縦走してきた末に、その威容が見えてくると、ラスボス感満点です。
山頂までは、片道10kmの長丁場ですが、この景色を見に、また足を運びたいと思います。
https://news.livedoor.com/article/detail/17126576/

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琉球遺骨返還訴訟、人類学会の「保存」要望に原告ら抗議

2019-09-26 | アイヌ民族関連
週刊金曜日 2019年9月25日4:08PM

日本人類学会への要望書への批判が相次いだ裁判後の報告集会。(撮影/平野次郎)
京都大学が保管する琉球民族の遺骨返還を求める訴訟(本誌2月1日号参照)をめぐり、日本人類学会が同大学に「古人骨は国民共有の文化財という認識に基づいて対応してほしい」とする要望書を提出した。これ対し同訴訟の原告や支援者らが猛反発。7月30日に京都地裁であった第3回口頭弁論後の報告集会では「被告の側に立った不当な介入だ」「中立であるべき学術団体としてふさわしくない」などの批判が相次いだ。
人類学会の京大への要望書は篠田謙一会長名で山極壽一総長宛に7月22日付で出された。古人骨の継承について、学術的価値を持つ国民共有の文化財として保存継承され研究に供されること、古人骨の由来地を代表する地方公共団体に移管する際は研究資料として継続的に提供されることなどを原則にすべきだと主張。ここでいう古人骨は「政府による特別な施策の対象となっているアイヌの人たちの骨」と「民法において定義されている祭祀承継者が存在する人骨」は含まれないとしている。
これに対し原告団長で琉球民族遺骨返還研究会代表の松島泰勝・龍谷大学教授は8月20日、同学会に抗議文を送った。抗議文では(1)人類学会などが2017年にまとめた「これからのアイヌ人骨・副葬品に係る調査研究の在り方に関するラウンドテーブル」によると、アイヌ民族遺骨の慰霊と返還が研究より優先されるべきとの判断が示されているが、琉球民族の遺骨には同様の対応をしない理由、(2)琉球遺骨返還訴訟の原告は祭祀承継者ではないと認識する根拠、(3)遺骨を文化財として保管することができるとする法的根拠、などについて回答を要求している。
さらに「琉球民族の信教の自由を犠牲にして、祖先の遺骨を『文化財』として研究者の研究のために提供することが強いられている。(中略)構造的差別の問題である」として謝罪を求めている。
(平野次郎・フリーライター、2019年9月6日号)
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2019/09/25/antena-554/

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特集「作曲家・伊福部昭〜北の大地で育んだ音楽〜」 Eテレ『ららら♪クラシック』10月18日放送

2019-09-26 | アイヌ民族関連
アマス 2019/09/25 12:18

伊福部昭
『ゴジラ』をはじめとする映画音楽でも知られる作曲家・伊福部昭を特集。NHK Eテレ『ららら♪クラシック「作曲家・伊福部昭〜北の大地で育んだ音楽〜」』が10月18日(金)放送。番組では音楽評論家・片山杜秀をゲストに迎え、貴重な映像資料から伊福部独自の音楽性をひもときます
■『ららら♪クラシック「作曲家・伊福部昭〜北の大地で育んだ音楽〜」』
NHK Eテレ 10月18日(金) 午後9時00分〜 午後9時30分
再放送:NHK Eテレ 10月24日(木)午前10時25分〜 午前10時55分
日本の音楽界に独自な世界を築いた作曲家(1)独学で始めた作曲(2)伊福部音楽の原点(3)アイヌの音楽と映画「ゴジラ」の音楽の共通性
「ゴジラ」をはじめとする映画音楽でも知られる作曲家、伊福部昭(1914-2006)。北海道で生まれ育った彼は、少年期にアイヌの「歌と踊り」と出会いました。独学で作曲を始めた伊福部は、その後、映画音楽やクラシックの世界で独自な世界を築いていきます。番組では音楽評論家、片山杜秀をゲストに迎え、貴重な映像資料から伊福部独自の音楽性をひもときます。【ゲスト】片山杜秀(音楽評論家)
<楽曲>
「「シンフォニア・タプカーラ 第3楽章」(抜粋)」
伊福部 昭:作曲
(指揮)高関 健、管弦楽…(演奏)東京フィルハーモニー交響楽団
(5分55秒)
〜2014年2月24日 NHKホール〜
番組ページ:https://www4.nhk.or.jp/lalala/x/2019-10-18/31/66384/2133323/
http://amass.jp/125999/

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表現の自由と闘い続ける映画祭 山形国際映画祭30年の軌跡

2019-09-26 | アイヌ民族関連
シネマトゥデイ 2019年9月24日
山形国際ドキュメンタリー映画祭30年の軌跡 連載:第4回(全8回)
 「映画は社会を写す鏡」と称されるが、ドキュメンタリーにはダイレクトに時代が反映される。山形国際ドキュメンタリー映画祭(以下、YIDFF)でも人種差別、戦争責任、貧困、災害etc……と今起こっている問題を、作品を通して提示し、ときにさまざまな議論を呼んできた。2005年まで主催し、その後も共催としてYIDFFをサポートし続けている山形市の対応は? 「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の中止問題で行政と芸術の在り方が問われる中、YIDFFを振り返ってみた。(取材・文・写真:中山治美、写真:山形国際ドキュメンタリー映画際)
さまざまな争いを描いた作品の上映

さまざまな先住民が一堂に会した第3回(1993)の世界先住民映像祭の特設野外劇場の様子。(写真:山形国際ドキュメンタリー映画祭)
 YIDFFの魅力の一つに、充実した特集上映がある。そのどれもが刺激に満ちている。第2回(1991)の「日米映画戦」は、日米それぞれの視点で捉えられたプロパガンダ映画や記録映像を並べて、第2次世界大戦を検証した。第3回(1993)の「世界先住民映像祭」は、世界先住民映像作家連盟に作品選定を一任。市内の空き地に特設野外劇場「先住国シアター」が設営され、アボリジニ、アイヌ、ホピ族など7か国から11人の先住民族映像作家がいろりを囲んで集った。
 しかし同年のインターナショナル・コネペティション部門で大賞のロバート&フランシス・フラハティ賞を受賞したのは、パプアニューギニアで混血児とガニガ族が共同経営するコーヒー農場が相場の暴落と部族間の争いで崩壊していく悲劇を映した『黒い収穫』(1992)。監督がオーストラリア人のボブ・コノリー&ロビン・アンダーソンと白人であることも相まって「植民地主義の視点で撮られた作品」と、 世界先住民映像祭の参加者たちが猛反発。授賞式で彼らは、静かに席を立って抗議するという一幕もあった。
 第5回(1997)は大東亜戦争を振り返る「『大東亜共栄圏』と映画」、第8回(2003)は「沖縄特集 琉球電影列伝/境界のワンダーランド」、第10回(2007)は「交差する過去と現在‐‐ドイツの場合」。中東情勢が混沌としていた第14回(2015)の「アラブをみる‐‐ほどけゆく世界を生きるために」では、パレスチナ解放闘争に身を投じた足立正生監督が作品解説をした。
 それらの中には、観る人によっては「反日的」と捉える作品もあっただろう。実際、市が主催していた第9回(2005)では「在日」をテーマにした特集を行う際、特集タイトルで直接的な表現は避け、「日本に生きるということ‐‐境界からの視線」とした例はあったという。しかしプログラムの内容に関して、市が異論を唱えることはなかったと映画祭関係者は口をそろえる。
 共催している山形市文化振興課の杉本肇課長は次のように答えた。
 「行政が(上映内容に関して)フィルターをかけるというのはやるべきではないと思っています。そこはYIDFFに信頼してお任せしています」
「わいせつ物」としてフィルム・カットになる
 市の姿勢が顕著に表れた事件がある。第10回(1997)のフィルム・カット事件だ。それは、YIDFFだけでなく東京国際映画祭(以下、TIFF)をも揺るがした問題だった。
 第10回TIFFのシネマプリズム部門に選ばれたロバート・クレイマー監督の短編『映画の未来-ロカルノ半世紀-電気の亡霊』と、YIDFFの特別招待作品であるヴィンセント・モニケンダム監督『マザー・ダオ』(1995)が共に性器が写っていたため、「わいせつにあたる」と東京税関からの修正を求められた。
 前者は肉体への非人間的な行為を描くことを目的に映像を断片的に組み合わせた作品で、このうちポルノ映画を引用した数か所が問題となった。一方後者は、オランダ国立フィルム・アーカイブが所有していたインドネシアでの植民地経営の実態を写したものを編集した作品で、その中で中国人労働者がシャワーを浴びせられているシーンで性器が写っていた。
 YIDFFでは第2回(1991)の時、インターナショナル・コンペティション部門の『グッド・ウーマン・オブ・バンコック』(1991)を税関に正式に通さず、ヘアが写っていたシーンを無修正で上映し、厳重注意を受けた“前科”がある。恐らくそのため、監視の目が厳しくなっていたのだろう。
 抗議の声の中心は、先に開催されたYIDFFから発せられた。クレイマー監督はYIDFFのインターナショナル・コンペティション部門の審査員でもあったのだ。さらにYIDFFに参加していた映画評論家の蓮實重彦や山根貞男ら国内外の映画関係者も「税関による検閲」「ナンセンス」と非難し、東京税関に削除撤回を求める記者会見や署名活動も行われた。
 それでも結局、両作とも上映を優先することとし修正に応じた。ただし1997年10月12日付の日刊スポーツによると、クレイマー監督はカットした部分に「日本の税関は人体をカットしても(戦争の映像である)銃はそのまま見せる」というメッセージを入れたいという意向をTIFF側に伝えたが「税関ともめたくない」と止められたという。一方『マザー・ダオ』はモニケンダム監督 の意向で、カットした12秒の部分に真っ白なフィルムを挿入して上映した。上映会場ではその部分がスクリーンに投影されると、観客からもブーイングで抗議への賛同を示した。
 同じ「わいせつ物」と見なされたとはいえ、『マザー・ダオ』は植民地政策の非道さをリアルに伝える貴重な映像記録である。それでも、警察の差し押さえなどの万が一に備えて、スタッフは密かにフィルムを死守する対策を練っていたというウワサもある。そしてYIDFFでは映画祭終了後の「映画上映ネットワーク会議」 でフィルム・カット問題に触れ、他の映画祭でも起こり得る表現の自由に関わる問題として話し合いを続けたという。
 「当時の行政というのは、今よりもモノの考え方が堅かったと思うのですが、その中でYIDFFは自由に企画していてある意味すごいなと思います。わたしが市役所に入った当初は、応援職員としてYIDFFに携わる機会があったのですが、上映後の観客と監督のQ&Aは応酬がすさまじく迫力がありました。また台湾映画の上映の際、客席にいた中国の監督が『ところで知らないから聞くのですが、台湾では中国のことをどのように教えているのでしょうか?』という質問が飛んだ場面にも立ち会いました。お互いに眉間にシワを寄せながらでもなく『やっぱりそういう感じなんですねぇ』とほのぼのとやり取りしていたのが面白い。こんなに多様な価値観、文化が交錯する映画祭を行政が行っているとはと感嘆したものです」(杉本課長)
 もっとも市民から厳しい声が上がるときもある。観客投票による票が「市民賞」と名付けられているため、第13(2013)で基地問題で揺れる沖縄の人たちを描いた三上智恵監督『標的の村』(2013)が受賞した際、市民から「わたしはこの映画を評価していない」という抗議の電話があったという。
 「わたしの耳に届いていないだけで、この30年の間に同様のことはあったかもしれません。でも個人の意見はあるとして、それが大きな問題になることはなかったと思います。どんな芸術でもスポーツでも、市民全員が好きになるものはありませんし、同じものを見ても、どのように感じるのかは人ぞれぞれだと受け止めています。間口は広く、敷居は低く。まずはいろんな方にYIDFFに触れてほしいと思っています」(杉本課長)
 今年の特集は、「AM/NESIA:オセアニアの忘れられた『群島』」「リアリティとリアリズム:イラン60s‐80s」「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」など。いずれも過去、いや、今にも続く戦争の影がちらつく地域で、当然、上映作品の中にも反映されている。東京事務局長の濱治佳は今年の特集の意図について語る。
 「特集の選び方はそのときのスタッフやメンバーによって異なりますが、今回のイランに関しては第12~13回のアラブ特集を手がけた流れで、中東において、映画のみならず古(いにしえ)より文化交流の深いイランに今回は着目してみました。またオセアニアは日本とアメリカに植民地化されていた島々で、そうした日本とも関係の深い場所が今、どのようになっており、どのような声を上げているのか。今の日本人にとって新たな発見になるのでは? と意識的に考えて特集を組みました。第10回から特集『やまがたと映画』を設けていますが、その中でも山形で従軍した方々の話が出てきていました。東北でオセアニアの作品を紹介する意味があるのでは? と考えています」
 SNSの発達で多数の情報が得られる一方、自分の考えを熟考することも、真偽を確かめる時間も用いず、意図も簡単に大きな声に流されやすい傾向にある。その思考を高める場所と時間をYIDFFは培ってきた。
 YIDFFの初期から参加し、現在理事も務める映画評論家の村山匡一郎は語る。
 「YIDFFの場合、ドキュメンタリーとは何か? ではなく、映画文化とはどういうものか? というところから始まったようなところがあります。思想的に右だろうが左だろうが、映画を観てから考えようという姿勢がありました」
 今年も上映に合わせてのシンポジウムが多数用意されている。熱い日々となりそうだが、それがヤマガタなのだ。
【懐かしアルバム】エドワード・ヤン監督&クシシュトフ・キエシロフスキー監督
 第2回(1991)のインタナショナル・コンペティション部門の審査員を務めた『クー嶺街少年殺人事件』(1991)のエドワード・ヤン監督と『トリコロール』シリーズのクシシュトフ・キエシロフスキー監督が、鑑賞の合間に仲良く一服。しかしキエシロフスキー監督は5年後の1996年に54歳で、ヤン監督は2007年に59歳で他界した。
 ちなみに『クー嶺街少年殺人事件』は先ごろ発売された映画雑誌「キネマ旬報」の1990年代の外国映画ベスト1に輝いた。天国のヤン監督! 朗報届いてますかー!?
https://www.cinematoday.jp/page/A0006878

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アイヌの聖地で伝統文化や農産物PR…旭川

2019-09-25 | アイヌ民族関連
読売新聞 2019/09/24 09:51

 アイヌ民族の聖地、北海道旭川市の神居古潭かむいこたん地域で23日、「第62回こたんまつり」が開かれた。大勢の家族連れらが訪れ、アイヌの伝統儀式や古式舞踊、地元限定のスイーツなどを楽しんだ。
 アイヌ語でカムイ(神)が居るコタン(里)を意味する同地域の魅力やアイヌ文化、農産物を広く知ってもらおうと、1958年から秋分の日に合わせて毎年開催されている。
 会場の旧神居古潭駅近くでは、神の恵みに感謝する儀式カムイノミが行われ、旭川チカップニ・アイヌ民族文化保存会のメンバーが、イナウと呼ばれる木幣を石狩川にささげた。
 飲食ブースでは、サケやカボチャの団子が入った名物のこたん鍋や、地元農家のリンゴを使ったパイやパンなどが人気を集めていた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190924-OYT1T50134/

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民族の出会い舞台に ポーランドの劇団とアイヌ女性会議 28日に札幌で共演

2019-09-25 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/25 05:00
 ポーランドの劇団と道内在住のアイヌ民族の女性たちによる抽象演劇(実行委主催)が28日、札幌市内で上演される。日本とポーランドの国交樹立100周年を記念した催しで、来日した劇団員とアイヌ民族の女性たちが互いの生い立ちや文化を共有し合い、劇に反映させる。出演者たちは「文化の化学反応を見てほしい」と意気込んでいる。
 共演するのはポーランドで活動する劇団「アマレヤ」と、アイヌ民族の女性団体「アイヌ女性会議―メノコモシモシ」(札幌)。アマレヤは女性や社会的少数者を主題とした舞台を多く手掛ける舞踏劇団で、2017年にアイヌ女性会議のメンバーと知り合って以来、交流を深めアイヌ民族の歴史や文化を取り入れてきた。
 今回は、アイヌ民族の女性と結婚したポーランド人の民族学者ブロニスワフ・ピウスツキ(1866~1918年)に着想を得て、二つの民族の「出会い」をテーマに据えた。劇団員3人が13日に札幌入りし、アイヌ民族の女性と伝統の歌を披露し合うなどして構成を練ってきた。本番ではアイヌ民族の伝統楽器トンコリと、ポーランド伝統の発声法「ホワイトボイス」による歌唱の共演などを予定している。
 劇団のカタルジーナ・パストゥスツァック代表(39)は「一人一人の人生の歴史や思い出は何よりかけがえないもの。対話を通して互いに深く理解し、共鳴し合う文化を見てほしい」。出演するアイヌ民族の松平亜美(つぐみ)さん(28)は「ホワイトボイスとトンコリの切ない音色の調和に驚いた。アイヌ文化の新たな一面を発信したい」と話した。
 舞台は、西区八軒1西1のコンカリーニョで午後1時半、同6時半から上演される。前売り券はローソンチケットなどで販売。一般2千円(当日2500円)、中高生千円(当日も千円)、小学生以下無料。
 問い合わせは、実行委の丸山さん(電)090・3898・8408へ。(斉藤千絵)
※「メノコモシモシ」の「シ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/348012

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シャクシャインをしのぶ法要祭

2019-09-24 | アイヌ民族関連
NHK 09月23日 19時42分

アイヌ民族の英雄シャクシャインの没後350年にあわせ、23日、日高の新ひだか町で法要祭が行われました。
シャクシャインは江戸時代、アイヌ民族を率いて松前藩を相手に決起しましたが、戦いに敗れた末、非業の死を遂げたとされています。
新ひだか町では、シャクシャインがかつて首長として一帯を治めていたことにちなみ、町内の真歌公園で毎年、法要祭が開かれていて、没後350年の節目のことしは、全道各地から集まったアイヌの人などおよそ700人が参加しました。
法要祭では、公園のシャクシャイン像の台座に付けられた「共生への道」と書いたプレートがお披露目され、参会者たちはカムイノミと呼ばれる儀式のあと祭壇にお神酒をかけて民族の英雄をしのびました。
また、きょうは餅まきも行われ、全員が、食べ物が降るという意味の「ハルランナ」と声に出しながら楽しそうに拾い集めていました。
新ひだかアイヌ協会の大川勝会長は「シャクシャインはアイヌのために立ち上がり無念の最期を遂げたが、今は共存の時代となった。和人もアイヌも心をひとつに協力して生きていけることを願っている」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20190923/7000013852.html?fbclid=IwAR2-VN0yy0sUTh0jwli7VPa8HpqW57YTh9v7gcZ-EcCMqPf4gKWuyEY5pg0

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