先住民族関連ニュース

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シャクシャイン慰霊リレー 静内にゴール 延べ300人参加

2019-09-24 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/23 21:32

シャクシャイン像の前で、パッチワークを手に喜びを分かち合う新ひだか、長万部両町の関係者
 【新ひだか】アイヌ民族の英雄シャクシャインが350年前、松前藩と戦った経路を逆にたどる「慰霊のリレー」の一行が23日、ゴール地点である日高管内新ひだか町静内真歌の真歌公園にゴールした。
 渡島管内長万部町と北海道アイヌ協会の共催。ルートは主戦場となった渡島管内長万部町から新ひだか町までの海路20キロを含む約260キロで、延べ約300人が参加した。リレーは7日に長万部を出発。たすきの代わりに、6枚のパッチワークを徒歩と船で運んだ。6枚合計の長さは約31メートルに及び、米国、スイスを含む国内外27市町から寄せられたアイヌ文様の刺しゅう約千点から作られた。
 一行約20人がゴールした後、真歌公園でシャクシャイン法要祭も営まれた。新ひだかアイヌ協会の大川勝会長は「無事にゴールを迎えられたことに感謝したい」、長万部町の木幡正志町長は「共生社会をつくる第一歩になれば」と話した。
 シャクシャインは1669年、松前藩による不平等交易で困窮したアイヌ民族約2千人を率い、新ひだか町から長万部町に向かった。(川崎博之)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/347593

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あの世界的名店のシェフも注目 アイヌの食の底力

2019-09-24 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2019年9月23日10時00分
文・深江園子、写真・吉村卓也

 札幌・円山のレストラン「TAKAO」では、テーブルを囲む人たちに最初に大きな円盆が運ばれてくる。盆にはスパイス状のものが入ったガラスの器が並ぶ。
 シェフの高尾僚将(たかおともゆき)さんが説明する。「これはシケレペ(キハダの実)。山椒と同じミカン科なのでいい香りがします。白い粉はトゥレプというオオウバユリの鱗茎からとったでんぷんです。こちらは絞りかすを発酵乾燥させたオントゥレプ。独特の香りがあります」
 高尾さんはこれらを野生の香辛料、調味料と捉え、肉や魚に香りづけしたり、でんぷんを手打ちパスタに配合している。食後に出すシケレペ入りのチョコレートも、人気の一品だ。
 高尾さんが修業したイタリア料理は「各地方の料理はあるが『イタリア料理』はない」と言われるほど地域に根ざしている。高尾さんはじめ、そうした郷土食の視点で野山や川の食材を採って使う料理人は多い。高尾さんは支笏湖畔のレストランを監修した頃から野山へ行く回数が増え、5年前から山野草に詳しい白老のアイヌ民族の男性に採り方や食べ方を教わっている。「野生の食材を追い求めた結果、出会ったのがアイヌ民族の知恵でした」といい、現代の北海道料理として提供し、アイヌ民族に学んだことを伝えている。
 こうして先住民族の食に注目する動きは、世界的に増えている。東京・飯田橋のレストラン「INUA(イヌア)」のヘッドシェフ、トーマス・フレベルさんは「アイヌの人々に教わったキハダの実は、店で最も象徴的な食材のひとつ」といい、日本特有の個性的な味として様々な料理、デザート、スパイスミックスなどに使っている。フレベルさんは、世界で最も有名な店のひとつ、デンマークのレストラン「noma(ノーマ)」の研究開発部門を経て、nomaのスタッフたちとチームを組んで3年前にINUA開業の準備を始めた。日本の歴史や風土、先住民族などの現地調査を行い、それを背景とした料理を創作している。「家の中で火を焚き、その上で食物を干したり燻(いぶ)したりして保存する様子は、ラップランドのサーミの人々と似ている。寒冷地の自然の中で生き抜く知恵がどれも同じような形であることに驚き、感動した」といい、レストランでも調理中の煙で食材を燻している。
 札幌では今年6月、アイヌ文化活動アドバイザーの楢木貴美子さんが、TAKAOの休業日を利用して、季節料理の実演を行った。持ち込まれた食材、茹(ゆ)でたペカンペ(ヒシの実)と甘酢漬けにしたエゾカンゾウの花を食べ、高尾さんの目が輝いた。自然の中には、北海道あるいは日本の食の知恵がまだまだある。2人の料理人は、継承の鍵を「野山で学び、お皿の上に生かすこと」(高尾さん)、「日本の伝統に対するのと同様に大切にし、そして楽しむこと」(フレベルさん)だと考えている。(文・深江園子、写真・吉村卓也)
https://digital.asahi.com/articles/ASM9M4C91M9MIIPE00L.html?_requesturl=articles%2FASM9M4C91M9MIIPE00L.html&rm=286

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「カムイサウルス・ジャポニクス」…

2019-09-24 | アイヌ民族関連
福井新聞 2019年9月23日 午前7時20分
 【越山若水】「カムイサウルス・ジャポニクス」。北海道むかわ町で見つかった大型恐竜「むかわ竜」に付いた学名だ。カムイはアイヌ語で神。「日本の恐竜の神」を意味する。北海道大総合博物館の小林快次教授(福井市出身)の研究チームが、新種として命名した▼アイヌが脚光を浴びるのは明るいニュースばかりではない。北海道紋別市の川でアイヌ民族の男性(77)が今月、先住民族の権利だとして道の許可を受けずに儀式に使うサケを捕獲し、道警の取り調べを受けた▼明治政府はアイヌを日本人に組み込む同化政策で日本語を強制し、主食の一つだったサケの漁も一方的に禁じた。2005年になって道は、申請があれば伝統的な儀式や漁法の伝承に限り捕獲を許可した。これに対して「アイヌの大地で許可は必要ない」というのが男性の立場だ▼4月に成立したアイヌ施策推進法は、アイヌを「先住民族」と明記した。ただ、国連宣言で民族の権利とされた自己決定権や教育権などが盛り込まれず、アイヌ関係者から批判が出ていた。一方、海外では国際人権規約や国連宣言を後押しに、漁業権などを取り戻した先住民族が少なくない▼最新のDNA分析によると、縄文人のDNAの約10%を現代の日本人が受け継いでいるという。特に割合が高いのは、北海道に住むアイヌ民族だ。遠い祖先を同じくする者同士が争うのは悲しい。
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/939456

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<望郷と苦悩 ロヒンギャ大量避難から2年> (上)夫を虐殺 問われぬ責任

2019-09-24 | 先住民族関連
東京新聞 2019年9月22日 朝刊

今年9月7日、バングラデシュ・コックスバザールの難民キャンプで、涙ぐむロヒマ・カトゥンさん。夫の死を小さな子どもは理解できていない=北川成史撮影
 ミャンマーで迫害を受けたイスラム教徒少数民族ロヒンギャ七十万人以上が隣国バングラデシュに避難を始めてから、二年が過ぎた。両国政府は難民を帰還させようとしたが、権利の保障や迫害の責任追及という難民の要求は満たされないままで、帰還は実現していない。避難の長期化で、問題の深刻さは増している。バングラデシュ南東部コックスバザールの難民キャンプで、現状を追った。 (コックスバザールで、北川成史)
 モンスーン期の強い雨が竹組みの屋根を打つ。九月上旬、コックスバザールの難民キャンプにある薄暗いバラックに、ロヒマ・カトゥンさん(35)のすすり泣きが響いた。「夫は優しく、私を一度も怒ったことがない。なぜこんな目に遭うの。『本当は生きている』と誰か言って」
 二〇一七年九月二日、ミャンマー西部ラカイン州のインディン村で、ロヒマさんの夫シャケル・アメッドさん=当時(45)=を含むロヒンギャ男性十人が治安部隊に虐殺された。同年八月二十五日、同州でロヒンギャ武装勢力が警察施設を襲撃。反撃の掃討作戦を展開していた治安部隊が村にも現れた。
 兵士らは村のロヒンギャたちを近くの海の浅瀬に立たせた。「おい、おまえ。ちょっと来い」。選ばれた十人にシャケルさんもいた。魚を捕り、村で売って暮らすシャケルさんは、武装勢力と関係はなかった。
 「どこへ連れて行くんですか」。引き戻そうとしたロヒマさんの右腕を兵士は刀で切り付け、血が止めどなく流れた。シャケルさんは力ずくで連れ去られ、二度と戻らなかった。妊娠七カ月だったロヒマさんは、八人の子と海岸に残された。家は焼かれ、現金も食べ物もない。漁師に泣きついて船に乗り、バングラデシュに逃れた。
 村での虐殺の詳細は昨年二月、ロイター通信の報道で明るみに出た。血がたまった穴で、息絶えて横たわるシャケルさんらの生々しい写真も伝えられた。ミャンマー国軍は昨年四月、軍事裁判で虐殺に関与した兵士七人に懲役十年の刑を科したが、全員が一年未満で出所した。一方、虐殺を取材したロイター記者二人は逮捕され、国家機密法違反罪で禁錮七年の実刑判決を受けた。今年五月に大統領恩赦で釈放されるまで一年以上拘束された。
 一七年八月以降のロヒンギャ迫害に対し、国連人権理事会の国際調査団は、国軍主導のジェノサイド(民族大量虐殺)の疑いを指摘。オーストラリアなどの研究者らの調査は、犠牲者を二万五千人と推計する。
 だが二年が過ぎても、国軍が関与を認めたのはインディン村の事件だけ。開きはあまりに大きい。
 ロヒマさんの子どもたちは父親の死を受け入れられていない。キャンプで生まれた四男(1つ)が熱を出した時、三男(3つ)がこう励ました。「父さんが帰ってくるからね。すぐよくなるよ」
 キャンプで他の家の父親が支援物資を運ぶ姿を見るたび、ロヒマさんの胸は締め付けられる。「罪のない家族を殺された私たちの苦しみに見合う刑を兵士らは受けていない。こんな不公平はない」。右腕に残る大きな刀傷。取材中、ロヒマさんの表情が和らぐ瞬間はなかった。
<ロヒンギャ迫害> 仏教徒が9割のミャンマーで、ロヒンギャは西部ラカイン州に住むイスラム教徒少数民族。人口は州全体の3分の1の約100万人とされる。同国の法律上、先住民族とされず、多くはバングラデシュなどからの不法移民扱いで国籍を持たない。2017年8月25日に同州でロヒンギャ武装勢力と治安部隊が衝突後、殺人やレイプなど深刻な迫害を受け、70万人以上がバングラデシュに避難した。迫害を巡り、国際刑事裁判所(ICC)の主任検察官は今年7月、捜査開始の申請手続きをしている。
 難民たちの様子は、こちらの動画から https://www.youtube.com/watch?v=FfJRpQM-U_w
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201909/CK2019092202000223.html

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オールブラックスの儀式「ハカ」のリーダーが踊りに込める想い─威嚇や挑戦状というよりも…

2019-09-24 | 先住民族関連
COURRiER Japon 9/23(月) 7:30配信

「ハカ」を率いるオールブラックスのTJ・ペレナラ選手。2019年9月21日、横浜国際総合競技場での対南アフリカ戦直前にPhoto: Hannah Peters / Getty Images
3年前、ハカの「リード役」に
9月21日(土)、ラグビーのニュージーランド代表「オールブラックス」は、宿敵南アフリカとの今W杯初戦を迎えた。優勝候補対決とも言われた激戦を、オールブラックスは23-12で制した。
その試合直前、会場を沸かせたのがオールブラックスの選手たちによる、先住民族マオリ族伝統の踊り「ハカ」である。
この日彼らが披露したのは、通常のハカ「カマテ」ではなく、特別な試合のみで踊る「カパオパンゴ」だった。主将とともにハカを率いていたのは、スクラムハーフのTJ・ペレナラ選手(27)だ。彼は過去3年間、オールブラックスのハカをたびたび先導しており、今大会でも前述の2種類のハカをリードする。
ペレナラは大会直前、米スポーツ誌「ESPN」に対して、ハカへの想いをこう明かしている。
「多くの観客にとって、ハカは敵への威嚇や挑戦状に見えるでしょう。実際、そういう想いで踊っている人もいるかもしれません。でも私個人にとってハカとは、祖先や、一緒に戦いに向かう兄弟(チームメイト)たち、そしていま立っている大地と繋がるためのものなのです」
自身もマオリ族の血を引くペレナラは、幼い頃からハカに親しんで育ったという。
「マオリは学ぶものという以前に、私や家族のあり方そのものでした。この伝統を誇りに思っていますし、大きな敬意を払っています」
「ニュージーランド・ヘラルド」紙によれば、ラグビーの試合でのハカの歴史は、1888年にまでさかのぼる。ニュージーランドの先住民代表が、イギリス遠征で「カマテ」を披露したことが最初だとされている。ペレナラの父も、ソフトボールのニュージーランド代表「ブラックソックス」の一員として、ハカを率いた人物だった。
ペレナラはこう語る。
「私の試合中のプレーについては『正直どうでもいい』と考えているお客さんがいることも知っています。でも、踊るからには、徹底的にやります。もしも私がハカで失敗したら、大ごとになります。そうなれば、ハカは『正しくやらなくてもいいもの』だと思われてしまう。だから、徹底的にやるんです」
今大会で、史上初のW杯3連覇を目指すオールブラックス。カナダとの第2戦は、10月2日(水)19時15分にキックオフする。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190923-00000001-courrier-spo

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シケレペソースにキトピロ入り卵焼き 知られざる食文化

2019-09-23 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2019年9月22日10時00分  文・深江園子、写真・吉村卓也

 イタリア・トリノで昨年9月、スローフード協会が2年ごとに開催する世界的な食のイベント「テッラ・マードレ」が開かれた。その会場でアイヌ民族の女性たちが発表したランチプレートが、ジャーナリストや参加者の注目を集めた。
 お皿の中身は豚肉とほろ苦くてスッと爽やかなシケレペ(キハダの実)のソース、キトピロ(ギョウジャニンニク)入りの卵焼き、イナキビやハスカップ入りのごはんなど、「アイヌ女性会議」メノコモシモシのメンバーが昔の味を持ち寄って作った創作料理だ。
 メノコモシモシにとって初の海外発信で、東京の料理人、生江史伸(なまえしのぶ)さんの助言を受けた。生江さんは西麻布のフランス料理店「レフェルヴェソンス」のシェフで、自身も野山に自生する食材を用いている。
 生江さんは「昔と同じ料理ではないが、この味覚は関心の糸口になる。初めての人が食べやすく、かつ民族らしさが伝わるように」とアドバイスした。料理人としても、「自然から採るアイヌの食材は、香りや味わいが鮮やか。これは効率や均質性が求められる農産物にはない魅力です」という。
 メノコモシモシ代表で札幌アイヌ協会副会長の多原良子(たはらりょうこ)さんは、見たこともない色や香りに興味を示す来場者たちを見て、「私たちの食べ物がこんなにも興味を引くのか」と驚いた。
 多原さんは、民族差別と女性差別の二つが絡み合った「複合差別」について長年発信し訴えてきた。どうすれば民族のことを広く知ってもらえるかと考えた時、アイヌ女性こそ生活文化の継承者だと気づいた。「歌、踊り、刺繡(ししゅう)、料理にもアイヌらしさがある。差別を正面から訴えるのも大切だが、食は関心が集まり、しかも笑顔で受け入れてもらえる」
 その思いが2017年4月、メノコモシモシの設立につながった。しかし料理についての資料は少なく、家庭でも伝統的料理を食べることが減り、完全な再現は難しい。それでも、記憶の中の味わいが海外で評価されて喜ばれたことは、大きな自信になった。
美食家たちが魅力感じ始めたアイヌの味覚
 生江さんは、海外の先住民族の食を訪ねる旅をする料理人でもある。そこには自然環境と密接に結びついていた、食の原点がある。「アイヌ料理本来の形が見つけにくい様々な理由のひとつは、環境の変化。例えば質の良いシケレペの実が手近な森で採れなくなったと聞きます。採集民族の食は、自然と人間の関係についても考えさせてくれる」という。
 アイヌ民族の食文化は、儀式の一部や観光業の中で「保存」されている。しかし私たちが日常的にアイヌ料理を楽しむ場はまだ少ない。一方で、食のプロや国内外の美食家たちは、アイヌの味覚に新鮮な魅力を感じ始めている。10月11~14日(催しの一般公開は12、13日)には、「先住民族テッラマードレ」が札幌市南区の札幌市アイヌ文化交流センター「サッポロピリカコタン」で開催され、同様の課題を持つ世界の先住民族を含む多くの人たちが集まる。そこでメノコモシモシと生江さんはアイヌ民族の食の価値などについて発表する。(文・深江園子、写真・吉村卓也)
ふかえ・そのこ
 札幌在住のライター。東京で飲食業と宿泊業の業界誌で編集者を務めた。地元の食と農漁業を取材している。
よしむら・たくや
 埼玉県生まれ。札幌在住のフリーランスの編集者、カメラマン、ビデオグラファーとしても活動。
https://digital.asahi.com/articles/ASM9K4RHFM9KIIPE01K.html?_requesturl=articles%2FASM9K4RHFM9KIIPE01K.html&rm=227

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アイヌ民族 権利回復の議論を前へ

2019-09-23 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/22 05:05
 伝統儀式に用いるサケの捕獲は先住民族の権利だと訴え、紋別アイヌ協会会長の畠山敏さんが、道に許可申請をせずに紋別市の川でサケを捕った。
 川でのサケ漁は水産資源保護法で禁止されているが、北海道内水面漁業調整規則は伝統儀式と漁法の伝承での特別採捕を認める。
 ただ、あくまで申請が条件だとして、道は同法違反などの疑いで畠山さんを紋別署に告発した。
 2007年、土地・資源の利用権など先住民族の権利を保障する国連宣言が採択され、政府も賛成票を投じた。だが、議論は一向に進まぬままだ。
 5月施行のアイヌ施策推進法は、アイヌ民族を先住民族と明記したが、先住権に触れていない。
 今回の捕獲は、こうした現状にしびれを切らしての問題提起だったのではないか。
 道がすべきなのは、告発ではなく、先住民族の権利回復に向けた議論を前進させることだ。
 問題の発端は、明治時代に開拓使が、アイヌ民族の生活の基盤であるサケ漁を交渉もなく禁止したことにある。
 畠山さんらは約10年前から資源保護に配慮し、アイヌ民族に一定量の自由な捕獲を保障するよう国や道に求めてきた。歴史を踏まえれば、主張は理解できよう。
 恵泉女学園大の上村英明教授は「国連宣言がうたう先住権の観点から、畠山さんの行為は、先住民族の自己決定権に基づき、国際法上正当だ」と指摘する。
 明治政府は同化政策を進め、土地や文化、言葉も奪い、今に続く格差や差別を招いた。問題解消には権利回復が欠かせない。
 水産庁は「特定の集団に漁業権を設けることは憲法14条の法の下の平等に反する恐れがある」というが、14条は社会的・経済的弱者を厚く保護して格差を是正する「実質的な平等」を含むとされる。
 カナダは自家消費のサケ漁を認め、米国では居留地で狩猟や漁業ができる。ノルウェーは先住民族の言語を公用語にし、議会や大学もある。日本の遅れが際立つ。
 国連人種差別撤廃委員会は、アイヌ民族の土地と資源への権利が十分保護されていないとして、政府に勧告を繰り返しており、深刻に受け止めねばならない。
 来年4月、胆振管内白老町に開設される「民族共生象徴空間(ウポポイ)」は、「先住民族の尊厳」の尊重を掲げる。なのに、政府や道が権利回復に後ろ向きでは、国際的な信頼を失うだろう。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/347188

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差別は許さない

2019-09-23 | アイヌ民族関連
ブロゴス 2019年09月22日 10:11畠山和也
 札幌ではラグビーと女子バレーのW杯の試合などもあり、多くの外国の方が訪れています。人種や民族が違うことでの差別・排除がない町へ、こういう機会に根づいてほしいですね。
 先の通常国会で成立した、いわゆるアイヌ新法。いったん評価は脇に置きますが、アイヌ民族が先住民族であることが明記され、内閣官房アイヌ総合政策室HPでも先住民族であることが明記されています。H25年に道が実施した実態調査では、道内に16,786人のアイヌの方々が生活しています。こういう歴史を持つ北海道だからこそ、差別や排除のない友好と平和が根づく地域であってほしいと思うのです。
 ところが、これまで政治家からでさえ「民族としてのアイヌはいない」「先住民か疑念がある」との発言がくりかえされました。国会審議では「民族としてのアイヌはいない」との発言はヘイトスピーチにあたると、内閣官房からも見解が示されました。今日、札幌では日本会議北海道本部による講演会が開かれたのですが、そのタイトル(「あなたもなれる? みんなで “アイヌ” になろう?」)からして差別的ではないかと抗議の声があがり、会場の承認取り消しを市に求める要望書も提出されました。
 差別は許さない。C.R.A.C NORTH が呼びかけた抗議のスタンディングに、私も参加しました。多くの市民や、日本共産党からも地域の方々やさとう綾市議、伊藤りち子・平岡大介の前市議も駆けつけました。整然とした抗議行動でした。もう一度、差別は許さない。
 アイヌや他のアジア諸国への差別や嫌悪表現が平然とされてきている、今の日本。安倍政権は韓国への強硬な姿勢を示すことで、求心力を保つことまでおこなっています。一方で今回の抗議行動のように、このような流れを許さないという市民の世論も力強くあります。さらに多くの市民の方に自分事として受け止めてほしいし、いっしょに考えあっていきたい。
 差別や嫌悪表現、侮辱やヘイトスピーチを受けることの心の傷、恐怖心、不信感。決して野放しにしてはいけないし、尊厳を傷つける行為を政治の側も放置してはいけない。国政の流れも、何としても変えなくては。
 明日は函館市・笹流ダム前庭講演で道南赤旗まつり。道南のみなさんにお会いできるのが楽しみです。
https://blogos.com/article/405814/

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強豪激突、道内興奮 ラグビーW杯、札幌ドームで初戦

2019-09-23 | 先住民族関連
北海道新聞 09/22 01:25 更新
 道内で初めてとなるラグビーワールドカップ(W杯)の試合が21日、札幌ドームで行われ、1次リーグD組のオーストラリアとフィジーが対戦した。スタンドは約3万6千人の観客で埋まり、大声援の中、前回準優勝のオーストラリアが39―21で勝利し白星発進した。
 強豪同士の対戦に、両国や日本人ファンなど国際色豊かなスタンドは試合前から熱気に包まれた。
 「ドスンとぶつかり合う音が聞こえ、迫力があった」。札幌市中央区の会社員松田昭さん(59)は世界トップクラスの選手のプレーに魅了されたと話した。大学でラグビー部だったという札幌市の医師村形寿郎さん(54)は「人間業とは思えず圧倒された。こんなに短い80分は初めて」と興奮した様子だった。
 スタンドにはオーストラリア人5千人超が詰めかけ、黄色のユニホームを着用したファンらが勝利に歓喜。マイケル・フーパー主将(27)は試合後、「オーストラリア人もたくさん来て、負けている時も素晴らしい声援をくれた」と語った。
 試合に先立ち、アイヌ民族文化財団(札幌)の踊り手によるアイヌ古式舞踊も披露された。
 21日は各地で1次リーグ3試合が行われた。この試合のほか、B組では史上初の3連覇を狙うニュージーランドが南アフリカを23―13で下し、C組ではフランスがアルゼンチンに23―21で競り勝った。
 札幌ドームでは22日午後7時15分から、C組のイングランド―トンガ戦が行われる。(柳沢郷介)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/347182

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ラグビー選手に「日本ではタトゥー隠して」世界で論争に ワールドカップ

2019-09-23 | 先住民族関連
ハフポスト2019年09月21日 17時53分 JST | 更新 2019年09月21日 18時48分 JST
ASSOCIATED PRESS ニュージーランドの先住民族・マオリの伝統的なタトゥー
選手のタトゥー(入れ墨)をめぐる話題が世界で論争を巻き起こしている。
9月20日に開幕したラグビーワールドカップ日本大会(9月20日〜11月2日)で、選手のタトゥー(入れ墨)をめぐる話題が世界で論争を巻き起こしている。大会を統括するワールドラグビーが、日本の公共のプールなどでタトゥーを隠すように選手たちに推奨しているからだ。
アジア初のラグビーワールドカップ開催となる今大会。それに伴う文化の衝突の典型的な例として、CNNやBBCなど各国のメディアが取り上げている。
サモアチームは「スキンスーツ着用」
多くの選手が伝統的な慣習としてタトゥーを入れているサモアチーム。
大会を統括する団体「ワールドラグビー」は9月17日、チームが、「文化の衝突を避けるために」タトゥーを隠すスキンスーツを着用すると発表した。日本の文化について学んだことを受けての決定だとしている。
チームのマネージャーは、「タトゥーの語源はサモアの言葉”タタウ”だ」と紹介。タトゥーはサモアの伝統文化であり、一定の年齢になると若い男子のほとんどがタトゥーを入れると話している。
しかしチームは隠すことを選択した。
キャプテンのジャック・ラムは「私達の文化でタトゥーは非常に一般的。しかし、私達は日本のやり方に敬意を払いたい」と、その意図を語っている。
また、ニュージーランド代表も同様に受け入れた。スター選手のアーロン・スミスも、記者会見でタトゥーを隠すことについて問われ「私達は日本に滞在するからには、彼らのやり方、文化を受け入れる」として、「問題はない」と語っている。
ワールドラグビーは数年前から「タトゥー隠し」を奨励
ワールドラグビーは数年前から、各チームに対して、公共のプールやジムを使用する際にはタトゥーを隠すように奨励していた。
2018年のニュージーランドのメディアによると、トーナメントディレククターのアラン・ギルピンは、奨励に対して異議を申し立てたチームはなかったとしている。
「強制したわけではないが、彼らは隠すと思います。皆、日本の文化を尊重していると見られたいからです」とその理由を語っている。
チームだけでなく、観戦に訪れる観光客に対しても、同様に「タトゥー隠し」についての注意が呼びかけられている。
ワールドラグビーのサイトで紹介されている日本文化の項目では、タトゥーについて以下のように紹介されていた。
日本では、タトゥーは偏見を呼び起こします。理由は、伝統的にタトゥーが犯罪集団の「ヤクザ」に関連付けられているからです。これは、タトゥーのある観光客がジムや温泉に入れないといった問題を引き起こすでしょう。 しかし、隠したり長袖のTシャツを着たりすれば防げる問題です。旅行の計画には影響しないでしょう。多くのラグビー選手やファンがタトゥーをしていることは知られており、大会ホストとなる都市や周辺の多くの温泉では、大会期間中にルールの緩和をしています。もし心配であれば、事前に問い合わせると良いでしょう。
また、この案内では、タトゥーだけでなく、日本が時間に厳しいこと、整列が「プロ並み」であること、公共交通機関で飲食をすることなども、マナー違反にあたる可能性があるとして警告している。
日本側の反応は?
それに対して受け入れる日本側。観光のグローバル化によって変化を迫られている。しかし一方で、市民の意識は、まだそのスピードに追いついていないことが明らかになる事態も発生した。
2013年、ニュージーランドの先住民族・マオリの女性が、伝統的な口元のタトゥーを理由に、北海道で温泉への入浴を拒否されたことが明らかになった。
その後、観光庁は、外国人観光客の急増に伴って、タトゥーに関する整備が必要として対応を進めてきた。
2015年の観光庁による調査(約3800施設対象、回答率約15%)では、全国の56%の旅館やホテルが「タトゥー(入れ墨)」のある人に対しては入浴「お断り」としていた。31%は「お断り」としておらず、13%が「シール等で隠す」条件付きでの許可としていた。
その後、2016年に観光庁は、業界団体への通知で「入れ墨をしていることのみをもって、入浴を拒否することは適切ではない」と明言。シールで覆ったり、入浴時間帯を分けるなどして、両者が共に温泉などを利用できるよう、施設側に求めていく対応を発表した。
だが、実際の現場では「拒否は不適切という観光庁」と「不快を訴える利用客」との間で板挟みになり、対応に苦慮しているようだ。
ニュージーランド代表などが公認キャンプ地としている大分県別府市。市旅館ホテル組合連合会はラグビーワールドカップの開催を機に、別府温泉などで全面的に「タトゥーOK」とするかどうかの検討を進めてきた。
だが、3月〜6月、日本人客約2000人にアンケートをした結果、「認めてもいい」との回答はわずか12%。連合会としての全面解禁は見送った。
別府温泉では代わりに、外国人向けのサイト「ENJOY ONSEN」でタトゥーOKの入浴施設を案内。個別の施設ではOKとするところも多くなっており、100施設以上が掲載されている。
タレントのタトゥーに批判も
日本ではテレビで人気のタレントに批判が集まった例もあった。
2018年にりゅうちぇるさんが、タトゥーで妻と息子の名前を刻んだとInstagramで公表すると、批判が殺到。その後、りゅうちぇるさんは「それなりに予想はしてたけど」とあまりの殺到ぶりに驚きを表明。「こんなに偏見のある社会 どうなんだろう。仕方ないよね。ではなく、僕は変えていきたい」と自身の思いをつづっていた。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d85d8d3e4b0957256b74c6a

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NZ首相、エプロン姿でラムチョップ配る ラグビーW杯

2019-09-23 | 先住民族関連
朝日新聞 2019年9月21日18時29分
 ラグビー・ワールドカップ(W杯)の開催に合わせて来日したニュージーランド(NZ)のアーダーン首相(39)が21日、東京・六本木でのイベントに出席し、エプロン姿で、来場者にNZ名物のラムチョップを振る舞った。会場にはオールブラックスの愛称で知られるNZラグビー代表で主将を務めたリッチー・マコウさん(38)も姿を見せた。
 マコウさんは20日に初戦を行った日本代表について「とてもよかった。最初は選手に緊張している様子が見えたが、決勝トーナメントに進める可能性があると感じた」と語った。
 アーダーン氏は2017年に37歳で首相に就いた。昨年、現職の首相として世界で初めて産休を取り、長女を出産して注目された。
 イベントは、NZ政府観光局がW杯のホスト国となった日本に向け、もてなしなどに対する感謝を伝える狙いで主催した。先住民族マオリ族の伝統舞踊ハカも披露され、アーダーン氏は報道陣に、「日本でもオールブラックスが人気があると知って驚いている」と話した。(伊藤喜之)
https://www.asahi.com/articles/ASM9P56LXM9PUHBI024.html

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ハカだけじゃない、ラグビー「ウォークライ」の魅力。トンガのシピ・タウ、サモアのシバ・タウ…

2019-09-23 | 先住民族関連
ハフポスト 2019年09月22日 12時03分 JST
キックオフ前に行われる「ウォークライ(戦いの雄叫び)」と呼ばれる儀式は、ニュージーランド代表のハカだけではありません🏉
日本で開催中のラグビーワールドカップ(9月20日〜11月2日)は9月21日、ニュージーランド代表が南アフリカに勝利した。強豪対決として注目されたこの1戦、試合前の「ハカ」も大きな話題となった。
「ハカ」はニュージーランドの先住民族「マオリ族」の伝統的な戦意高揚のダンス。迫力ある動きや掛け声で敵を威嚇し、味方の団結や士気を高める。
だが、ラグビーのキックオフ前に、「ウォークライ(戦いの雄叫び)」と呼ばれる儀式を行うチームはニュージーランドだけではない。
フィジーは「シビ」
フィジー代表のウォークライは「シビ(Cibi)」という。
21日に行われたフィジーVSオーストラリアの一戦でも、キックオフ前にフィジー代表の「シビ」が会場を盛り上げた。
横一線に並ぶオーストラリアの選手たちに向かい、腰を落として雄叫びを上げながら前進していく。最後に全員でジャンプするのが特徴だ。
Rugby World Cup
@rugbyworldcup
.@fijirugby perform their first Cibi of #RWC2019 #AUSvFIJ
トンガは「シピ・タウ」
トンガ代表のウォークライは、「シピタウ(Sipi Tau)」。「シピタウ」は、トンガの伝統的な戦闘のダンスだ。
真っ赤なユニフォームで拳をフィールドに叩きつけたり振り上げたり。勇猛なダンスと掛け声の迫力は、ニュージーランドの「ハカ」に勝るとも劣らない。
2015年にイングランドで開催されたラグビーワールドカップでは、ニュージーランド代表とトンガ代表が対戦。トンガ代表の「シピタウ」に対抗するかたちでニュージーランド代表の「ハカ」が披露されると、キックオフ直前の会場の盛り上がりは最高潮に達した。
ちなみに、トンガ代表の愛称イカレ・タヒは日本語で「海ワシ」という意味で、ラグビーはトンガの国技となっている。
トンガ代表は22日午後7時15分に札幌でワールドカップ初戦を迎える。相手は、世界ランキング3位のイングランド。試合前のファースト「シピタウ」に注目してほしい。
動画 https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=CrHAxDRuHg8
サモアは「シバ・タウ」
サモア代表のウォークライは「シバ・タウ(Siva Tau)」。他のウォークライと比べ、リズミカルで動きも早い。
サモアは今大会は日本と同じプールAのため、10月5日には豊田スタジアム(愛知県)で日本とも対戦する。
動画 https://www.youtube.com/watch?v=qIDgrAtce74
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d86c73fe4b0957256b7e0a7

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「みんなでアイヌになろう」講演会に抗議 「ヘイトだ」

2019-09-23 | アイヌ民族関連
朝日新聞 9/21(土) 9:40配信
 保守系団体がアイヌ民族をテーマにして21日に札幌市白石区民センターで予定している講演会について、市民団体が「ヘイトスピーチに当たる」として、札幌市や白石区に会場使用承認の取り消しを求めていることが20日、分かった。白石区は「条例上の不承認や取り消しには該当しない」として、予定どおり使用を認めることにしている。
 「あなたもなれる? みんなで“アイヌ”になろう?」と題した講演会で、主催は日本会議北海道本部。「科学的アイヌ先住民族否定論」と題して医師の的場光昭さんが、「これまでのアイヌ政策、これからの『アイヌ新法』」と題して元道議の小野寺秀さんが講演する。
 これに対し、道内を拠点にヘイトスピーチに反対する活動をしている市民団体「クラックノース」が「題目が差別扇動性に満ちている」などとして12日、施設使用制限を求める要望書を白石区や札幌市などに提出した。要望書では「アイヌ独自の民族としての一体性を否定し、誰でも“アイヌ”というものになれるのだと、民族的アイデンティティーを剝奪(はくだつ)したヘイトスピーチだ」などとして、施設の使用承認を取り消すことなどを求めている。ネット上で集めた約2100人分の署名も添えて提出した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190921-00000014-asahi-soci

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近江商人の負の歴史「アイヌ民族を劣悪条件で労働」 自費出版

2019-09-23 | アイヌ民族関連
京都新聞 9/21(土) 20:24配信
 滋賀県高島市の近江商人研究家駒井正一さん(69)=安曇川町北船木=が、新著「アイヌ民族の戦い-知られざるアイヌ民族の戦いの真相」を自費出版した。江戸時代、北海道に進出した近江商人らに、生活を奪われたアイヌの人々の苦難に焦点を当てている。
 駒井さんは元中学校教諭。近江商人だった先祖の足跡を探ろうと、1981年から研究を始めた。近江商人とアイヌ民族の関わりについては、94年ごろから調べ始め、2005年には、幕末期に北海道で漁業経営をしていた近江商人が、アイヌ民族を雇用したことを裏付ける当時の約定証文を、道立図書館北方資料室(江別市)で発見した。
 これらの文献を基に、近江商人が道内での漁業経営を通じて富を増やした一方で、アイヌの人々を低賃金で雇い、不平等な物々交換をしていた実態を「近江商人の漁業経営」(14年刊)にまとめた。
 本書はその姉妹編といえ、全編6章からなる。1、2章では、アイヌの人たちが16世紀ごろまで厳しい自然の中でも自由な狩猟生活を送っていたことを紹介。本州からの和人が道内に本格的に進出し始めた17世紀以降は、商権を得た近江商人らに、アイヌの男性らが劣悪な条件下で労働を強いられたり、アイヌ女性が和人の労働者から暴行を受けたりしたことを記した。
 3~5章では、江戸前期、収奪を繰り返す和人に蜂起したアイヌ民族が、和睦を誘った松前藩によって虐殺された「シャクシャインの戦い」や、アイヌ民族を強制移住させアイヌ語を禁じた明治時代以降の差別的な政策について触れた。駒井さんは「近江商人たちが経済面だけでなく、人権的にもアイヌの人々を苦しめた歴史の一面についても知ってほしい」と話す。
 B5判。千円(税込み)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190921-00000018-kyt-l25

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「みんなで“アイヌ”になろう?」 差別懸念、テーマに抗議続々 日本会議道本部、きょう講演会 /北海道

2019-09-23 | アイヌ民族関連
会員限定有料記事 毎日新聞2019年9月21日 地方版
 右派団体、日本会議道本部が21日、アイヌ民族が先住民族であることに疑問を投げかける内容の講演会「あなたもなれる? みんなで“アイヌ”になろう?」を札幌市の白石区民センターで開く。主催者によると「アイヌ利権」につながるとする国のアイヌ政策への批判も語られる見通しで、道本部のホームページに講演会のテーマなどが掲載された後から、アイヌ民族差別への懸念や抗議が市に相次いでいる。
 日本会議は中心メンバーの国会議員が今月発足した第4次安倍再改造内閣や自民党執行部に入るなど、影響力…
この記事は有料記事です。
残り525文字(全文762文字)
https://mainichi.jp/articles/20190921/ddl/k01/040/123000c

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