今回のアンテナ・メンテ作業の立役者は何と言っても上の写真に写って居る二つの道具、一つは自重70Kgに及ぶアンテナをタワー中段までの上げ下ろしに大活躍した電動ウインチ、安物のチャイナ製で過巻上げ防止のリミット装置は早々と感知レバーが壊れ、前回の使用後にタワーから降ろす段階でリモコン・ケーブルがステー線の隙間に引っ掛かったのに気付かず本体をロープで下ろしたら地上手前で首吊り状態に成りリモコン・ケーブルが端子盤の根元から千切れ復旧に苦労した代物だ。
しかし悪い事ばかりでは無くリモコン・ケーブルは巻上げワイヤーの長さと同じく10m程有るので吊り荷と同じ位置でリモコン操作が出来るので荷物の上げ下げ時には状況の確認や対応に非常に利便性が有る。此れは2005年に1万円強で購入した物だが現在も保々同じ格好の物が販売されて居るが残念ながら現在販売のタイプはリモコン・ケーブル長は2m止まりで此の便利さは無く成って居る。自重が20~30Kgのアンテナで有れば滑車等を利用して上げ下げが可能だが其れ以上の重さのアンテナ作業をするには1人では無理で複数の人手が必要に成る。現在の様にアマチュア無線人口が激減するとローカル局の応援も期待出来ず大型アンテナの設置やメンテ作業には必需で此の道具のお陰で今回の作業は全て一人で行う事が出来た。
もう一つは電動ウインチの上に写って居る半田ごて、写真を見て一瞬「何で?」と思われるだろうが此れには一寸恥ずかしい失敗が関連している。此のアンテナの反射器を固定するUボルトのナットの締め付けが少し甘かったのか?台風等の大風が吹くと反射器だけが他のエレメントと比較して傾いて水平方向がズレる事が有り以前はその傾き角度が大きく無かったので上側に傾いたエレメント側にロープを投げて通し下からロープを引っ張って其の傾きを直したのだが今回は大風で反射器は他のエレメントに対して45度近い角度に傾いてしまうと此の方法が上手く行かず其のロープが反射器のエレメントクランプのUボルトに纏わり付き(大きいUボルトで頭が可也出て居た為)にっちもさっちも出来なく成り適当な長さに切って垂らしていたら此のナイロンロープが風に煽られて直ぐ下のよのみの木(12~13mH)の枝に複雑に絡み付き外れなくなってしまった。此のロープを外すか切断しないとアンテナをタワーに平行にする事は出来ないので困った事に成って居た。
タワーから反射器までの距離は5m程あるのでアンテナの廃材利用で5.5m長のパイプを作りその先端に刃物を取付けて(鎌状にして)引いたり押し下げたり滑稽な事をしてみたのだがナイロンロープは斜め下がりの勾配が有る事と反対側の木々の枝は細く自在に変形するので正に柳に風状態で刃が立たぬ誠に始末が悪い状態に困ってしまった。彼是と頭の悪い者が考えた末にナイロンロープの切り口からネジリが解けない様に簡単な方法として先端をライターで炙り溶着して居た事を思い出し「此れだ!」と思い付いた方法が100Wの半田ごてにカッターナイフの刃を固定し其れをパイプの先端にバインド線で固定し延長ケーブルで電源を送る方法・・・・実際は半田ごての先でも切断は可能かも知れなかったが力を加えても柳に風の如く変幻自在なロープを確実に切断するには非常に鋭利な刃先で確実にロープに逃げられ無い様に確りとした掛かりを付けた後は熱の力で溶かして切断する方法を取った。半田ごては10分程余熱を加えたのでカッター刃がロープに引っ掛かると20秒程で ナイロン・ロープを見事に切断し最初の自作自演の難関を突破した。
万一、此のナイロンロープの切断が出来なければ後の作業へとは進む事は出来なかったので其の意味では此の半田ごてに取付けたカッター刃が今回の一番の立役者と言えよう。