20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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子どもの内なる「悪」

2009年09月16日 | Weblog
 今夜は、仲間うちの研究会「Be- 子どもと本」の例会です。
 今月のテキストは桐野夏生の『アンボス・ムンドス』(文春文庫)
 短編集の一編です。

 大人の本の作家が、子どもの内なる「悪」の部分をえぐり出す作品が、最近目につきます。
 過去に遡れば、天童荒太作の『永遠の仔』(幻冬舎)『包帯クラブ』(ちくまプリマー新書)
 最近では、川上未映子作『ヘヴン』(講談社)
 山田詠美では『風葬の教室』(河出書房新社)から『学問』(新潮社)など・・・。
 
 大人の作家たちが、「子ども」を書いています。
 ぎりぎりと人間を彫り込むように。
 そういえば、10日から朝日新聞朝刊ではじまった新聞連載、川上弘美作『七夜物語』も子どもが主人公です。
 
 大人の作家が描く子ども像と、子どもの本の作家が描く子ども像。
 その違いを、今夜はじっくり検証したいです。
 編集者たちが「創作児童文学が売れない」とぼやいている、そのぼやきの先の一端に、こういった事象の一端が横たわっているのでしょうか。
 子どもたちは、いったいなにを求めているのでしょう。
 とにかく私たちは、あらゆる本から勉強し、読んで読んで、書いて書いてと、それを続けるだけです。

 Beも今月から、新しいお仲間がふたり増えます。
 また先日、Beのお仲間のデビュー作が出版されました。
 昨年、講談社児童文学新人賞を受賞された、河合二湖さんの『バターサンドの夜』(講談社)です。
 若くて才能のある作家が、またひとり誕生しました。
 この作品につきましては、また後日こちらのblogでご紹介させていただきます。
 
 友人たちが、日々全速力で走り続けているということに、限りなく励まされています。

コメント (4)
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