20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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レトリック

2011年09月15日 | Weblog
                       
             

 先日の句会で、宗匠が「これは隠喩?それとも直喩?」と、俳句のそれぞれの表現を、句友たちに尋ねるシーンがありました。
 俳句表現を、レトリックの視点から考えたことがなかったので、それはとても新鮮な発見でした。

 私たちが文章を書くとき、それをどう表現するか、さまざまなレトリックを考えます。
 ステキなレトリックが思い浮かんだときには、ひとり悦にいってしまいます。

「作家でレトリックがうまい人はだれ?」
 宗匠から尋ねられました。
 すかさず私は
「洗練されたレトリックなら村上春樹。そして小川洋子・・・」
 と答えました。
 そんなやりとりに刺激され、Amazonでレトリックの本を買ってしまいました。
 賞の最終選考の原稿読みのあいまに、ぱらぱらとページを繰っていて見つけたのが蕪村の一句。

 春雨やものがたりゆく蓑と傘      与謝蕪村

 これは換喩(指示をずらす)だそうです。
 蓑をかぶった人と、傘をさした人が、雨のなかをものがたりゆく・・・。
 換喩による、鮮やかな映像がうかんできます。

 レトリックと、ひと言でいいますが、そこにはさまざまな形や手法があるのを、本を読みながら知ることができ、なかなかおもしろそうです。
コメント (2)
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