20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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新刊2冊ご紹介

2011年12月28日 | Weblog
 今年最後の、新刊のご紹介です。
 おふたりの友人の作家の方の新刊です。

          

『ピアスの星』(赤羽じゅんこ・くもん出版)
 六年生が主人公のお話です。
 主人公の親友「サヤ」は繊細で個性的であるが故に、学校でクラスメートたちに馴染めず、不登校になってしまいました。
 ママ友たちからは、「サヤ」のママがおしゃればかりで、あまり家事をしないことや父親の単身赴任が不登校になった原因だと、ささやかれているようです。
 そんな「サヤ」と主人公の「ハミ」は、一歩前に踏み出すために、ある約束をします。
「変わるきっかけ」をつかもうと。
 そこで「サヤ」はピアスのことを「ハミ」に話します。
「ピアスで耳に穴をあけると、運命が変わる」と。
 そんな「サヤ」と「ハミ」の関係は、「サヤ」が無理して参加した鎌倉への遠足の日から変わってしまいます。
 それらを乗りこえ、不登校の「ハミ」が前へ踏み出していく力になったのは・・・。
 
 作中に出てくる、「千と惑星と千の星」の詩。これは赤羽さんのお嬢さんが書かれたものだそうです。ある意味、親子合作。赤羽さんのお嬢さんへの溢れるような愛を感じました。
 また、刺繍で作られた表紙の絵が、とてもおしゃれでステキなご本です。

          

『モーグルビート!再会』(工藤純子・ポプラ社)
『モーグルビート!』の続編です。
 長野県の雪深い山村で、主人公の「一子」はモーグルを目の当たりにします。
 すべっていたのは、モーグルで世界を目指す美少女「美鈴」

 この続編では、その「美鈴」の父親の経営しているモーグルチームに入り、いよいよ本格的にモーグラーとしてトレーニングをはじめた「一子」の物語が展開していきます。
 そのチームでコーチとなった、かつての外国人名選手との関係。
「一子」の命名の由来となる、キロメーターランセの選手だった,今は亡き父親への思い。
「一子」の親友「俊平」との関係。
「一子」の家族の問題。
「俊平」の再婚した母と、新しい家族の問題。
 そういったものが、モーグルでてっぺんを目指す、「一子」の思いの横糸として物語は展開していきます。「一子」の目指すてっぺんとは、なんでしょう。ぜひお読みになって確かめてください。
 エンターテインメントスポーツ物語として「モーグル」からの切り込みは、まだ書かれておらず、そう言った点からも、おもしろい着想のお話になっています。

 皆さま、この2冊、ぜひお読みになってください。
 
 
コメント (4)
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