20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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つなぎの龍

2013年04月01日 | Weblog

            

 今日は4月1日。

 エイプリルフールです。

 子どもの頃、朝起きると、ねぼけなまこの頭に、父の「ウソ話」が落ちてきます。 

 おどろおどろしい話だったり、いかにもウソとわかるばかばかしい話だったり・・・。

 でもなぜか、いつも騙されます。

「残念でした。今日はエイプリルフールだよ」

 新聞を読みながら、してやったりという顔で、オチをつぶやく父の顔をみながら、

「あ、今年もやられた」と、悔しい気持ちになりながらも、大人になってからもずっと、あの朝の出来事が胸に残っています。

 そんなエイプリルフールの朝。祖母が脳溢血のためトイレで倒れ、意識不明になりました。

 中二の春でした。

 当時、大学生だった姉の下宿には電話がなく、父が電報を打ちました。

「ソバ キトク スグカエレ」

 祖母のことを「ソバ」と書いてあったため、半信半疑の姉が「もしや」と思い、秩父に帰ってきたのは、祖母が亡くなり、夜もふけてからでした。

「また、いつものエイプリルフールかと思った」と・・・。

 ですから今日は、祖母の命日でもあります。

 そんな秩父のことを思い出しながら、今日のblogは秩父ネタです。

 

 秩父神社東側には、「つなぎの龍」というのがあります。

 鎖でつながれた青い龍の彫刻です。

 左甚五郎の作と言われています。

 その昔、秩父札所十五番少林寺近くに「天ヶ池」という池があったそうです。 その池に住みついた龍があばれた日には、必ずこの彫刻の下に水溜りができていたことから、この龍が暴れ出したのではと思われ、とうとう鎖でつなぎ止められてしまったそうです。

 その後、龍はその池に現れなくなったという伝説があります。

 子どもの頃に祖母から、そのお話をしてもらったおぼえがあります。

 写真の鎖でつながれた青い龍の彫刻が、この伝説に語られた「つなぎの龍」です。

 先日、秩父へいったとき、撮してきました。

 

 ファンタジー作品によく出てくるのが、青龍、朱雀、百虎、玄武という四方を守っている神使。

「つなぎの龍」も、秩父神社の東北の鬼門を守護する、青龍の姿を彫刻に施したものと言われています。

  ↓の写真は、里のお墓のある札所十五番少林寺の庭に咲いていた、満開のレンギョウ。 

 白萩と共に、父の好きだったお花です。

            

コメント (2)
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