20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『ナイルパーチの女子会』(柚木麻子・文藝春秋)

2015年07月15日 | Weblog

           

 今夜は,仲間うちの読書会「Be—子どもと本」です。

 今月のテキストは柚木麻子の『ナイルパーチの女子会』です。

 いま注目の作家です。

 柚木麻子には、「黒柚木」と「白柚木」という作品世界があるそうです。

 この『ナイルパーチ・・・』は黒柚木です。

 

 脱力系blogを書いている「おひょうさん」に、日々のめり込み、惹かれていく,父親と同じ一流商社のOLとして務めていく女性の、破滅と再生の物語です。

 片や、そのおひょうさんの再生の物語でもあります。

 

 この作品を読みながら、柚木麻子の中には、たぶん「東電OL殺人事件」が、あったのではと思いました。

 恵まれた環境で才色兼備の彼女は、就職活動にも勝ち抜いて・・・。

 それでもなお、常に心を枯渇させている「ほんとうの女友達がいない」という虚しさ・・・。

 生き方が不器用で、友だちができない女性の心理が、痛いほど伝わって来ます。

 よくリサーチしています。

 ですからひとつひとつにリアリティがあります。

 

 でも私は、『本屋さんのダイアナ』など、白柚木の方が好きです。

 この本を書いたとき、柚木麻子の友人である,作家の朝井りょうが、

(西加奈子を中心に、この年代の作家たちはとても仲良しみたいです。集まって飲んだり、海外旅行に行ったり)

 「やっと本気だしたな」と言ってくれたと、彼女が TVで話していました

 読んでいて、苦しくなる感じは、本気出して書いているからなのかもしれません。でも本気だすのなら、こういう方向にがんばっちゃうんじゃなくて・・・(笑)。

 

 今夜はどんな意見が飛び交うでしょう。

 8月の終わりには、Beの一年に一回の、1泊の創作合宿があります。

 その詳細についての、話し合いもあります。

コメント (2)
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