ソメイヨシノが、いつの間にか散り落ちて、葉桜になっています。
代わりに花びらを開いたのは、八重桜。
濃いピンク色の、八重の桜は、ソメイヨシノの儚さとは真逆なイメージです。
ソメイヨシノの清楚なうつくしさをみたあとの、八重桜はお気の毒な気がします。
だって、八重桜だけが咲いていれば、きっとたくさんの人たちは
「華やかで、きれいね」と、愛でてくれます。
でもソメイヨシノの印象が、まだ脳裏に焼き付いている、同じ季節に、ちょっと遅れて咲く八重桜は、インパクトが強すぎます。
八重桜も、写真で写すととてもキュートで、コケティッシュな愛らしさを身にまとっています。
悪いのは、葉っぱ?
ソメイヨシノは、花が咲いているときは、葉っぱは遠慮しています。
主役がだれかということを、葉っぱはよくわきまえています。
でも八重桜の葉っぱは、一緒に出てきます。
それも若葉の季節の、あの目の覚めるような鮮やかな緑ではなく、ちょっと茶色の葉っぱで。
花のスタンス、葉っぱのスタンス。
そこを見事に連携プレーをしているのが、ソメイヨシノなのかもしれません。