5月15日〜20日まで、銀座7丁目の画廊「宮坂」で、後藤亮子さんの個展が開催されています。
久しぶりの個展です。
今日は午後から、後藤亮子さんの絵を拝見しながら、亮子さんにお会いしてきます。
夕方からは、隔月に行なっている「Be」の読書会です。
今月のテキストは、『星に願いを、そして手を』(青羽悠・集英社)
史上最年少で「すばる新人賞を受賞した、現役高校生、16歳の作品」です。
現役高校生で、受賞作デビューというと、綿矢りさを思い浮かべます。
綿矢りさは17歳でしたが。
でもあの『インストール』を書いた、彼女の感性と時代を掴む空気感。
驚くような感受性を持った作家の誕生と、驚いたものです。
けれど、そういった驚きは、この作品からは感じられません。
物語世界も、どこか既視感があります。
まっすぐな青春が、高校生らしい感性で描かれています。
謎解き的なストーリーと、重層的に登場する人物が、この賞の受賞につながって行ったのかなと思います。
綿矢りさは『インストール』で、「語られるべき、痛切な事実」を一切、描いていません。
それなのに、今を生きる「なにもない自分」が、見事に立ち上がってきます。
それに比べ、『星に願いを、そして手を」は、「語られるべき、痛切な事実」がありあまっています。
その「事実」を追求すればするほど、物語作りの常套手段からの展開になっていきます。
あまりに真っ当すぎて、一人一人の人間が生身の姿で立ち上がってこなかったのが残念でした。
さて、今夜はどんな意見が飛び交うか、楽しみです。