竹細工の花差しに、こんな涼しそうな花々が、投げ入れてあると、つい「夏支度」という言葉が、浮かびます。
夏支度、冬支度・・・。
春支度、秋支度もありますが、上記のものと比べると、これらの言葉からは、あまりくっきりとしたイメージが浮かびません。
クーラーなどがまだ普及していなかった、私の子ども時代。
秩父の実家では、梅雨が終わると、襖(ふすま)を簾戸(すど)に入れ替えていました。
秩父盆地に、暑い夏がやってくる前に、「夏支度」が始まるのです。
簾戸からは、清々しい夏の風が、流れてきました。
竹細工の花差しを見ていたら、簾戸から流れてきた、子どもの頃の、秩父盆地の風を思い出しました。