週末の午後、ホテルから眺めた東京の空。
毎週のように仕事で来ているので、そう珍しくもないはずなのに、
高層階からの東京の街はとても新鮮に映る。
そう思うのはきっと空が広いからだと思う。
港区から千代田区、中央区に林立する高層ビル街。
ふだんはそのビルの谷間を行き来しながら空を見上げている。
その狭い空が、いつのまにか自分にとっての東京の空になってしまっていたようだ。
学生の頃。
東京の空は、どこからでも東京タワーや霞が関ビルが見えるほど広かった。
それが今では、東京タワーはビルの谷間で窮屈そうだし、
霞が関ビルにいたってはどれがそうなのかさえわからなくなってしまった。
けれど、ここから眺める景色はそんな学生の頃見た広い空を思い出させてくれる。
窓際に置いたワイングラス。
ふと、その中に東京の空が映っていることに気がついた。
広角レンズにも収まりきらないビル群と空が小さなグラスの中に閉じ込められている。
まるで、東京の空をひとり占めにしたような気分。
そんな空を眺めながら、いつもと違う東京の午後を楽しんだ。
なんとなくの選曲
Jackson Browne Walls and Doors
「9」のつく日は空倶楽部の日