ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

42年前の今日~穂高と乗鞍~

2014-08-25 11:30:23 | 山日記

二人の子供の子育ても一段落した1972年8月、結婚後はじめて二人で長い山行をしました。例によって当時の山日記からの抜粋です。

23日。子供を実家にあずけてアタックザックに妻は食料、僕は装備をそれぞれ一杯に詰め込んで家を出る。アルプス特急という名のバスでうとうとしているうちに上高地着。吊尾根にガスがかかっていたが、まあまあの天気。

 24 日。寝ばけ眼で登山者カードに記入し、上高地発。半分居眠りしながら明神池を過ぎ、徳沢まで来てやっと目が覚めた。シーズンも終わりに近く、人気の少ない静かな山道を味わうようにゆっくり歩く。横尾手前の黒沢出合で朝食。本谷出合で早めの昼食。涸沢ヒュッテはがら空きで非常に寒く、ありたけのものを着て震える。夕方からはストープが焚かれる。
 
 
25日。前に義弟と登ったときに比べると 6kg も痩せたのでずっと楽だ。北穂へ南稜をのんびり登る。
 
 
北穂頂上はガスに包まれて、槍の穂もすぐ見えなくなった。コーヒーを沸かし昼食。ここから奥穂への岩稜の最低コル付近で 3 羽の雷鳥を見る。滝谷側からガスが吹き上げてきて、肌寒い。涸沢岳でしばらく休み、山荘に着きハニーレモンを沸かす。
 
 穂高岳山荘から奥穂
 
 
夕方、外で食事して後片付けしているとき、ジャンが見えた。山荘の前は広くなり、大きな石のテーブルまでおいてある。
 
26日。目を覚ますとかなりの雨。奥穂~岳沢をあきらめて、風雨のザイテングラードを下山。横尾で缶ビールを立ち飲みして元気をつけて、また歩く。明神で熱いウドンを喰い、びしょ濡れで上高地へ下り、バスで平湯へ。雨、止まず。温泉で汗を流す。
 
27日。夜明けまで雨の音がしていたが、 7 時頃、急に青空が広がり、笠ヶ岳が宿の窓から見えた。9 時発のバスで乗鞍へ。ガイドの兄ちゃんは、本年最後のバスが年に一度の快晴だと、一人で感激していた。なるほどバスが登るにつれて、槍、穂高、笠、中ア、白山と視界が拡がり、雲海も見え、絶好の展望。
 
 
畳平より剣ヶ峰へ向かう。
 
 
頂上では御岳や富士は見えなかったが、青空の下、太陽を浴びて久しぶりにすかっとした。
 
 
帰路平湯峠でバスを降りました。峠の茶屋の前にはクマの仔が鎖で繋がれていました。平湯峠で山菜ソバを食べて、ヒッチハイクで平湯へ帰りました。

私の関西百山(78)槇尾山

2014-08-25 05:18:17 | 私の関西百山

 78 槇尾山(601m)
<まきおさん>大阪府和泉市。中腹(標高500m付近)にある天台宗の寺院・施福寺の山号と同じである。

空海や行基も修行したという修験道の聖地で、山中には多くの滝がかかる。西国三十三ヶ所第四番札所である寺の背後の山頂は捨身ヶ岳というが、やや道が不明瞭である。途中の蔵岩からの展望は素晴らしい。関西の岳人には屯鶴坊を起点とするダイアモンドトレイルの終点として知られている。

 清水滝

最初にこの山を訪れたのは1959年4月10日、皇太子(現天皇)ご成婚の日だった。友人と3人で9時40分に春木駅をスタートし、側川谷を遡行して清水滝などで遊び、山頂には15時に着いている。

府中まで歩いて大阪へ帰って、居酒屋で一杯やっていると、TVでご成婚パレードに投石事件があったことが伝えられていた。翌年5月にもこの山の周辺を歩いているが、記録を残していない。

15年後の1974年5月、府中からのバスで逆コースから入山した。約20kgの荷だったが快調に尾根を越して清水の滝へ。15年前に比べると道は良くなって人も増えたか、ゴミも増え、水量はぐっと少なくなったようだった。林間でテントを張り、翌日、側川口に下った。
 
1995年3月5日、町内の山の会の下見に二人で登った。マイカーで側川林道の荒れた路面を走り終点の広場から指導標に難路とされている渓沿いの道を登る。

 清水滝

人智開明の滝から清水滝までは、大きな朴の葉を踏んでいく。和泉最大という清水滝の右岸の岩場を、ザイルにすがって登り、水平道を五ツ辻へ。ここには古い木の鳥居と各方面を示す道標がある。

鋭角に右へ折れ、整備された松林の中の道を緩く登る。少し急坂を頑張ると右へ尾根を捲くようになり、木の間越しに大阪湾や和泉の町がちらほら望まれる。三ツ辻からは再び傾斜が強まる。

尾根上の小さな突起に登ると十五丁地蔵が鎮座し、「まきのおみち」を指す古い石標がある。ここから引き返し、三ツ辻からは尾根の上を槙尾山へ向かう。右手になだらかな岩湧山が見える。顕著なピークを一つ越し、再び緩く登った檜原越で昼食。急坂を下ると滝畑ダムヘの分岐があり、すぐ施福寺の境内に入った。広場から一徳坊山と岩湧を眺めて、蔵岩に向かう。急坂を登って岩の上に立つ。

素晴らしい展望所で、東に岩湧、その向こうに金剛、葛城が、西には大阪湾と泉南の町が拡がる。早々に正面見えるビークヘ向かう。小さな松の点在する岩稜を通り、雑木林の中を登って601ピークに立つ。

三角点も見当たらず、展望も皆無で面白味のない頂上だった。(写真は1週間後の例会時、清水滝の写真も)

<参考コースタイム> 側川林道終点(30分)清水滝(10分)五ツ辻(40分)三ツ辻(10分)十五丁地蔵(10分)三ツ辻(15分)檜原越え(15分)施福寺(20分)蔵岩(15分)601M ピーク (30分)山門前バス停14:05(40分)側川林道終点