ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

この花を見たさに観音峯へ(2015.06.17)

2015-06-19 21:01:10 | 山日記

【メンバー】丸屋博義、丸屋三輪子、芳村嘉一郎、芳村和子

【コースタイム】虻峠トンネル出口駐車場07:45…観音平08:55~09:10…展望台09:35~10:05…観音峰10:50~11:00…展望台11:43…観音岩屋12:05~12:20…駐車場13:50

ベニバナヤマシャクヤクの花を見に行こうと丸さん夫妻を誘うが、今年は色々な花の咲く季節が例年に比べて早いようだ。先週、FBで知った情報ではこの週末が恐らく最後のチャンスらしい。4人の予定と天候の関係も勘案してようやく日を決める。前夜も雨が降り、まだ雲が葛城の姿を隠している朝6時、迎えに来てくれた丸さんの車で家を出る。京奈和道が御所まで通じるようになったので、1時間半で虻峠トンネルを抜けて駐車場に着く。

薄い靄のかかる吊橋を渡って「みたらい遊歩道」を横切る辺りからは、例年通りコアジサイの花が満開だった。

足元は昨夜の雨で少しぬかるんで滑りやすいので、ゆっくり歩く。観音の水の冷たい水で喉を潤して、右に谷を見下ろしながら登る。濃いピンクのササユリが一輪、緑の中に鮮やかな色を見せていた。木の間からちらちら見える大日岳辺りの山腹の雲が次第に上がっていくのを見ると、天気は良い方に向かっているようだ。しかし第一展望台では、まだ山頂部を見るのは無理だろうと見送って先に進む。緑に苔むした岩が現れて、その上にウツギの白い花が点々と散り落ちて美しい紋様のようだ。

 

 大きな銅鳥居を潜って休憩舎のある観音平に着く。頭上に青空が開け、日が射しこんできた。広場の中央に円形に配置された御影石に腰を下ろして、パンとコーヒーで小腹を満たして出発。

御歌石を過ぎて観音岩屋分岐からしばらく山腹を捲き、ジグザグの階段道を登って展望台へ登る。

上の平に着く手前から道の左側に太いロープが張られ、「絶滅危惧種の植物自生地であるので撮影のためにロープを越えないこと」の旨の表示板が設けられていた。ここへは4年ぶり8回目になるが初めてのことである。高曇りの空には青空も覗き、しばらく天気は持ちそうだ。

待望のベニバナヤマシャクヤクをロープ越しにカメラに収めて後、展望台にザックを置いて、ロープの張られていない東側のカヤトの斜面に下る。

陽当りがいいためかベニシャクの花は既におちていたが、刈り残ったジキタリスの群落越しに稲村から大日、バリゴヤの頭に続く稜線が美しく望めた。展望台に帰り、先着していた男性に記念写真を撮って貰って観音峰(観音峯山)に向かう。

緩く1285mピークへの鞍部に下る辺りにも濃い色の花があちこちで見られた。深い林の中の急坂は苔むした倒木や、ブナやカエデの大木の立ち並ぶ滑りやすい急坂を登る。ピークからは緩く下って登り返し、最後はフタリシズカの花やトリカブトの葉の大群落の中を三等三角点の埋まる観音峰に着く。

無展望の上に霧の粒が大きくなり、肌寒さを感じるほどになったので早々に山頂を後にする。下りは滑りやすいことさえ気を付ければ楽で最後の急坂で視界が開けると、展望台に数人の人影が見えた。皆さん、ベニシャクの写真が目的らしく登る気配はない。タイムを残すための写真だけ撮って下る。昼前になって登ってくる人に出会うようなる。女性の多い10人パーティもあった。

観音岩屋へ寄り道して、腰をかがめて中へ入り観音様を拝む。周辺には記憶通り、白シャクヤクの葉がたくさん見えた。

観音平で昼食をとり、後はどんどん下って観音水を汲んで駐車場に帰る。待っていたように、パラパラと大粒の雨が落ちてきた。梅雨の晴れ間の僅かなタイミングで旧知の美しい花に出会えて、本当に幸運だった。