*このシリーズは山行報告ではなく、私のこれまで登った奈良の山をエリアごとに、民話や伝説も加えて随筆風にご紹介しています。季節を変えたものや、かなり古いもの写真も含んでいます。コース状況は刻々変化しますので、山行の際は最新の情報を入手されますようお願いします。*
(135) 陣ヶ峰(じんがみね)<1106m> 「山頂に金毘羅さん」
和歌山県高野町と奈良県野迫川町の境にあり、標高1106mの一等三角点を持つ。山頂に金比羅宮がある。
高野山の門前町を抜けて、行き交う車の少ない県道53号線に入る。尾根末端を回り込む格好でヘアピンカーブがあり、その頂点で三叉路になっている処が天狗木峠である。私たちは休憩舎の横の駐車スペースに車を置いて「金比羅宮参道」の標識に従って舗装路を尾根に登った。
なだらかな土の道が終わると、急な舗装路に変わり、それが何度か交互に出てくる。左手にヒノキ、右にはマツが並ぶ道の幅は広く、土の出ているところは緩傾斜、舗装部分は凄い急勾配である。しかし15分足らずで、あっけなく山頂の一角、金比羅宮の前に出た。
陣ヶ峰三角点は神社前の広場から、ミヤコザサやススキを掻き分けるように南へ100mほど行った処にある。
さすが一等三角点だけあって展望は広く、南に伯母子岳、護摩壇山、西に矢筈山や生石ヶ峰、北には高野山の塔頭とそれを囲む高野三山、東側はヒノキ林の切れ目から大峰の山々が望めた。