16年前の今日は剣岳にその2年後はジャンダルムにおりました。どちらも岩の大好きな妻と一緒でした。
1998年9月7日。剣岳へは何度も登っていますが、妻は初めてです。写真は前日の夕方小屋の前で…『小屋の前でコーヒーを沸かしていると、ガスが晴れて八ツ峰、源次郎尾根、前剣、本峰と次第に剣の全容が現れてきた。』
翌7日、サブザックを背に剣沢小屋を5時半出発。一服剣、前剣と過ぎて岩のやせ尾根を下り、いよいよ核心部「門」のトラバース。『ガイド役の男性に連れられた女性4人組が通過に時間がかかっている。少し待って取り付くと、和子はあっという間に渡ってしまった。「ウチはこういう所好きヤ」とのたまう。長女がお腹にいるのに岩登りの練習をした位の女だから、怖くなくて当然なのである。先行のパーティに先を譲って貰って平蔵のコルを過ぎ、
「カニのタテ這い」もスイスイ登って「これだけで終わり?」と物足りなそうな顔。「本に書いてあるのは大げさなんヤ」と納得している。』早月尾根からのルートと合うと、後はガラガラの岩屑を踏んで祠のある頂上に立ちました。
『和子は念願の頂きに感激の面もち。私も5度目とはいうものの26年振りで、感慨深く祠に手をあわす。』
帰りは地獄谷を見に行き、さらに天狗平の高原ホテルまで歩きました。この日は11時間行動でした。
2000年9月7日。横尾で同室したNさん夫妻と一緒にジャンダルムに来ると、基部に「西穂へ」のペンキ標識がありました。
こちらから回り込むように登れますが、正面岩壁中央部に短いザイルが取り付けてあるので直登しました。
ちょっとスタンスが大きくて渋いので、無理をしないように3人には西穂側から登って貰いました。広い頂上(3183m)で3人を待って、素晴らしい展望を楽しみました。
『遠くに浅間、乗鞍、御嶽、八ヶ岳が浮かぶ。槍の向こうに立山も後立山連峰も見える。小さな白点が動くのに目を凝らすと千石平から下るロープウェイだ。いつまでも立ち去りがたい思いを振り切って、西穂側のガラガラのルートを下る。』
↑奥穂高へ帰る途中、馬ノ背の岩稜で。焼岳を見下ろす。奥穂高の頂上で徳沢園に荷を預けてあるNさんと別れ、前穂へ縦走して岳沢小屋へ下りました。