マッシュムラムラ(仮) ――クラ鈴が斬る!――

SINCE:2002.2.24
氷室京介、あぶない刑事、マンガ etc

COWBOY BEBOP (エピソード集2)

2022-02-05 19:44:52 | カウボーイ・ビバップ
以前、テキストサイトでUPしてた記事です。今回は「お気に入りエピソード」の紹介(PART2)。
軽く推敲、加筆修正はやってますが、20年近く前に書いた記事がベースですんで、いろいろとご容赦を(笑)。


ザ・リアル・フォーク・ブルース(前編)(後編)

エドとアインはすでに去り、(この回の以前に)記憶を取り戻していたフェイもビバップ号を出て、当てもなく火星をフラつく。その間、ジュリアの存命を確認したスパイクは、足を撃たれて動けなくなったジェットのためにフェイを呼び戻し、自身はビバップ号を飛び出していく――。
さて、最終回です。
まず、冒頭でクーデターに失敗し、捕らえられたビシャスによる、





「殺せ! いますぐに!」


「覚えておくんだな・・・蛇の毒はあとから効いてくるものだということを・・・」




といった台詞回しがカッコいいです。まさに悪の華! (笑)
で、組織(レッド・ドラゴン)としては、これを機に「少しでも障害になる可能性のある異分子」を排除する方向に動きます。
死んだことにして組織を抜けていたスパイクも、そして、やはり死んでいるはずのジュリアも例外ではありませんでした。
ジェットと飲んでいるトコを襲われるスパイク。
数も装備も圧倒的に相手のほうが上。そのうえ、ジェットが片足を撃たれ・・・
そんなピンチに駆けつけたのが、死んだはずのリンそっくりな男――シンでした。
何でも、このシンはリンの弟とのことですが・・・まあ、これはちょっと「ご都合主義」だとは思います(笑)。
さらにいえば、スパイクがあれだけ探して確証は得られなかった「ジュリアの存命」も、シンの口からあっけなく確認することができちゃいます(笑)。
まあ、ビバップという作品は、「緻密な設定」とかより「ノリやテンポ、あるいは各キャラの“生活描写”」がメインな作品ですからね。あんまり細かいこといっちゃうのも、ナンセンスでしょう。
それはともかくとして。
「この場はボクが」というシンの言葉に甘え、スパイクはジェットを連れ、おそらくは「モグリ」である馴染みの医者の元へと駆け込みます。
そこでジェットの治療をしたうえで、ビバップ号へ。
その間、ジュリアの危機を偶然、救うことになったフェイは、彼女の口から「スパイク」という言葉を耳にし、たしかな動揺を見せます。
このとき、ヒロインふたりが海を眺めながらタバコを吹かす姿は、めちゃめちゃ絵になってましたねぇ。
ふたりとも、「大人っぽい、落ち着いた佇まい」なんだけどさ、ジュリアのそれは「あくまでクールで、どっか陰のある感じ」がするのに対し、フェイのは「ちょっとだけ(カッコいいという意味での)ケバさをも醸し出している」感じがして。
このとき発していたふたりのそれぞれの雰囲気は、ジュリアもフェイも「自然に出てしまっているもの」であることは間違いないものの、ジュリアのほうは「いつの間にか身についていた」、フェイのほうは「意識して出しているうちに、やがて自然と出せるようになっていった」「気取っていたら、いつしか板についていた」って感じが何となく出てる気がします。
まあ、オレの「深読み」かもしれませんが(苦笑)、このふたりの“微妙な対比”は、個人的には大好きな演出です。
で、別れ際にフェイは、「スパイクに会ったら伝えて・・・“あの場所”で待ってる、って・・・」と、ジュリアに告げられるわけですが・・・





「なんで知ってんのよ!?」という言葉とともに、珍しく「不安そう」ともとれる目を浮かべたフェイが印象的でしたねぇ。



まあ、この時点で、「スパイクはやはりこの女の元へ・・・」っていう予感があったんでしょうね。
いや、彼女のスパイクに対する感情っていうのは、





「仲間意識以上、恋愛感情未満」



っていう感じだと思いますが、それでも、やはり「ある意味、嫉妬にも似た寂しさ」っていうのも、どっかにはあったんでしょう。
フェイって、普段は悪女っぽさを出したり、クールを気取ってたりするんだけど、時折、こういう風に「地」が出るんですよねぇ~(笑)。
ちなみに、彼女、記憶をなくす以前は、家柄のいいお嬢様だったりします。
まあ、そういったところが、彼女の魅力なんでしょうね。





アダルト、セクシー、そして「悪女」っぽく見せてはいるけど、じつは結構、情が深い。そのくせ、それを素直には見せようとしない。



――こうして考えると、やっぱフェイもかわいいなぁ(笑)。
当初は、「ジュリアもフェイもどっちも好き」って感じだったけど、しばらくしてからは「フェイ寄り」だったかな? (笑)
って、まあ、それはいいとして。
で、フェイはビバップ号に戻り、スパイクにジュリアからの伝言を伝えます。
そんときのフェイの、彼女なりのもどかしさ――スパイクの後ろ姿を見て、うれしいんだけど、「ジュリアの言葉を伝えなければならない」=「スパイクはいってしまう」といった寂しさから、声をかけられないでいたトコなんかは、またかわいいですよね(笑)。
まあ、結局、スパイクに「・・・何だ?」なんていわれて、いつもの口調や態度に戻るんですが(笑)。
それはともかく、こんとき、どうやらフェイは後をつけられていたらしく(スパイクには、『ま、早いか遅いかの違いだ』なんて、いってもらえましたが)、レッド・ドラゴンの戦闘機により、ビバップ号が襲撃されます。
それを迎撃するスパイク、フェイ、そしてジェット。
やがて、粗方のケリがつくと、ジェットはスパイクに対し、「行けよ」という言葉を口にします。
当然、ジェットとしては、やっぱスパイクとの間に友情を感じていたから、ホントは行かせたくないんですけどね。「ジュリアと再会したら、スパイクは自分の元へは顔を出さなくなる」からではなく、ジュリアの立場も何となく察していたから、スパイクが彼女と行動を共にするようになれば、かなりの率で、彼にも「死」というものが迫ってくる・・・。
このシーン以前に、「引き返せよ・・・」「もう、おまえはレッド・ドラゴンとは関係ねぇだろ!?」みたいなこともいってたしね。
それでもスパイクをけしかけるジェット――。
この辺は、男同士にしかわかんない感覚かもね(実際、フェイは、そんなジェットに愚痴ってたし)。
もちろん、友に死なれるのはつらい。とはいえ、スパイクという男は、(よくも悪くも)「自由気まま」を貫く男・・・。
そして、自分は彼のそんなトコに、手を焼かれながらも、惹かれていた。





そんな男との友情に応えるには、ここは引き止めるべきではない。



――ジェットとしては、そう判断したのかもしれませんね。あるいは、「仮に止めることができたとしても、ジュリアに会えないがために、抜け殻のようになってしまったスパイクなど、見るに忍びない」っていうのもあったのかも。
もっとも、





「どうせ止めたって、聞きゃあしねぇだろ」



っていう考えもあったんでしょうが(笑)。
まあ、いずれにせよ、彼にとっては「苦渋の選択」だったでしょうね。
こういうトコに、彼の男気、情の深さ、そして懐の広さみたいなものを感じます。この人は、立派な大人ですね。
そして舞台は変わって、“あの場所”。
雨のラストシーン。墓地に辿り着いたスパイクは、そこで待っていたジュリアに銃を向けられる――。



「前編」はここで終わってます。ただ、続く「後編」の冒頭で、ジュリアは銃を下ろし、スパイクと軽く抱擁を交わします。
そして今度こそ、




「このままどこかへ逃げよう・・・」



――このシーンを見てる限りだと、やっぱ「スパイク×ジュリア」という関係もいいよな~、なんて思っちゃいます(笑)。
たしかに、ジュリアほどの女だったら、すべてをかなぐり捨ててでも、一緒に逃げたくなるわ(笑)。
めちゃめちゃ美人だし、物腰も落ち着いて穏やかだし、どっか陰があるんだけど、それがやたら絵になってるし。
「普通の女よ・・・奇麗で危なくてほっとけない、普通の女・・・」――フェイがジュリアをそう評してましたが、たしかに「かばってやりたくなる」感じがするし、また、彼女のほうも男をかばうことができるような、すなわち、「お互い支え合うことができそうなタイプ」ですよね。まさにそういう意味では、スパイクがいってた「なくした欠片」っていう表現がピッタリ当てはまる。
いや、フェイもさ、付き合ってみれば、きっとそうなんだろうけどさ、彼女の場合、それが“パッと見”や、付き合いが浅いうちはわかりにくい(あの手の女を気取ってますからね/笑)。
対して、ジュリアみたいな女だと、「互いに支え合うことができそうなタイプ」であることが非常にわかりやすい。っていうか、その特有の“陰”や「儚げな雰囲気」から、たしかに男に「大丈夫?」といいたくなるような気持ち――保護欲みたいなものを生じさせやすいといえる。
この辺りに、「結局、スパイクの瞳にはジュリアしか映らなかった」所以があるのかもしれませんね。
で、スパイクとジュリアがとりあえず逃げ込んだ先――ふたりにとっては昔の恩人・アニーの店に飛び込んだトコから、物語はいよいよ佳境へと向かって走り出します。
「あんたは死んだ、っていったんだけど・・・」「ジュリアに会えたんだね」といったセリフを残し、息絶えるアニー。
そう、彼女は既にレッド・ドラゴンの襲撃を受けており・・・。
直後、再びレッド・ドラゴンがこの場を襲撃してくることを察し、無言のまま、アニーが奥に隠しておいたと思われるショットガンを持ち出し、弾を込めるスパイク。
そんな彼に対し、ジュリアはこう呟きます――「どこかへ逃げるのに、そんな武器はいらないわ・・・」
これも私の憶測ですが、この台詞、ジュリアにとっては「ダメモト」で口にしたものじゃないかな?
「“ふたりの今後”を考えた場合、アニーには悪いけど、一刻も早くこの場から立ち去るべき」「でも、この男(スパイク)には、そんな理屈は通用しない」――あるいは、そういう男だからこそ、自分は惹かれたのかもしれない。
まあ、この時点で、ジュリアは「直後の自身の運命」を察してたのかもね。そして、覚悟を決めたのかもしれません。
前述の台詞をスパイクに黙殺された彼女でしたが、だからといって反発することもなく、銃を抜いて彼の援護に回ります。
そんな彼女を待ち受けていた運命は・・・・・・





ジュリア「これは・・・夢ね・・・」
スパイク「ああ・・・悪い夢さ・・・」


このジュリアとスパイクの“最後のやりとり”は、必ずしも現実逃避ではなく(まあ、そういう部分も、全くないわけでもないでしょうが)、なんていうか、いかにも「彼ららしい別れの挨拶」って感じがしていいですね。
「最後まで“しゃれた物言い”で終わらせた」って感じがして。
で、ふたりとも涙を見せなかったのと、ジュリアの死に顔(上の画像)があまりに奇麗、「儚げな美しさ」だったのが、かえってこのシーンの印象を深めてくれましたね。
スパイクも、表には出してなかったけど、余計に・・・。
直後、当然、彼は(『ビバップ号に一度、顔を出したうえで』ではありますが)、レッド・ドラゴンに乗り込むことになります――。
一方、ビシャスは、処刑直前の“大逆転劇”で、レッド・ドラゴンを完全に掌中に収めることに成功します(スパイクとジュリアを襲ったのも、それまでの長老派ではなく、既にビシャスの手の者と化した構成員たち)。
この“大逆転劇”における、彼の台詞――





「紅い涙を流すがいい・・・!」



は、文句なくカッコよかったですね。まさしく“悪の華”です。
まあ、直後に、長老の眼球を刀で横一文字に斬り捨てる行為は、ちょっとグロかったですが(笑)。
ただ・・・この“大逆転劇”、矛盾も見受けられる気が・・・(苦笑)。
多分、長老派の中にも“隠れビシャス派”がいたんでしょう。彼らが処刑直前に蜂起するのはわかる。
でも、だとしたら、結局は失敗に終わった最初の蜂起の際、その直前に「長老側に漏れている」って密告があってもおかしくないはずだし(隠れビシャス派→ビシャス本人にね)、それにより、ビシャスのクーデターは1回目で成功してそうなモンなんだが・・・(『漏れている』ってことを逆手に取るなどしてね)。
かといって、「1回目は“隠れビシャス派”は不在だった」というのはちょっと考えにくい。いくらビシャスが「戦いの中でしか生きられない男」であっても、そんな不確定すぎる勝算で、大勝負に臨むとは思えない。
まあ、前述のとおり、「ビバップは細かい設定を楽しむ作品ではない」ですからね。ここもスルーしましょう(笑)。
ともかく、アニーの店にあとから駆けつけたビシャスは、ジュリアのコートやパスポートなどを確認すると、「奴は来る」と判断し、「スパイク追撃」を切り上げます。
「ジュリアが死んだ以上、奴はすべてのケリをつけにくる」――かつては友情すら感じ、戦闘においては互いの背中を預け合った仲です。スパイクの今後の行動は容易に予測できます。
その後、レッド・ドラゴンのビルの最上階で、静かに彼を待ち受けることに。
そして、物語はいよいよ佳境に――。
なにげなく、フラリとビバップ号に帰ってきたスパイク。それを確認したジェットの驚いた様子などお構いなしに、あくまで普段どおりの口調で、

「なんか食いモンないか? 腹ペコなんだ」

といった台詞を口にします。

スパイク「相変わらず、あんたの作る料理はまずいな・・・」
ジェット「その割に随分、食ってんだろうが」
スパイク「空腹は最高の調味料、ってやつさ」

――あくまで普段どおりのやりとりをしたあと、スパイクによる「百万回死んで、百万回生まれ変わり、愛し合ったメス猫が死んで百万回泣き、そして自分もようやく死に、二度と生き返ることがなかった猫の話」が。





スパイク「オレはこの話が嫌いだ。

――オレは猫が嫌いだ」




どってことないオチのあと、にもかかわらず、互いに爆笑するスパイクとジェット。
やっぱ、このとき、スパイクはもちろん、ジェットのほうも「最後の晩餐」であることを悟ってたんですよね。
「爆笑」ではあったけど、双方とも、どっか乾いた感のあるそれだったし・・・。
もちろん、ジェットとしては、ここに至っても行かせたくはないんだけど、「言って聞くような奴」じゃないし、「“ヤクザな生き方をしている男”っていうのは、ときには命を賭してでも臨まなければならないこともある」ってことを、自身も「同じ種の男」だから、余計にわかってしまってたんじゃないかな・・・?





これぞ、男の友情!



もう、男にしかわからん感覚かもしれませんね。
これ、もしオレがスパイクと同じ立場、彼と似たような性格であったら、やっぱ行かざるを得ないし、ジェットと同じ立場、似たような性格だったら、やっぱそんな相棒を止めることなんてできないよなぁ・・・。
しかし、女はそうはいきません。

「どこ行くの? ・・・なんで行くの?」

スパイクが部屋から出ようとしたところを、彼の横顔に銃を向けることで止めようとするフェイ。
その表情には、「怒りの色」すら窺えます。

フェイ「いつかあんた、いったわよね? 『過去なんて、どうでもいい』って・・・

――あんたのほうが過去に縛られてる!

これ、スパイクにとっては、ある意味、図星だよね。
「過去」そのものには拘ってないけど、「ジュリアへの想いと、彼女との記憶」となると、たしかに拘っていると言わざるを得ない。
ビシャスとのケリをつけるのだって、結局は「ジュリア絡み」でもあるわけだし。
それでも、スパイクの決意は変わりません。

スパイク(自分の顔をフェイの顔に近づけながら)「この目を見ろ。事故でなくして、片っぽは作りモンだ。
そんときから、オレは片方の目で過去を見て、もう一方で現在(いま)を見てた。
『目に見えるモンだけが、現実じゃない』――そう思っていた」

フェイ「そんな話しないで。『身の上話』なんてしたことなかったくせに・・・いまそんな話しないでよ」

スパイク「醒めない夢でも見てるつもりだった。
――いつの間にか、醒めちまってた」


フェイ「私、記憶戻ったの。でも、いいことなんてなかった・・・帰る場所なんてどこにもなかった・・・





――ここしか帰る場所がなかった!



一転、俯き気味に、叫ぶように呟くフェイ。
それでも、スパイクは無言のまま、なにも答えず・・・。

フェイ「それなのに、どこ行くの? なんで行くの?
――わざわざ命を捨てにいくってわけ!?」





スパイク「死ににいくわけじゃない。オレがホントに生きてるかどうか、確かめにいくんだ」



最後にそういい残すと、スパイクはその場をあとにします。
直後、フェイが引き金を引くも、スパイクに当てられるはずもなく、銃声だけがむなしくビバップ号船内にこだまします。
このシーン、ちょうどこのとき、「ザ・リアル・フォーク・ブルース」の、普段のエンディングではかからないフルコーラス・バージョンが流れるんですが・・・
イントロがかかった瞬間、





マジで泣きそうになりました(笑)。



「“彼なりに”ではあるけど、いつになく険しい表情を浮かべて、レッド・ドラゴンに乗り込むスパイク」「ビバップ号の船内から、ただ黙って窓の向こうの風景を見つめるジェットの後ろ姿」、そして「フェイの涙」・・・。
最初のうちはスパイクに感情移入してましたが、何度かこのシーンを見ているうちに、フェイの姿に「グッ」とくるものが芽生えましたね。
顔を少し俯かせることで、サイドの髪を垂らすも、さほど長くはないせいか、完全には隠れない横顔・・・たしかに確認できる彼女の涙・・・。
そのように、各キャラ(とくにフェイ)に最後のスポットが当てられたうえで――スパイクは、やがてレッド・ドラゴンのビルに辿り着きます。
玄関口で、手榴弾を蹴っ飛ばし、その爆発をもって、自ら戦端を開くスパイク。
見応えのあるガン・アクションを繰り返し、とはいえ、自らもダメージを受けるも、順調にフロアを上がっていきます。
途中、シンという心強い味方を得ることで、さらに最上階を目指すことに。
しかし、そのシンも敵の銃弾に倒れます。「ホントは、あなたに戻ってほしかった」という台詞を残して。
それでも、その悲しみを乗り越え、ビシャスのもとへと急ぐスパイク。
最上階で、瞑目したまま椅子に身を沈めていたビシャスも、ここに至ってようやく、ゆっくりと腰を上げます。
そして、三度(みたび)、対峙する両雄・・・!

スパイク「ジュリアは逝っちまった・・・終わりにしようぜ」

ビシャス「望みどおりに!」


発砲したうえで、間合いを詰めるスパイク。
突進してくる彼に小型のナイフを投げつけることで、応戦するビシャス。
そして、互いの弾丸と刃先が、互いの体を捉える・・・・・・。
これ、個人的には勉強になりましたねぇ~。
いや、私も一応は「アマチュア・クリエーター」(笑)の端くれなんですが、「現代劇、もしくは“架空現代劇”(ビバップは“架空未来劇”ですが)で、刀剣を使うキャラっていうのは、(銃による)遠距離攻撃にどう対応するのか?」っていう疑問が常々ありましてね。このビシャスの「投げナイフ」は、その「答え」のひとつだと思います。
いくらなんでも、「刀剣キャラに弾は当たらない」とか、「刀剣キャラに対し、銃を使う敵をぶつけない」っていうのは嘘すぎるしね(笑)。
まあ、それはいいとして。
ついに、この作品のラストシーン。
片足を引きずりながら、ゆっくりと階段を降りるスパイク。
ビシャスとのケリは着いたものの、自身も瀕死のダメージを負っています。
そのせいか、敵である彼の姿を確認しても、銃を下ろし、しばし惚けたように見つめているレッド・ドラゴンの生き残りたち。
そんな彼らに対し、人差し指と親指で銃の形を作った右手をゆっくりと上げるスパイク。
そして、人差し指の先端が丁度、彼らのほうを指し示したとき――



スパイク「バァッン」



小声ながらもたしかにそう呟くと、静かにその場に倒れ込む。
そんな彼の死に顔には・・・うっすらとした笑みが浮かんでいた――。
これ、スパイクとしては、「充分に生きた」っていう感覚があったんだろうね。
あるいは、スパイクのことだから、「悔いはあるけど、最後までそういったネガティブな気持ちを見せないために」っていうのも、あるのかもしれませんが。
私としては、「前者である」と信じたいですねぇ。
たしかに、自由気ままに生き、「馴れ合わず、離れすぎず」といった仲間たちに恵まれ、そして、最後には愛する女と再会できて、さらには昔の因縁とケリをつけることができたわけだし。
まあ、「死んじゃったら何にもならない」「残された仲間(とくにフェイ)にとっては、ただ悲しいだけ」っていうのも、わかるけどね。
それでも、男としては、彼の生き方って、





「理想形のひとつ」



だと思います。
ここまで自由気ままに、そして悔いなく生きられたキャラって、私が知る限りではスパイクだけであり、ルックスや小粋な言動、あるいは戦闘における強さももちろんそうですが、なによりも、そういった面がスパイクの魅力であり、後々に至るまで、私が彼に強く惹かれていた要因だと思います。
こんなにまで感情移入できた主人公って、今後、そうは出ないだろうなぁ・・・。そのうち、「フィクションのキャラクター列伝」でもやろうかな? まあ、スパイクは確実にリストアップされるでしょうね(笑)。
ってわけで、最後にこんな思いを言葉にして、締めくくりたいと思います――





オレも、スパイクみたいに自由に生きて、自由に死にてぇぇぇぇっ!!



いや、別に自殺願望があるわけじゃないですけどね(笑)。
まあ、銃もまともに扱えないし、あんな度胸ないし、なによりあんなにカッコよくできてない私には無理でしょうけどね(ビバップ号の面々ほどの『逞しい生活力』もないし/笑)。


さて、「ビバップ記事の再アップ企画」、次回は「次回予告集」を予定しています。それでとりあえずは〆る形でしょうね。

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