1巻が出ました。「以下、続刊」です。
新選組副長・土方歳三をフィーチャーした作品です。
まあ、基本は史実、というか、伝承に基づいた作風ではありますが、「病床にいたはずの沖田総司が、小姓・市村鉄之助として、土方に同行する」「会津に滞在している土方が、山本八重と出会う」などといった脚色も若干、加わってます。って、後者はホントに会ってたかもしれんけど。
とりあえず、
沖田(向かって右)の伊達男ぶりがカッコいいですね。
もちろん、土方もカッコいいんですが、この沖田はお気に入りです(笑)。
ってか、プロローグを見る限り、沖田はどうやら函館まで同行するようですね。函館で、土方とともに散るのでしょうか。あるいは、ふたりで脱出し、パリへ向かうのか(第一話で、土方が沖田に『パリへ行こう』『西洋の医術なら、おまえの病気も』と口にしている)・・・?
まあ、司馬遼太郎も「燃えよ剣」で、斎藤一を函館まで行かせてますからね。司馬さんのは誤認っぽいけど、「沖田がじつは生きていて、函館まで」という創作があってもいいとは思います。
で、京へ向かった土方、沖田が、近藤勇の首を取り返し、それを持って、会津へと。
そこにはかつての仲間、斎藤と島田魁の姿が。
斎藤
島田
島田
土方、沖田との再会を喜ぶ島田。一方の斎藤は、土方は別として、沖田に対しては疑念と不信感を抱いていました。
ただし、それらは沖田の立場(例えば、密偵であるか否か、など)を疑っているのではなく、「病身の彼が戦力になるのか」といった観点のものです。
斎藤「では、なぜお連れになった。病人なんかを! (略)
――もうすぐ会津は戦火の渦の中心になる。そのような者が会津を支え、剣を振るえるとは、私には思えない!」
それに対し、
静かにキレる沖田。
そんなふたりに、オロオロする島田(笑)。
そして――
斎藤一は無敵の剣。
沖田総司は猛者の剣。
「気は済んだか。斎藤」
「流石だな、沖田さん」
結果、島田の「いちいち喧嘩しなきゃ、仲直りできないのかよ」といった台詞で、その場は一転、和やかになります。
そういえば、沖田と斎藤の年齢、「斎藤が年上、沖田が年下」という設定になる作品が多い中(るろ剣も『どうしたんですか、斎藤さん』『なんでもないよ、沖田君』でしたからね)、この作品は史実どおり、「沖田のほうが斎藤より年上」といったことになるようですね。
もちろん、多少の創作部分はあっていいとは思うけど、史実に沿った作品もいいですよね。ま、おもしろけりゃ、何でもいいんですが(笑)。
で、1巻は、土方、沖田が持ち帰った近藤の首を会津天寧寺に祀るところで終わっています。
この際、官軍の報復を恐れて難色を示す僧侶たちが多い中、突如、現れた宰相様――松平容保がね、近藤の首を抱き寄せつつ、涙ながらに祀ることを許してね。
冷徹な土方も、容保の仁君ぶりに、ただただ平伏するばかりでした。まあ、その直前、土方が容保に、なにやら耳打ちしてましたが(その内容は不明)。
この賊軍土方歳三、新選組や幕末ファンは無条件に楽しめると思いますよ。ってか、土方、沖田は文句なく、斎藤も見ようによってはイケメン(斎藤は和風イケメンなので、評価が分かれるかもしれませんが)ですので、イケメン好きな女性読者も楽しめるかも。何気に、宰相様もイケメンだし(笑)。
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