時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

キンキーブーツ

2019-04-25 | 舞台/役者
~エピローグ~
桟橋の上にいる寒そうな少年が
ベルト付きの赤いハイヒールを履き踊りだす
その様子を年配の男性が窓から見て注意する
一方
別の少年は
家の靴製造工場を継ぐことよりも
サッカーに興味がある

~起~
チャーリー・プライスは
イギリスの田舎町
ノーサンプトンの伝統ある紳士靴メーカー
『プライス社』 の跡取りだったが
周囲の重圧に耐えかね
転勤を機にロンドンに移住することを計画していた
しかし
ロンドンに到着したその日に父の訃報が届き
『プライス社』 を継ぐことになる
しかも会社の財政状況が火の車だということを知る
在庫の処分のため
ロンドンへ出張中にやけ酒を食らった勢いで
酔っ払いのチンピラに絡まれている美女を助けようとしたが
逆に美女に誤って叩きのめされてしまう

目が覚めると
そこは不作法なドラァグ・クイーンのローラ
本名サイモンの楽屋であり
その人物は桟橋で踊っていた少年の成長した姿であった
ドラァグ・クイーンには
専用の靴がないため仕方なく
女性用の靴をはいているが
ハイヒールは男性の重く大きな体を支えきれず
簡単に壊れてしまうことにチャーリーは興味が湧く

~承~
ノーサンプトンに戻ったチャーリーは
人員整理をしている最中
クビにしようとした社員のローレンから
「ニッチ市場を開拓しろ」と捨て台詞をはかれる
そこでチャーリーは
ローレンを顧問として再雇用し
ローラのためのハイヒールのブーツである
『女物の紳士靴』の開発に着手し
そこにローレンの言うニッチ市場を見出す
しかし
最初のデザインは機能性を重視するあまり
オバサンくさいブーツに仕立ててしまい
ローラを激怒させる
チャーリーとローレンは
ローラをコンサルタントとして迎える
しかし道は険しく
男性従業員の多くは
ローラの登場と新商品製作を快く思わず
工場を守るため家を
抵当に入れたことを婚約者のニコラに知られた
チャーリーは意見の食い違いにより
ニコラと別れてしまう



~転~
ローラの意見を取り入れ
危険でセクシーな女物の紳士靴
Kinky Boots
を作り上げたチャーリーは
ミラノの靴見本市に打って出る決意をするが
資金繰りがうまくいかず
その打開策として
モデルとメイクスタッフを
自分(ローラ)とドラァグ・クイーン仲間が担当しては?
と持ちかけるが
君たちみたいな人間がステージに立ったら
『プライス社』が笑われると辛辣な言葉をあびせてしまう
これまでありのままの自分を
チャーリーは受け入れてくれていたと
思っていたローラは失意のまま去ってしまう
また従業員に対しても
重労働を強いたチャーリーは
彼らととも対立
Kinky Boots の生産に
支障をきたす
そんな時
『プライス社』を救ったのは
ローラに対して反感を抱いていたドンだった

~結~
従業員達の協力でKinky Boots を完成させた
チャ―リーとローレンはミラノに出発する
ショー当日
最大の難題が残されていた
資金不足でたKinky Boots を履いてくれる
男性モデルがいないのだ!
チャーリーは従業員への感謝の最大限のしるしと
ローラへの謝罪の気持ちを併せ
自らがモデルとしてステージに上がる
チャーリーが慣れないハイヒールで滑って転んだその時
ローラとドラァグ・クイーン仲間が登場し
ランウェイで見事なショーを披露

~エピローグ~
後日
ローラは自身のショーで
ノーサンプトンの「キンキーブーツ工場」の栄誉をたたえて歌う
このショーには
工場の従業員達が招待されており
その中には恋仲となったチャーリーとローレンの姿もあった

【動画】ミュージカル 『キンキーブーツ』公開ゲネプロ(2019.4.15)より


初演は
2016年7月8月
新国立劇場中劇場
チケット取れなかったと言うか
必死に取らなかったので
今回の再演は
何としても観劇せねば!
と思っておりました
三浦春馬さんは
地球ゴージャスプロデュース公演で
すでに歌唱力は認めておりました
小池さんはWaTで
歌手として活動されてはおりますが
舞台にも立たれておりますので
大丈夫だろう

幕があがってみれば
・・・
冒頭から
口ぽか~ん
本当に
口あけたまま
圧倒されてしまいました

凄い すごい  スゴ~イ 

三浦さんの
圧倒的なと言うか
パワーのある声量
小池さんの
予想を超える
透き通って
のびやかな
しかも
清涼感のある声質
も~ビックリ

初演時
三浦さん
第24回読売演劇大賞優秀男優賞と杉村春子賞
小池さん
第42回菊田一夫演劇賞・演劇賞受賞
受賞したのも納得です

差別や偏見は誰にでもあり
それはローラら
ドラッグ・クィーンに限ったことではない
普通に暮らしている人でさえ
色んな形で差別されるし
失敗すれば蔑まれる
でも
それはそれとして
ありのままを受け入れることで
偏見や差別と言った
見えざる心の垣根(壁)は無くなっていく
この作品は
人間の人生のようなものをテーマにしている
ヒューマン・コメディでした
前向きになれる
作品です

実際
現実的にみて
他者を
ありのままを受け入れたら

偏見や差別が
なくなるのかと言えば
‘否’
そう簡単にはいかない
ただ
受け入れられないとしても
共存しようとする
寛容さは持っていたい
そして
共存できる道を
模索し続ける自分でありたいと
思っている
σ(^_^;)



三浦さんの
広背筋とか三角筋とか
上腕二頭筋とか
広背筋とか
綺麗なこと
美しいこと
特に
大臀筋と
大腿四頭筋
惚れぼれいちまいました

ローラは
化粧をしていても
やっぱり‘男っぽい’
女性の服を着ている蹴れと
身体つきは‘男っぽい’
女性のような口調で話すけれど
声質は‘男性’
なんだけど
踊っているローラは
‘女っぽい’
ダンサーローラに
色気を感じるんだなぁ~
ピンヒール履いて
歩く姿が凛としていて美しい
でもって
ローラのスーツ姿が変
似合わないスーツ姿
ジャケットを羽織って
キンキーブーツを履いて
工場内を闊歩するローラ
最高に
輝いていてカッコ良かった

2月に
Bunkamura シアターコクーン
罪と罰(2019_02_02)
で拝見した三浦さんと
身体つきが全然ちゃう!
短期間で
よくあれだけの身体
作りましたよね~

舞台役者として
また大きくなったなぁ~
確実に
順調に成長しているなぁ~
と嬉しくなりました

おまけ的なコメントになってしまいますが
ローレン役のソニンさん
言わずもがな
素敵です

しいて言えば
ラストで
ミラノのランウェイに
何故か
『プライス社』の従業員達が
登場して踊ってるところが
戸惑いました?
要は
‘ミラノのショー’から
時間が経過していて
‘地元ノーサンプトンのローラ&ドラァグ・クイーンのショー’
の場面に移行している
ってことなんですけど
多分
ショーは大成功
『プライス社』は
持ち直したんでしょうけど
一度暗転にして
舞台背景を
換えてた方が
すんなり受け入れられたかな?