新・吉原裏同心抄2（吉原裏同心33）～赤い雨～

京での修業先が決まった
神守幹次郎と加門麻
その新生活は
不穏な空気に包まれていた
京を代表する
祇園花街にある
一力屋の主
次郎右衛門から
祇園神感院を支えてきた
町衆七人衆のうち
一昨年の
老舗呉服屋主・四条屋儀助と
昨年の
祇園門前町大地主・猪俣屋候左衛門と
立て続けに起きた
不審な死について
探るよう依頼された幹次郎は
正体の見えぬ強敵に
立ち向かうことに
一方
裏同心不在の吉原では
老舗の大籬・俵屋が
今だ
実態の掴めぬ
佐渡の山師
荒海屋金左衛門の魔の手に陥ちてしまう
東西を代表する
二つの都で進行する
企みと危機の連続
裏同心幹次郎と
吉原の人々の新しい闘いが
幕を開けた



物語のメインキャスト
幹次郎と麻が京都
汀女が江戸
二手に分かれております！
東西の大都会
二都で
同時進行で
事件勃発！
この展開が
散文的に成らず
それぞれに
どちらも
勢いと言うか
わくわく感が
キープ出来れば良し
出来なければ
万事休す！？
佐伯泰英氏の
作家としての力量が
試されます

江戸と京都
それぞれに
同じキャラの登場人物を
設定しています
吉原会所七代目頭取
四郎兵衛は
祇園花街一力茶屋主
次郎右衛門
引手茶屋「山口巴屋」女将玉藻は
一力茶屋の女将・水木
京都町奉行
目付同心・入江忠助は
江戸の登場人物に
当てはめると
ズバリ！
南町奉行所定廻り同心
桑平市松
と言ったところか！？

幹次郎は
花見小路で
置屋鶴野屋の芸妓・白た恵（しろたえ）と
舞妓のおことの窮地を救い
西国訛りの無粋な若侍達を一掃
京の都でも
早速
女子衆の心を鷲掴み！
だけでなく
清水寺音羽の滝で
産寧坂茶店の婆様こと
おちかさん
って只の
婆さまではなさそうです
祇園白川沿いに
禁裏門外一刀流観音寺道場を構える
観音寺継麿
京都所司代密偵
渋谷甚左衛門
着実に
しかも相当な人脈を
築き上げています
因みに
麻さんも！

江戸の吉原を
牛耳ろうとしているのは
佐渡の山師
荒海屋金左衛門らしい
と言うところまでは
分かっているが
一方
京の祇園を
牛耳ろうとしているのが
誰なのか
ハッキリしません
ただ
幹次郎の前に現れたのが
禁裏流剣術の遣い手
不善院三十三坊と言う
刺客だった事から
禁裏
すなわち
天子が住む宮中が
絡んでいるのは
何となく
察せられました
実は
荒海屋金左衛門と
禁裏が繋がってたりして！？
深読みし過ぎですかね～

外出自粛の中
次回作が
待ち遠しい