時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

(・・?

2008-11-15 | 仏蘭西探訪(20区内)
昨日
ルーブルの授業で
cite de l'architectureと言う所に言ったんだけど
なんと~通常料金を支払わされた
学生割引も団体割引すらない…
これは一体ど~ゆ~ことだ?



2時間かけて一部分しか見ていない
来週もまた通常料金払ってここに来るわけ?

なんだかな~
納得いかんよ

西洋と東洋の類似点とか結構あって
面白かったけど…


とおまわり

2008-11-14 | 仏蘭西探訪(20区内)
パリ市内を走るバスが
路線変更することが多いのは特別なことじゃない

今日も
E.L.F.E.の帰り80番のバスを待っていたら
左折するはずのバスが直進して行った

これに驚くのは
何も外国人のあっしだけではないのだ!

80番のバスを待っていた数名が
一様に困惑…

取り合えず
走り去った通りへ向かい
一番近い30番のバス停で待機

すると
やってきました80番バス

行く先だけ一応確認してバスに乗り込んだ

夕暮れ迫るパリ
いつも違う街並み
以前
フランス語のテキストで見た
中華の古い建造物を発見!

シャンゼリゼ大通りまで
大きく迂回した数十分

ちょいとした
観光気分を味わった感じです

69 sixty nine

2008-11-14 | 映画
1969年
九州の西の端
長崎県佐世保市にある
佐世保北高の3年生・矢崎剣介(愛称・ケン)は
教師に目を付けられている問題児



県下随一の進学校で
教師たちの締め付けに常に
反抗的態度をみせているからだ

今日も掃除をサボり
校舎の屋上で仲間の山田正(アダマ)
岩瀬学(イワセ)と校庭で
マスゲームの練習をしている女子生徒たちを眺めていた



「17歳の少女の体は地味な体操着で行進させられるもんじゃなか
よし 彼女たちを開放しよう」

口が達者で
行動力が伴わないケンのいつもの戯言と思いきや
本気の様子
長崎の高校生で初めて
ロックコンサートと映画と演劇の大イベント
‘フェスティバル’をやろうというのだ



アマダたちは
ケンの思いつきにまんまと乗せられた

これにはケンに不純な魂胆があった
「人生は楽しくなければならない」
がモットーの彼は
北高一の美少女・松井和子(レディジェーン)を映画に出演させ
ちゃっかり恋のアプローチをしようという思惑が…



ところが
8ミリカメラを調達しようと
北高全共闘のアジトに行くと

長崎大学の先輩から映画のテーマを聞かれ
ケンが思いつくままに軟弱な内容を口ばしると
カメラの貸し出しを拒否されてしまった

そのとき
ケンの頭の中に勝手に
レディジェーンの声が鳴り響いた



『ウチ デモやらバリケードやらする男 好いとるもん』

悪ノリのケンが叫んだ
「学校の屋上をバリケード封鎖する」
ひょんなことからバリ封決行

ケンたちは
「跋折羅(バサラ)団」
(梵語でエロティックな怒りの神々の意味)を結成



1学期終業式の前夜
北高に忍び込んだ

闘争的目的とは何ら関係なく
女子更衣室の「検索」も敢行

椅子や机で屋上の入口を封鎖し
校舎の至る所をペンキで落書き
ケンたちの「闘争」は
計画通り順調に進んだが
後輩の中村が
校長室の前で突然腹痛に…



「穴からピュピュって顔の出よっとです」
笑いをこらえながら
ケンが校長の机を指差した

「あそこ(校長の机)でウンコしてこい」
中村の真っ白い尻が
机の上に悲鳴とともに浮かび上がった

「あひぃ~~~」
ケンたちはやり遂げた
校舎に掛かる垂れ幕を見上げた
そこには
‘想像力が権力を奪う’の文字
一同は抱き合って喜んだ



翌日の北高は大騒ぎ
ケンたちの仕業だと疑う者もいたが証拠がない
ニンマリのケン

ところが
ドジなイワセの行動で
警察に犯行がバレてしまった

ケンたちは全員
無期停学の謹慎処分



それでも懲りないのがヤンチャな面々
「楽しく生きたモンの勝ちや
退屈な奴らにおれたちの笑い声を聞かせてやるぞ!」

ケンたちは
次の目的
‘フェスティバル’開催に向かって突っ走る?

                         「CINEMA TOPICS ONLINE」より引用



本当に
しょ~もない男の子くん達が登場します

お馬鹿なボーイズ集団なんです

現代を生きる子供達には
決して味わえない青春の一コマが
ここにはありました



1969年だからこそ許される
ユーモアであり
破天荒なイタズラなんだろうと思う

周囲の大人や教師も
イタズラを
イタズラとして許してくれる心の余裕が
辛うじて残っている時代



学校に呼び出される前夜
「ケン坊 卑屈になるなよ!校長先生に何ぼ言われても
 下向いたり目を逸らしたりするな
 別に威張ることはなかばってん 信じてしたことやけん
 堂々と処分受けてこい」
「…うん…」
「革命が起きれば お前たちは英雄かもしれん 
吊るし首になるとは校長の方かもしれん そう言う事さ」
「殴らるっと思った」
「自分の子供は可愛いかけん 殴りきらんもん」
「…」
「泣くなばか~」

こんな会話が
柴田恭平氏演じる父親と
妻夫木聡さん演じるケンとの間で繰り広ろげられます

いいっすね~
今どき絶対いない気がする



反骨精神とまではいかないけれど
教師に面と向かって歯向かったり
仲間と馬鹿を貫き通す彼らは
とても生き生きしていました

健全な性欲?とうぶな男心も
ちらほら垣間見させて頂きやした(笑)



あの落ちには
驚きましたが
なかなか笑かして貰いました

わたくし的には‘あり’です



小栗旬さんが25歳にして
学生服を身にまとい
高校生キャラを演じておりまるが
キッズ・リターンでデビューされた安藤政信さんは
27歳にして高校生を演じておりました



違和感ないところがお見事
年齢不詳の俳優でございます

無口で喜怒哀楽の
‘喜楽’キャラが少ない安藤政信さんですが
今回は違います!



安藤政信さんの仕事に対するスタンス
結構好きだったりするσ(^^;)

映画メインに仕事をするのは
現実的には大変だと思うのですが
その姿勢には憧れます



片や
妻夫木聡さん
映画・ドラマ・舞台と
コンスタントにお仕事をしておられる
初舞台が野田秀樹氏演出の「キル」

二代目テムジンは
なかなか好評だったそうです

来年は
NHK大河ドラマ「天地人」で
主役の直江兼続を演じられとか?

絶好調のようで…



仕事選びは
対称的なお二人ではありますが
それぞれに
魅力ある役者さんです
これからも楽しませて下さい




千年の恋 ひかる源氏物語

2008-11-13 | 映画
今から千年前
越前国で父・藤原為時と弟・惟規
夫・宣孝との娘・賢子と共に
静かな日々を送っていた紫式部は
ある日
宮中で内覧として権勢を振るっていた藤原道長から
娘・彰子の教育係として京の都に来て欲しいと頼まれる

道長は兄・道隆と覇権を争っており
各々の娘に帝の御子を産ませようと
躍起になっていたのであるが

式部も道隆の娘・定子の教育係が清少納言と聞き
静かな闘志を燃やすのであった

そして
式部は教育の傍ら
自らが執筆する壮大な女と男の物語源氏物語を
彰子に説いていく



源氏物語の主人公・光源氏は
美しい容姿を持ち
武芸学問にも優れ
誰からも愛される帝の子
だがその裏で
多くの女たちが彼の愛に翻弄されていた

源氏の子を身籠もってしまった義母・藤壺中宮
嫉妬に狂い怨霊となった六条御息所
彼女の呪いで命を落とす正妻・葵の上
理想の女性に育てようと幼い頃より囲われた紫の上
源氏の都落ちの原因を作った朧月夜
源氏の子を産む明石の君
そして四季とりどりの花を集める六条邸に住まわされる女たち



さて
式部の教育により見事な女として成長し
中宮となった彰子が帝の御子を懐妊した
こうして実権を掌握することになった道長は
式部に愛を告げる

亡夫に瓜二つの道長に秘かに惹かれ始めていた式部は
しかし
その申し出を断り故郷へ帰る決心をする

それは
男に翻弄されるばかりで
愛を思うままに出来ない時代の女の
せめてもの意趣返しであった

               「goo映画」より引用



どうしちゃったんでしょう…
お金の無駄遣いは止めましょう

ひぇ~ きっつ~

天海さんの久々男役拝めたので
かろうじて




ビバ!

2008-11-13 | 徒然
鯵のひらき
野菜の天麩羅
山芋の角切り三杯酢和え
蛸のから揚げ
鰻めし
豆乳プリン

ルーブル美術館からほど近い
‘善’
と言う日本食レストランで
思いっきり食べてきた

昼のランチは
何度か食べたことあるんだけど
夜は初めて~

めちゃ気に入ってしまいました
店内のテーブルの配置間隔も
限りなく日本に近く
ゆったりとしているし
綺麗だし

焼き魚が
普通にあるのが嬉しい!

なんちゃって
‘ジャパニーズレストラン’
じゃない
かといって日本食レストランのように
格式ばらず
お値段もリーズナブル
キチンとしたお店です

ご馳走さんどぇした

ユメ十夜

2008-11-11 | 映画
映画「ゆれる」の西川美和女史が気になり
彼女が参加している映画「ユメ十夜」見てみました

夏目漱石の小説「夢十夜」
「こんな夢を見た」
という書き出しが有名らしい
‘こんな夢を見た’って
黒澤明氏の映画「夢」が元祖じゃなかったんですね


                           「第一夜」より

夏目漱石…
我輩は猫である 坊ちゃん 虞美人草
三四郎 それから 彼岸過迄 こころ…

映画やドラマで内容は何となく知っているけど
恥ずかしながら
読んだことない

夏目漱石自身が
‘100年後に、その真実が理解されるだろう’
と言う言葉を残している
不条理で幻想的な「夢十夜」を
ベテランから若手の監督が
思い思いの解釈・技法によって
制作されたオムニバス映画です


              「第二夜」より

第一夜
監督:実相寺昭雄
脚本:久世光彦
出演:小泉今日子 松尾スズキ 寺田農 他

第二夜
監督:市川崑
脚本:柳谷治
出演:うじきつよし 中村梅之助 他

第三夜
監督:清水崇
出演:堀部圭亮 香椎由宇 他

第四夜
監督:清水厚
脚本:猪爪慎一
出演:山本耕史 品川徹 他

第五夜
監督・脚本:豊島圭介
出演:市川実日子 大倉孝二 他

第六夜
監督・脚本:松尾スズキ
出演:阿部サダヲ TOZAWA 石原良純 他

第七夜
監督:天野喜孝 河原真明
出演:sascha 秀島史香 他

第八夜
監督:山下敦弘
脚本:長尾謙一郎
出演:藤岡弘 山本浩司 他

第九夜
監督・脚本:西川美和
出演:緒川たまき ピエール瀧 他

第十夜
監督:山口雄大
脚本:山口雄大 加藤淳也
脚色:漫☆画太郎
出演:松山ケンイチ 本上まなみ 石坂浩二 安田大サーカス 他

プロローグ・エピローグ
監督:清水厚
出演:戸田恵梨香


              「第六夜」より

西川美和女史が監督した
‘第九夜’だけ見ても良かったんだけど
一応…

11名の監督による
短編作品を
一度に見れて‘ラッキー’と思うか
そうでないかは
人それぞれって感じですかね~

個人的には
元々が短編作品とは言え
1本の作品の持ち時間がとにかく短いので
その中で夏目漱石の世界を映像化するのは
無理なんじゃないかと思いました

ストーリーに継続性が全くないし
短いとは言え
一気に10本映画見る訳で
疲れました

 
                           「第十夜」より

途中から
監督紹介の
プロモーションムービーとして見ようと
発想を変えました

それぞれに対するコメント
書く気も失せた(笑)

自宅で見る分には
どうにか許せますが
これ
映画館まで足を運んで見た方
いらっしゃるんですよね???



ん~~~~
漱石さん
ごめんなさい
未熟者で…

ストーリーについては夢十夜(フリー百科事典『ウィキペディア』)をどうぞ



次は「蛇イチゴ」ですかね~

World of Lies/ワールド・オブ・ライズ

2008-11-10 | 映画
原題:Body Of Lies

レオナルド・ディカプリオ扮する
ロジャー・フェリスは
CIAで最高の腕を誇るスパイ



世界中の戦場で
常に死と隣り合わせの
彼の任務を決めるのは
遠く離れた安全な場所で
時には
子供の世話をしながら命令を下す
ベテラン局員エド・ホフマン(ラッセル・クロウ)



彼らの目的は
地球規模の破壊を含む
爆破テロ組織のリーダーを捕まえること

正体不明のその男を罠にかけるには
味方すらも欺く

完璧な嘘をつかなければならない
世界を救うのは
いったい誰のどんな嘘なのか…




ロジャー・フェリスは
毎日毎日緊張の連続
神経すり減らして
体は年中生傷が絶えない

テロ組織の人間を追いかけてたあげく
犬に噛み付かれ
お陰で
任務遂行の合間をぬって
狂犬病予防の注射まで定期的に受ける始末…

目の前で死んだ相棒もいる



女房や子供もった仲間もいるが
俺は
とうに離婚しちまった
子供もいねぇ

もっか独身
仕事第一
ボロ雑巾のように任務に励んでいる



それに引きかえ
ホフマンときたら

自宅で子供のシモの世話をしながら

子供のサッカーの試合観戦しながら

寿司食いながら
俺に指示を出すだけ



おいおいフェリス

衛星映像通して
お前が何処にいようが
どんな状況にあろうが

常にクッキリハッキリ
リアルタイムで見守っているじゃないか!
俺たちは一心同体だよ

それに
時々
会いに行ってるだろ?



そうかよそうかよ
でもな~ホフマン

事件は現場で起こってんだよ!

それに近頃
情報が敵に漏れてないか?
まったくやってらんね~

そんなこと言うなよフェリス
俺たちの戦いは
国家のため
いや世界平和のためなんだからさぁ~



国家?
世界平和?
そんなこと知ったこっちゃない!

俺は
俺の大切な人達を守る為に戦ってるんだ



ん~
日本語字幕で
もう一回見たいかも

国が違うと
価値観・道徳観念・宗教感が本当に違ってくる

残念ながら
人間界の‘正義’はひとつじゃない
‘真理’もまたしかり

難しい問題!
っと他人事のように書いている…



絶対的に
理解し合えない人間同士が
同じ地球上に存在している以上

全くお互いが
干渉しないで生きていくか

双方
どうにかこうにか
折り合いをつけて共存するしかない
と言うのが個人的な考えです



初めて見たレオナルド・ディカプリオの作品は
What's Eating Gilbert Grape/ギルバート・グレイプ

その後
Total Eclips/太陽と月に背いて
Romeo + Juliet/ロミオ+ジュリエット
Marvin's Room/マイ・ルーム
Titanic/タイタニック
The Aviator/アビエイター
The Departe/ディパーテッド
Blood Diamond/ブラッド・ダイヤモンド

彼の作品を拝見させて頂いておりますが

紆余曲折
苦労しながら
キャリアを積み上げてきています
嬉しいです



Romeo + Juliet/ロミオ+ジュリエットの頃の
少年と青年の狭間を漂うような
不確実な危うい輪郭線をかもし出していた
彼も魅力的でしたが

いやはや
The Departe/ディパーテッド以降の
存在感ありありのレオナルド・ディカプリオも
捨てがたい



ラッセル・クロウ…
Gladiator/グラディエーター以来
久しぶりに
お姿拝見致しました

体型が…
正直申しまして
ポスター見て誰だか解かりませんでした

12月20(土)全国ロードショー




ゆれる

2008-11-09 | 映画
シーン1:母の一周忌

写真家として活躍する早川猛は
母の一周忌のために帰郷する

仕事に追われ母の葬儀にも立ち会わず
頑固な父り勇くいさむ)とも折り合いの悪い猛だが
温厚な兄の稔は
何かと猛を気遣ってくれていた

実家では
父と稔がガソリンスタンドを経営しており
幼なじみの川端智恵子もそこで働いていた

法事を終えて稔と一緒にスタンドに寄った猛は
食事がてら智恵子を送るといいながら
彼女のアパートに上がりこむ

猛が夜中になって案家に戻ると
稔がひとり洗濯物をたたみながら
猛のことを待っていた



シーン2:昂り橋

翌朝
兄弟と智恵子は
蓮美渓谷に向かう

子供のようにはしゃいで川に入っていく稔
河原では
東京に行って
猛と新しい人生を始めたいと匂わす智恵子の言葉を
猛ははぐらかす

ひとり山道を登り
吊り橋を渡る猛

やがて智恵子が吊り橋に着くと
背後から稔にしがみつかれる
稔は
高い位置でゆれる吊り橋が怖いのだ

河原の草花に夢申でカメラを向けていた猛が
ふと顔を上げると
吊り橋の上で
稔と智恵子がもめているのが見えた

猛の表情が凍りついた次の瞬間
吊り橋の上には
膝をついた稔がひとり
激しく流れる渓流を
おろおろと見下ろしていた



シーン3:拘置所

それは事故だったと決着がついたが
ある目
言いがかりをつけてきた客に逆上した稔は
警察の取り調べを受け
そこで
自分が智恵子を突き落としたとロ走ってしまう

猛は
東京で弁護士をしている父の兄・早川修に弁護を依頼する

お前の人生は素晴らしいよ
自分にしか出来ない仕事して
いろんな人に会って
いい金稼いで…
俺見ろよ
仕事は単調
女にはモテない
家に帰れば炊事洗濯に親父の講釈

そのうえ人殺しちゃったって
何だよそれ…

なんでこんな事になっちゃったんだろう…
俺わかんないよ
何で俺とお前はこんなに違うの?

                    「CINEMA TOPICS ONLINE」より引用



仲の良い兄弟の間でチグハグに‘ゆれる思い出’
智恵子に対する‘男としてのゆれる感情’
会話の端々に見え隠れする‘言葉のゆれ’

のっけから
色んな意味を含んで
‘ゆれ’まくる作品です



東京でそれなりに成功し
写真家として
忙しいなりに気ままに生活している猛

地元で実家の家業を継ぎ
父親と二人暮らしの稔

兄妹や姉弟でも
家では立場の違いがあるわけで
それが
兄弟とか姉妹だと尚更
微妙なのです

それに一度気づいてしまうと
結構シンドイもんなんです

オダジョーそして香川照之扮する
この御兄弟
残念ながら気づいてしまったみたいです

ついでに
猛や稔の父・勇と
その兄であり弁護士でもある修との間の‘ゆれ’
兄弟の確執も見え隠れ~



「何で兄ちゃん…あの吊橋渡ったの?」
「だから…お前が渡の見て 智恵ちゃんどうしても行きたいって言って…」

「だってさぁ~お前は俺の無実を事実と思ってる? 違うでしょ?」

「どう言う事?何言ってんの?」

「自分が人殺しの弟になるのが嫌なだけだよ」

「何で俺が自分の兄貴のこと疑わなきゃいけないんだよ
 冗談じゃね~よやってられるかよ
 なんでお前は俺を疑ったりしないって言ってくれね~んだよ」

「始めから人の事を疑って最後まで一度も信じたりしない
 そういうのが俺の知っているお前だよ…猛」

「ふざけんなよ!」

そして
猛は証言台に立った…



7年後…

猛は
幼い頃母が撮影した8ミリカメラを回した
そこに
蓮美渓谷の川原で遊ぶ父と自分達の姿を見る

鮮明に甦る記憶
あの日
稔と智恵子に何が起きたのか

8ミリカメラは回り続ける

怖がる稔の右手を引いて吊橋を渡る
猛の姿が映し出されていた



「誰の目にも明らかだ 最後まで僕が奪い 兄が奪われた
 けれど総てが頼りなく 儚く流れる中でただひとつ
 危うくも確かに架かっていたか細い架け橋の板を
 踏み外してしまったのは僕だったんだ
 
 今 僕の目には明らかな風景だ
 腐った板が甦り 朽ちた欄干がもちこたえる事があるだろうか
 あの橋はまだ架かっているだろうか」

いやぁ~
オダジョーそして香川照之
魅せてくれます

結末ですか?





恐るべし

2008-11-09 | もろもろアート
パリ8区にある
Musee Cernuschi(チェルヌスキ美術館)で開かれている
出光美術館所蔵 肉筆浮世絵展に足を運んでみました

特別展示にも関わらず
ルーブルの学生証を提示したら
‘無料’になりました
おそるべじルーブル(笑)

歌川国光&歌川広重
安藤広重
安田雷洲ほか
江戸後期の掛け軸や屏風絵を観賞~

浮世絵は
世界に誇れる日本の伝統芸術だと
改めて思いました
この技法は
ほんとに独特ですからね~

お客さんも
かなり熱心に見てました
嬉しかったです

今年は
日仏交流150周年
京都パリ友情盟約締結50周年なんだそうで
Musee des Beaux-Arts de la Ville de Parisで
相国寺・金閣寺・銀閣寺名宝展
も開かれておりまする



去年
相国寺行ったんだよね~
同志社大学の裏にあるのよ!

秋だ
そうだ
京都に行こう
の季節です

そうそう
Musee des Beaux-Arts de la Ville de Parisでは
黒澤明展なんぞも開かれているそうなので
近々行こうと思います

転々

2008-11-08 | 映画
俺・竹村文哉は
もっか大学8年生
幼少時
両親に捨てられ

育ての父親は
警察に捕獲されている孤独な男

あるのは借金84万円のみ
返済の期限まであと3日!



返済期限の前日
俺は取立て屋から
借金をチャラにする方法を提案された

「百万ある これをお前にやる」
「えっ?」
「その代わり俺に付き合え」
「付き合うって何に?」
「東京散歩…」
「東京の街を散歩する 俺が行きたい所へ行き お前はそれに付き合う それだけだ」
「馬鹿にしてるでしょ」
「いいや 一応目的地は霞ヶ関 期限はない」
「でも…」
「東京を歩くだけで百万!」



イヤ~な感じを受けつつも
ほかに選択肢のない俺は
取立て屋の提案に乗ることにした

吉祥寺・井の頭公園の橋の上から
男ふたりの散歩が始まった

「そうそう俺の名は福原愛一郎ってんだ」

そして調布飛行場で
福原は
俺に散歩の理由を話しだした

「俺は人を殺してきた」
「またまた~」
「誰を殺してきたんです?」
「女房だ」

俺たちは互いの
ゆかりの地を訪れた

「お前は本当に思いで嫌いだな」
「嫌いっすよ 大学に入学した時 自分の写真全部燃やしましたから」
「卒業アルバムもか?」
「卒業アルバムもです!」



福原が知り合いに会いに行ったまま戻ってこない
俺は町を探し回った
こんなに必死に探し回るのは
親父がいなくなって以来だ

「シャバで最後に食べる飯は何だと思う?」
「寿司?」
「それは出所した時だろ!」
「じゃ~ラーメン?」
「それは未練が残りすぎる」
「…カレー?」
「当たり!」



散歩が4日目を迎えたころ
俺たちは
福原の知り合いである
麻紀子の家を訪れる

「動物園ってほんとに沢山動物いるんですね」
「文哉~来たことないの?」
「俺 親いなかったから動物園も遊園地も行ったことないんすよ」
「ジェットコースターも乗ったことないっす」

俺は
麻紀子の姪・ふふみを加えた4人で
擬似家族のような数日を過ごす

何にでも
マヨネーズをかけるふふみにほだされて
俺も
スキヤキにマヨネーズをかけて食べてみたりする

牛乳に塩をちょこっと入れて飲むとコーヒー牛乳になるよね
とふふみに飲まされた飲み物は不味かった

福原を親父と呼び
麻紀子を母さんと呼ぶ
ふふみに文哉~と呼び捨てにされる毎日

俺の心に
今まで感じたことのない感覚が沸きあがってくる
俺は
笑いながら親父に自首を止めるよ言おうかと思っていた



家に帰ると
母さんとふふみがカレーを作ってた

「カレーなんだ…」
「そろそろカレーかと思ってね」
「…」

日曜の午後
俺たちは家族揃って遊園地に行った

「男ふたりでジェットコースターって変じゃない?」
「まぁ~ね~」
「そんなの子供の頃にやっとけ~」
「そーだよね」

そして夜
俺達は皆でカレー食べた

「あれ?どしたの?」
「辛くて…」
「確かに少し辛いな」
「そうだけど…泣くことないでしょ~に」
「たまご入れたら?」
「ん…いいよ」

何故だか涙がとめどなく出てきて
それでも
泣きながら俺はカレーを食べた



翌日
この散歩が福原との最後の散歩になると解かっていた

「お前さ しばらく麻紀子のところに居たらどうだ?」
「いや いいですよ 俺 自分が居たいと思った人が必ず消えちゃう性質(たち)ですから…」
「お前な~そ~ゆ~のは‘たち’って言わないの!」

福原は百万円を俺にくれた

「あのさ~何かいいことあったか?」
「何の話?」
「お前 岸部一徳に会ったらいいことあるって言ったじゃないか」
「あったかな…」

一枚が風に飛ばされ
俺はその後を追った

「ね~やっぱり逃げるっての…」

振り返ると
そこに福原の姿はなく

横断歩道の向こう側
霞ヶ関・桜田門の一番大きな警察に向かって歩く
福原の後姿だけが見えた

「なんだよ…」



突然始まる東京散歩
方向性も解からず
時折出てくるギャグの連発も意味不明

つむじの臭いは崖の臭いなのか!?
岸部一徳を町で見かけるといいことがあるのか?

竹村文哉と福原愛一郎
麻紀子と麻紀子の姪・ふふみ
この擬似家族がユル~イ

でも
ふざけた話ではなく
真面目な話なのです

ボソボソと独り事のように話す福原愛一郎に
自然と寄り添うようにいる竹村文哉の不可思議なコンビ
何なんでしょう
愛しくて悲しくて
愉快で切ないのであります

乾いた心が
じんわりと潤っていく
そんな不思議な映画です

過去の写真を燃やした竹村文哉の心情

過去を嫌う竹村文哉の心情

共感する部分が結構あった小生なのでありました

オダギリジョーさんに
竹村文哉のような飄飄とした役を演じさせると
本当に
絶品の演技をしますよね~相変わらず

三浦友和さんも絶妙の演技を披露しております