たまたまテレビ付けたら、途中からだったけど、俳優の宝田明さんが満州から引き揚げた時の話をしていた。
軍隊が守ってくれず、外地に放置された民間人がどれだけ悲惨か、改めて思った。敗戦後、(場所は聞き漏らした)占領したソ連軍から男を使役に出すよう言われ、父親、中学生のお兄さん、自分が交替で出ていて、兄の当番の日、とうとう帰らなかったとか。
後ろ髪引かれる思いで新潟県に引き上げ、しばらくしたらお兄さんが満州で働いてお金をため、密航船を雇って帰国したとのこと。再会第一声は「なぜ放っておいて帰った」と責める言葉だった。。。。
その後お兄さんはどこかへ行ってしまい、何度か人づてに接触があっただけで、たぶんご存命かどうかわからないけど、すつかり疎遠になったままで今まで来たような話しぶりだった。戦争はいろいろなものを破壊するけど、家族関係にも修復しがたいヒビが入ったような話だった。切ないなあ。お兄さんは一生不信感が取れなかったのだろう。
戦争は絶対にいけない、日本は戦争放棄の憲法があるのだから、二度と戦争してはいけないと言っていた。その通りだと思う。そして戦争の体験者から聞くと、いっそうその言葉に重みを感じる。
昨日の広島市長の平和宣言もそのような趣旨だった。参加した首相の顔がずっと写っていたけど、憮然とするほどの信念も見えず、ただ憤怒を押さえて落ち着きのない様子に見えた。
式後の被爆者との座談会でも、被爆者代表から憲法解釈の変更について反対されても、納得できる説明はなかったように思う。
ひとたび戦争になれば、前線も後方もないし、一番弱いものが一番被害を受ける。そのことは忘れないようにしたい。と思いつつ、何ができるのかと自分に問いかければ、うーーーむ、せいぜい周りに意見を表明し、選挙で自分の意見に近い人に入れるくらいかな。悔しい。
写真は昨日の必殺手抜き昼食。パスタのソースは冷たいトマトをつぶして、あとはあるものを適当に。パスタはたいていのものが合う。夏の昼の定番。