碇星 吉村昭を読む。
大垣書店に年末年始読む本を買いに行ったときに、帯の言葉 定年後あなたは
そう生きていきますか。という言葉にひかれて手に取った。
定年後を迎えた男のものがたりが8編、中には吉村氏の実話に基づく話が
2編の短編集
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翌朝、眼を覚ました彼は、会社に行かなくてよいことに明るい解放感を
覚えた。
家で寝転んでもよく、背広も着ずに思いのままに街を歩いてよいことに
気分がうき立った。
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定年で退職した者には二通りの生き方があるようだ。
その一つは、退職したことが嬉しくてならず、表情も一変して明るくなる。
朝起きても出社する必要がないことに胸を弾ませ、夜就寝するまでの時間を
浮き浮きとした気分ですごす・・・・
年金生活で贅沢はできないものの、小旅行をし、案内書を手に美術館や博物館めぐり
をすることもある。
少しの束縛もない自由な生活に満足し、新鮮な日々をすごす。
それとは対照的に、虚脱感に陥るものもいる。
定年退職後は、社会が自分を必要としなかった結果だと考え、なすこともなく
今に座ってテレビの画面に眼を向けたりする、時間が犠牲のように流れる
だけで、会社なくしては自分の存在意義がないのを感じる。
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定年まで2年、なにか自分にあてはめて読むことができた。
2年てあっという間だろうな・・