里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

水墨画の裏打ち

2018年09月14日 | 水墨画:風景他

 水墨画は、普通、和紙に描くことが多いですが、そのままでは作品になりません。和紙は弱くて、しわもできやすく、墨で書くことによって、伸縮の差によりさらにしわができやすくなります。そこで、裏打ちという作業が必要になります。裏打ちの専門家は表具屋さんですが、何枚も頼むのでは、金銭的にも時間的にも大変です。もちろん、展示会などの出品用には専門家にお願いするしかないのですが、そうでない簡易なものを裏打ちするための用紙が市販されています。
 そこで、私もホームセンターで購入し、利用しています。
 これがその裏打ち専用紙です。大きいものがF10用紙位までの裏打ち用で、小さい方は半切用の裏打ち用紙です。最初から、のり付け加工されていますので、あとは水とアイロンで仕上げます。



 裏打ちする前のものです。大分しわができていますし、裏も透けて見えます。



 水墨で描いた和紙を裏返しにし、そこにまんべんなく水をスプレーします。


 
 少し水を落ち着かせ、刷毛で用紙を伸ばすようにします。



 そこに、裏打ち専用紙ののり付け加工されている側を張り付け、上からアイロンがけします。



 表側に返すとこのようになり、しわがなくなり、綺麗になっているのがわかります。
 どうしても湾曲するので、この後、重しなどで平らになるように落ち着かせる必要があります。



 作業には、若干のコツがいるので慣れる必要はあります。パーフェクトにはなかなかならず、結構しわができたり空気が入ったりすることもありますが、便利です。
 1枚ごとにやるのは現実的ではないので、私の場合は、まあまあできたと思うものを選んで一定量ためておき、時々まとめてやるようにしています。