里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

貯蔵の玉ねぎとジャガイモ

2021年03月26日 | 畑:土物類

今年は貯蔵しているタマネギとジャガイモが健在です。
タマネギ。


今年は芽の出ているタマネギがほとんどありません。
このタマネギは昨年6月に収穫した後、吊しとかご形のコンテナで乾燥し、取り込んで貯蔵したものです。(玉ねぎとジャガイモの貯蔵
大玉から消費したので、現在残っているのは中玉。
品種は「ネオアース」。


昨年は、この時期には芽の出ている玉がかなりありました。もっとも昨年は残量自体が多かったのですが、伸びかたも早かったように思います。
「ネオアース」は非常に貯蔵性に優れた品種ですが、例年3月半ばくらいから芽が出る玉が見えてきます。
それが昨年は早く、今年ははっきり遅い。
これは何故か。昨年は暖冬で今年は厳冬、それが一番の要因でしょうか。よく分りません。
それにしても、この「ネオアース」という品種は優秀です。昔は何種か組み合わせて作りましたが、今はこの品種だけで十分です。
貯蔵中、このように玉がしぼんだようになったものが数個あっただけです。


少し芽が出たくらいなら自家用には問題ありません。例年3月いっぱいは問題ありません。
一皮剥くと綺麗な黄金色です。


今年のタマネギなら4月に入ってからでもかなり持つのではないでしょうか。このような姿形ならベストです。


こちらはジャガイモ。


品種は「男爵」。
昨年のジャガイモは不作で、特に自家種を使用したジャガイモは大不作。今頃には無くなっているのではないかと思いましたが、以外に残っています。
昔のようには食べなくなったと言うことでしょう。あるいは助っ人が加減しながら消費しているのかもしれません。
日の当たらない涼しい場所に暗くして保存しています。厳冬なので貯蔵するには悪くない条件です。


例年なら一部は自家種になるところですが、今年は自家種は使わないことにしました。ですからすべて食用です。
放置しておくと沢山芽が伸びてしまうので、こまめに芽搔きをしないといけません。


芽が伸びると芋の養水分を吸って萎びてしまいます。
芽がごく小さいうちに搔きさえすれば長持ちします。芽搔きは専ら助っ人頼みですが、今年は上手く管理されているようです。

ジャガイモは独自の省力植付け

2021年03月25日 | 畑:土物類

ジャガイモの植え付けをしました。
今年も独自の省力植付け法です。
この辺りのジャガイモの植え付け適期は3月下旬から4月初めです。
品種は男爵一品種。
今年は全て購入種芋なので複数品種にしようかとも思いましたが、結局のところ一品種だけになりました。
面積は約1アール。畝幅が広く利用率も低いので実質はもっと少ない。
これまでは、半分は自家種を使っていました。
昨年のジャガイモは不作で、特に自家種が悪かったため今年は全て購入することにしました。
不作でもまだ芋が残っているところを見ると、消費が減っているということか、あるいは助っ人達が多少加減して食したか。
種芋は3週間ほど浴光しました。これは少々小粒の芋。


芽はあまり伸びていません。自家種の場合は頂芽がすごく伸びて、取り扱いに困るほどですが、北海道産の種芋は例年のごとく僅か発芽しただけです。
購入種芋は10㎏。M玉中心なので、全て2分割です。
種芋は頂芽優勢の原則にしたがって、縦切りにします。


あまり早く切る必要はなく、植付けるときに切り口が乾いていれば問題ありません。いつもは早朝に切るのですが、都合で前日の夕方に済ませておきました。


昔は切ったところに木灰を塗ったものです。さして意味のある行為ではありませんでした。即植えるのが普通だったので傷口を塞ぐのと肥料効果も期待したのかもしれません。
この畑は山砂を客土した畑で落ち葉を全面にすき込んでいます。
2週間ほど前に施肥、耕耘は終わっています。これはその時のもの。
畝間1メートルになるよう畝の中心に目印線を付けます。


約50センチ幅に元肥を散布。帯状の全層施肥です。


その後、最低速度で深くロータリー耕耘します。


植え付けです。
前日、再度ロータリー耕耘しました。少し水分が多めでした。
再び畝の中心になる位置に目印線を付けます。


そこに種芋を押し込むように置いていきます。


株間は30センチ弱。畝間を広くしているので株間は狭めです。


管理機を使って土をかけます。
畝立てロータ1連の爪を左側は外向き、右側は内向きにし、はね上げは最低にセットします。
種芋が畝の中心になるよう逆転ロータで往復し土を盛ると、細かい土で適度な覆土になります。
種芋の植え付け位置が土を盛る中心になるよう前進します。


左回りに復り、反対側の土を盛ります。


管理機往復後。覆土され畝が盛られました。


最後に、軽く鍬でならして手直しします。これでほぼ5~6センチの覆土となります。

この独自の省力植付け法を実践するようになり、従来のやり方から見ると大幅に省力となりました。
この畑は、近くに立木があるため午後の日当たりが少し悪くなりますが、一方で霜の降りる心配がありません。

デコポンを墨彩画で描く

2021年03月24日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙

デコポンを墨彩画で描きました。
デコポンを頂いたので描いてみました。
デコポンが出回り始め、私たちの口に入るようになってどのくらい経つでしょうか。10数年になるでしょうか。
ボリュームがあって皮が剥きやすく、甘味と酸味のバランスの良い美味しい柑橘というのが第一印象でした。
デコポンとは、その姿と相俟ってユニークな品種名と思ったことでした。
それが、デコポンは品種名ではなく登録商標と知ったのは近年です。
ちょっと調べてみると、熊本果実連が柑橘類のシラヌヒ(不知火)系に登録商標を所有しており、シラヌヒ系のうち、品質基準(糖度13度以上、酸度1度以下)を満たしたものだけがその名を使用することができるとされます。
元々は国の研究機関が「清見」と「ポンカン」を交配させて生まれたものながら、見た目が悪く育てにくいことから品種登録をしなかったと言います。
今や、その特徴ある見た目からデコポンと広く知られるようになったのですから分からないものです。


かき菜を穫り始める

2021年03月23日 | 畑:花菜類

「かき菜」の収穫を始めました。
ナバナ類の一種茎立ち菜(とう立ち菜)として作っています。


茎立ち菜として作っているのは「仙台雪菜」「かき菜」「三陸つぼみ菜」の3種。
何れも10月15日の直播きです。
「三陸つぼみ菜」が最も早く収穫が始まり、次いで「仙台雪菜」、少し遅れて「かき菜」ということになりました。
「かき菜」は暖冬だった昨年とほぼ変らない収穫開始となりました。
「かき菜」は北関東の在来アブラナの一種。花芽が伸びてくる茎葉を掻き取って収穫するので「かき菜」と呼ばれるようです。
ナバナ類と言いながら、一緒に作っている「つぼみ菜」と同じように花と言うより若い茎葉を食べます。同様の在来アブラナは全国各地に見られます。
トウが伸びてきても花芽はなかなか見えてきません。蕾が大きくなってから収穫するのでは遅い。
花が咲くようになってからでは完全に手遅れで、硬くて不味くなります。これが同様に作っている「仙台雪菜」との大きな違いです。


「つぼみ菜」はその名の通り蕾が見えてからでも軟らかく食べられます。
「かき菜」は「つぼみ菜」よりもさらに早く穫る必要があります。蕾が見え始めるくらいが限界です。
「かき菜」と「つぼみ菜」を同時に作ってみたことから、「つぼみ菜」より2週間くらい穫り始めが遅いことが分りました。
「かき菜」は生育も旺盛。すでにわき芽がたくさん出ています。


「かき菜」も他の茎立ち菜と同様、通常より早めに播いて大株にするとわき芽も多くなり沢山穫れます。
主枝とわき芽の区別がつかないくらいになってきましたが、中央の大きな葉の付いているのが主枝。
この株を穫ってみます。


主枝を切り取ります。


花芽は隠れて小さく全く見えません。主枝の茎は太いですが、穫り始めなので軟らかい。


すでにわき芽が沢山出ているのが分ります。


「かき菜」は丈夫で作りやすく、沢山穫れます。
次々とわき芽が伸びてくるので穫り遅れないようにするのは容易でありません。
数株収穫してみました。
花芽は全く見えず一見普通の葉物としか見えませんが、これがベスト。
穫ったときは葉色が淡い感じがしますが、湯がくと濃い緑に変ります。


こちらは「つぼみ菜」。
姿は「かき菜」と似ています。


収穫開始から2週間が経ち、すでに主枝の収穫は終わりました。
わき芽が盛んに穫れるようになっています。
名前通り小さな蕾が見えます。かき菜と違いこのくらいで大丈夫です。

こちらは「仙台雪菜」。
早いものはわき芽の蕾が大きくなってきました。


種籾消毒と水漬けで今年の米作りスタート

2021年03月22日 | 田んぼ

種籾の消毒をし、水漬けを開始しました。
今年の米作りをスタートすると思うと多少の緊張感があります。
品種は「ひとめぼれ」。
かつては3~4品種作っていましたが。今は刈り取り作業を委託している関係で、我が家の規模では1品種しかできません。複数品種作ってみたい気持ちは山々なれどやむを得ません。
塩水選をした後、種籾消毒を1昼夜行いました。


種籾消毒にはテクリードCというごく一般的な薬剤を使っています。
前日から200倍液に漬け、24時間経ったので、これで処理完了です。


種籾は4つの網袋に分けてあります。
引き上げた後、薬液が滴らなくなるまで、暫時このようにしておきます。


一輪車に乗せたままで日陰に持って行き、数時間風乾します。


薬剤仕様によると必ずしも風乾は必要ないのですが、昔から水漬け前には薬剤を定着させるため風乾するのが習慣化しています。
水漬け開始です。


水漬けの期間は2週間が目安。
「ひとめぼれ」は発芽しにくいので水漬け期間は長めにとります。
最初の3~4日は水は交換しません。種籾消毒の効果を確実にするためです、その後は2、3日ごとに水を交換します。


昔からみると面積も大分減ってしまいましたが、この辺りではやはり米は依然別格の存在です。
しかし、それもどうやら過去形のようです。近隣でも米を作らない農家が珍しくなくなりました。価格は大幅に下がり、大規模経営でなければ採算に合わなくなっています。
小規模な栽培は我々のような多少こだわりのある高齢者だけになりつつあるのかもしれません。