里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

タマネギ「ネオアース」は本格的な長期貯蔵に入る

2024年07月26日 | 畑:土物類

6月に一斉収穫し、乾燥していたタマネギ「ネオアース」を全て室内に取り込み、長期貯蔵に入りました。
乾燥は、作業場の下屋に広げて並べ陰干した後、2通りの方法で乾燥してきました。
当地、今年は全くの空梅雨で晴天日が多く、例年に比べると格段に乾きが早い。
こちらは大玉のものをコンテナに並べて風通し良い状態で乾燥したもの。


年々この方法で乾燥する割合が多くなってきました。大玉でも吊しのように落下する心配がありません。


茎が根元までしっかり乾いているか根がカラカラになっているかで乾燥状態を確認します。


取り込む前に茎を切ります。根はカラカラに乾いており気にならないのでそのままで大丈夫。
こちらは一般的な方法、茎を2、30㎝付けてひもで縛り竿に吊し乾燥したもの。


多少光りが入り込むため、少し緑化しているものが出ています。このままにしておくのは良くない。


根がカラカラに乾いています。


貯蔵中に腐敗が出るのは殆どの場合、乾燥不十分のまま沢山重ねて貯蔵するからです。
茎の付け根を触ってみれば乾燥状態がよく分ります。ここまで乾燥すれば問題ありません。
調製の作業は助っ人がやってくれると言うので頼みました。
貯蔵はやはり風通しが良いところが間違いはありません。


スペースの関係でコンテナに入れたまま少々重ねました。この乾燥状態なら問題ないでしょう。


この中晩生種「ネオアース」のメインは何といっても貯蔵。
この品種はとにかく貯蔵性が抜群で萌芽が遅い。来春まで食します。


大玉の比率が高いのもこの品種の特徴です
一般的に大玉は貯蔵性が劣ると言いますが、乾燥さえ十分ならあまり関係ないようです。
それでも、一応特大玉は早めに消費するようにしています。


また、この品種は肌が綺麗で貯蔵中に美しい狐色になります。
まだ薄皮がうまく剥げませんが、この特大玉もいい色になってきました。


もちろん腐敗が出ないとは限らないので貯蔵中のチェックは必要です。






雑草の刈り払い作業で出会う野草

2024年07月25日 | 野山

7月中旬は水田周りの雑草を刈り払う時期です。
田んぼの害虫対策もあって時期はかなり限定されます。
毎年のことでイネの生育の具合で多少違いがあるものの数日前後するくらいのものです。
刈り払い作業をしていると色んな植物に出会います。それを確認出来る機会でもあるのです。
まずは一番気になるネジバナの咲くところ。


一目今年は少ない。
この下は大きな土手です。一部が2019年の台風19号被害で崩落。
復旧作業でネジバナの周辺も傷め付けましたが、生き長らえました。
この畦は珍しく野芝が多く日当たりが良いためネジバナが育ちやすいようです。
伸びている雑草はチガヤです。


もともと群生化していたほどではありません。しかし、数本纏まって生えていたところが何カ所かありました。
今年は明らかに少なく、せいぜい2、3本と言ったところ。


それでも咲いていれば取り敢えずは今年も会えたことに安堵。


この辺りでは通称ネジリバナ。右巻きと左巻きがありますが、確認する余裕はありませんでした。
花を刈り倒してもネジバナは再生します。でもそれはやはり忍びない。


手刈りまではしたくないので、どうしても近くのチガヤは残ります。
昔は方々にありましたが、今は自然に残っているのはここだけです。
こちらはナデシコ。


カワラナデシコが正しいでしょうか。


やはり昨年と同じようなところにありました。いい色合いのピンクです。


見逃しているだけでもっとあるとは思います。しかし、昔からみるとやはり少なくなりました。
こちらはヤブカンゾウ。


刈り払い作業をしていて一番目立つのはこのヤブカンゾウ。
濃い黄色の大きい花は遠目でもはっきりと確認できます。


こちらは方々にあるのであまり前年のことは記憶していません
一般雑草と同じように刈り払いますが、再生力が強いので必ず再会出来るはずです。
この花は特に鮮やかで形も整っていたので、そのまま残しました。


連日、汗だくの作業は楽ではありませんが、野草から一服の安らぎを得ます。


タラの芽を採った後の管理

2024年07月24日 | 山菜

春の山菜と言えば何と言っても王様の名を冠される「タラの芽」
今年は昨年より僅かに遅いものの例年よりは1週間ほど早く採れました。
我が家では元々自生していたタラノキを手入れし、それなりの年月を掛け自然に増殖させてきました。
良いタラの芽を毎年採るためには採った後の管理が必要になります。
タラの芽はタラノキから芽吹く新芽のことなので、タラノキの管理と言うことになります。
我が家には2カ所に纏まったタラノキがあります。
これが一番群生化したところの4月下旬の収穫時のタラノキ。


タラノキは新しく伸びた枝の先に新芽(頂芽)が出来ます。そのタラの芽を採るわけです。
タラノキの枝は1mくらい伸びるため、放置すれば大きくなり、簡単には採れなくなってしまいます。
そこで、タラの芽を収穫した後は、速やかに2、3芽を残して枝を切り戻します。
ここのタラノキもすべて短く切り戻しました。
そして、これが6月半ばのタラノキ。


切り戻した枝からは残ったわき芽が生長し、新しい枝葉が伸びてきます。
これで枝の伸びは抑えられ、翌年の収穫も容易に出来る訳です。
しかし、その後は辺りに雑草も伸びてきます。タラノキの生育にとってはよくありません。


雑草の刈り払いを行います。
タラノキにはトゲがあり、混んでいるので少々やりにくい。


ちょっと間違うとタラノキまで簡単に切ってしまうため、多少雑草が残るのはやむを得ません。


実はこの場所は普通の下草はあまり生えず、一番が篠竹です。
そしてこれが現在。1ヶ月余り経ち大きく生長しました。


再び雑草の刈り払いを行いました。混んできたのでできる範囲です。


もう一つの纏まってタラの芽が採れるところ。収穫時はこんな感じでした。


やはりタラの芽を採った後、枝を切り戻しました。
こちらもこれが6月半ば。


これで来年は簡単に採れる高さにタラの芽が芽吹いてきます。
雑草が大分繁茂してきました。


刈り払いをします。


タラノキは地下茎で繁殖します。
中に枯れている木が見えます。タラノキは古くなると枯れる場合があるのです。
しかし、代わりに地下茎から新しい芽が伸び出します。いわば世代交代です。


そしてこれが現在。こちらも再び雑草の刈り払いを行いました。


今年も大分新しい芽が伸び出しています。雑草を刈り払いすることで新しい芽が生長し、さらに繁殖するはずです。


これでタラの芽を採った後の大事な管理、枝の切り戻し剪定に続く雑草の刈り払いは終了です。


カボチャの仕立て方と誘引整枝

2024年07月23日 | 畑:果菜類

今年のカボチャは少々変則な仕立て方となりました。
種播きは気温が高かったことから例年より少々早い4月末。
マルチに指で穴を開けそのまま種を押し込む我流の直播き法です。
品種は九重栗EX。但し、全て古種。
発芽は非常に良かったのですが、その後の生育が良くない株があり、仕立て方を確定しないまましばらく放置していました。
カボチャの仕立て方には色々あります。
親蔓1本仕立て、親蔓と子蔓1本の2本仕立て、親蔓と子蔓2本の3本仕立て、親蔓をピンチし子蔓の2本仕立てや3本仕立て、さらには半放任等々です。
目標の収穫時期と畝間、株間との関係で決めることになります。
我が家の場合、我流の直播きの発芽率が70~80%と想定、適当な間隔に間引きし親蔓と子蔓1本の2本仕立てを基本にしています。
発芽率、初期生育ともに良かった時には親蔓1本仕立てにしたこともあります。
結局、今年は6月末に生育の良くないものを間引き、仕立て方を確定させました。
結果的に2年続けて親蔓と子蔓1本若しくは子蔓2本の2本仕立てと3本仕立ての組み合わせとなりました。
これがその時のものです。


これを親蔓主枝と子蔓主枝を確定し、適当な間隔に配置して誘引しました。


長く伸びた蔓が親蔓主枝でやや短い蔓が子蔓主枝です。


1番果はこんな程度のものが多かった。


各主枝から出るわき芽は全て搔きます。これまでわき芽の整理を2度ほど行いました。
これが現在。かなり伸びました。わき芽もまた伸びています。


このくらいわき芽を整理しました。


適当な間隔に誘引しました

わき芽を放置するとジャングル状態になり果実が確認しにくく収穫もやりにくい。これなら大丈夫です。


この果実だけは例外。5、6節のところに留まっています。


摘果すべきでしたが気づかずそのままにしてしまいました。
これが通常の1番果。10~13節くらいで着果しています。


蜂が飛んでいるため人工授粉したものは僅かで、殆どは自然着果です。
1番果の着果状態はまずまず。
軸が少し変色してきました。6月20~25日頃の開花なので8上旬の収穫見込みです。


1番果を着けた後は、例年のように蔓を伸ばし2番果、さらに3番果まで穫るのが目標です。
そのためのスペースは十分に確保してあります。
これが2番果。


これが3番果。


2、3番果の留まりはあまり良くないようです。3番果を着けるのも今週くらいまでです。
2番果、3番果も健全な葉が十分あって完熟していれば問題なく美味しいカボチャが穫れます。
こちらは、遅穫り用のカボチャを直播きしたもの。


冬至カボチャにする貯蔵用です。
品種は「雪化粧」。
7月2日の種播き。これも古種。
厳しい時期の栽培で、そもそも当地ではかなり無理な作型です。
発芽はよかったものの日照りのためか2株は枯れてしまいました。
近3年の実績は3個、6個、5個。その前年はゼロでした。果たして今年はどうか。


水墨画「石榴の花」

2024年07月22日 | 水墨画:草花
画仙紙 半切1/3    

 
我が家のザクロは少なくとも樹齢130年以上の古木、庭の象徴です。
正に主とも言える存在で貫禄は他を圧しています。
しかし、老化による樹勢の衰えは隠せません。
特にそれが目立って来たのは10年くらい前からです。
新しい幹は殆ど伸びなくなり花や実もガクンと少なくなりました。
そんなこともあってしばしば画にしてきました。
ザクロと言えば鮮やかな赤い実を連想しますが、花も悪くありません。
ザクロの花はとてもユニークで蕾から開花するまでの過程も面白い。
鮮やかな朱色の花が沢山咲けば緑の葉と相俟っていいものです。
残念ながら今年の花は僅か数個。かつてなら一枝に咲く花数です。
旺盛に花を咲かせていた頃を思い、水墨で描いてみました。