今回の屋久島のメインはもちろん 縄文杉 だ。
ガイドを頼んでのツアーだが、宿への迎えは朝の4時 (゜゜;)
3時に寝ることはよくあっても、起きることは長い人生の中でも極まれだろう。
ガイドの車で先ずは屋久杉自然館へ向かう。
春から秋のハイシーズン中は自家用車はここまでで、登山口へはバスが往復している。
もう既にバス待ちの人がいっぱい
ツアーの持参品の中に朝食が指定されていたが、ここで食べるように とのガイドの指示。
こんな状態で、しかもバスが着く度に列を移動しながら食わなければならないので、無理してでも出発前に摂っておくべきでしょう。
やっとバスに乗れても、これがまた大変。
曲がりくねった山道をグリングリンと進む30分は、酔わないように必死で前を向く。
さて、荒川登山口に着いた。
当然だが まだ元気
そして今日の行程
それでは行きましょうか と、6:15 にトロッコ道に沿って歩き始めた。
程なくこのコース唯一のトンネル
帰りはなかなかこのトンネルが見えてこないらしい。
トロッコの機関車が道脇に放置され、朽ちるに任せられていた。
山の斜面に刻まれたトロッコ道は水が横切る部分がちらほらあり、このように頭上を通す仕掛けもある。
今回のツアーは Nori & Kazu 以外に女性の二人連れと和歌山からのご夫婦で、総勢6人。
他メンバーに合わせてかとてもスローなペースと、不均等に敷かれた枕木がフラストレーションを与えてくれる。
時々開ける右手には沢や山が遠望できる。
そして最初の屋久杉
樹齢1000年を越えないと屋久杉とは呼ばないらしく、それに値する充分な大木だ が
帰路ではこいつが小さく見えるそうな。
手摺のない細い橋が所々現れる
踏み外したら 「あ 痛て」 じゃあ済まないだろうな。
だんだんと雰囲気の良いスポットが見られるようになってくる。
小杉谷橋上からのこの風景は、もののけ姫のアシタカとサンが出会ったシーンのイメージとなった処らしい。
小杉谷橋の先には林業が盛んだったころの小杉集落跡。
最盛期には500人を超える住民と小中学校を備えていた集落だが、今は平地を残すのみ。
この少し先には休憩所と、またその先にはトイレがある。
小杉谷橋からはトロッコの線路間に木道が敷かれ、歩きやすくなる。
右手に三代杉
1代目が2000年生き、その倒木上に2代目が1000年。
3代目はまだ500年しか経っていないとのこと。
森の中を行く ダイダラボッチ
屋久鹿をよく見かける
警戒心がないことは、この島で生態系の頂点にいるからとのこと。
こんな処に木霊が (^^)
仁王杉 阿形
寺の山門に居る仁王像のような形相から、こう名づけられたらしい。
この辺りから雨が降り始めたが、足場が良いので傘でしのぎながら歩く。
そして大株歩道入口
←ストリートビュー
ここが最後のトイレ。
ここまで8kmを歩いてきたが、この先が本番となる。
雨は強まってきた。
ここからは傘を差しては乗り切れないので、着たくはないがカッパを装着。
さて、入口はいきなり これだよ
←ストリートビュー
そして これだ
←ストリートビュー
外からは雨、内側からは汗、ムレムレで不快指数200%
カメラを出す気にもなれなかったので、ストリートビューの画像で失礼。
程なくウィルソン株へ到着
湿気で髪がペッタリだ
樹齢3000年のこの株は、豊臣秀吉が方向寺建設の際1586年に切り倒されて献上されたという謂れがある。
内部は結構広く、10畳ほど。
そこで Kazu が何やら、嬉しそうに見上げてますね。
それは これ
特定の位置からしかハートには見えないけど、なんか楽しいね ♪
下にも小さなハートがあるし ♪♪
ここまで6人のパーティーだったが、一人脱落して5人となった。
勇気をもってのリタイアは、この後の行程を見ると 正解だっただろう。
そして残ったメンバーはまた 登る
地獄の3丁目と呼ばれる3か所の急な階段が連なる
大王杉 樹齢3000年
縄文杉が発見されるまでは屋久島最高の杉だった。
ここから世界遺産の区域に入る
夫婦杉
二本の杉が枝で繋がっており、まるで手を取り合っているように見える。
中央;妻2000歳 右;夫1500歳 年の差婚だな
途中で昼食を挟みながらも、また歩く。
辛い。 この辛さは富士山に匹敵する 。
無言で登り続けている と
あいつか !!
圧倒されるような、それでいて優しく歓迎されているような、なんとも不思議な雰囲気に包まれた。
「縄文杉に呼ばれた者だけが縄文杉に会える」 と言う。
どうやら呼んでくれていたようだ。
名の由来は縄文時代から生きているからとも、その燃え上がる炎のような姿が縄文式土器を連想させるからとも言われている。
2000年代から7000年代と樹齢は確定されていないが、いずれにしろNoriの人生などほんの一瞬。
その長い樹生でいったい何を見てきたのだろう、 この樹は。
会えて 良かった
←バカップル (^^;)
ここに来て憂鬱な雨は上がってくれた。
静かな感動の後は また ・・・
長~い下りが待っている
大株歩道入口までのガレ場や階段も辛いが、淡々とした木道もまた 辛い
既に痛みを訴え続ける脚での黙々とした歩きは、まるで修行のようだ。
そして木道が途絶えて再び枕木の上を下るころは
←振り返っての撮影
修行が苦行へ、そして拷問に
「なんでも喋るから、もう止めてくれ~」
縄文杉から 「もういいよ」 とお許しが出たのは、出発から11時間30分後。
「またおいで」 とも言われた気がしたが、答えはあいまいに別れを告げた。