録画したVTRテープを技術の熟練者が定規とルーペと安全剃刀の刃で切断して編集する「切り編」(きりへん)から画期的な機械が出現しました。
その機械の台にVTRテープを乗せてスイッチを入れるとVTRテープを台の上で移動させて同期信号の隙間を機械が感知します…。
下からアームに取り付けられた安全剃刀の刃がスッ、と出てきて切断します。
もう一方の切断されたVTRテープを台の上で突き合わせて粘着テープつなぐ機械ができました。
まもなく、VTRテープを傷つけることなく、テープ編集のできる「電子編集機」が完成します。
VTRテープも富士フィルム、ソニーなど、国産品が出回るようになりました。
テープが気軽に編集できるようになると、ドラマ作りも時間的に自由がききます。
出演する俳優さんのスケジュールに合わせることもできます。
俳優さんの和装から洋装への時間のかかる衣装替えも自由です。
セットの模様替えや建て替えも自由です。
時間的な我儘がきくようになって、かえってドラマの制作時間がかかるようになりました。
結婚間近のあるスタッフは、広島から出てきたフィアンセを今日のVTR撮りはすぐ済むからと待たせていたのですが、NG続きで仕事が終わったのは深夜10時すぎになりました。
やがて「映画俳優」さんの出演が可能になりました。
宇津井健さん、有馬稲子さんの出演で「嫁さこらんしょ」という連続ドラマの制作が始まりました。
続く…