真空管ラジオを自作していた時代から
トランジスターの時代になって
大阪日本橋の電気街も様変わりしていました
高級音響機器を扱う2階建ての
店がありました
1階は大きな舶来スピーカーの
エンクロージャーや
プリメインアンプが
ズラリと並んでいました
2階は入・出力のトランス、
大容量のコンデンサー
出力真空管のペアチューブ、
プレーヤー、トーン・アーム
カートリッジなど小物ながら
高価な部品のガラスケースが
ズラリと並んでいました
シュアVー15、エラック、
ピッカリング、オルトフォンなどの
ケースを覗いていると
年配の紳士が近づいてきました
係員に
「そのシュアVー15をくれ…」
指差しました
※シュアVー15はMM型カートリッジで
時々モデルチェンジしていました
係員は頭をかきながら
「それは見本です…取り寄せますから
少しお待ち願いますか…」
それを聞いた老紳士は
「オレはいま欲しいのだ…」
と怒り出しました
オーディオファンの気持ちは
年齢に関係ないのですね
そのやりとりを聞いて
私は思わずニヤリ…