渡辺邦男監督の「忠臣蔵」での
エピソードを一つ
渡辺邦男監督は、セット(現場)で
助監督が「テスト行きまーす…」と号令をかけます
渡邊邦男監督は「テスト…用意ハイ」と
リハーサルを行います
リハーサルがOKになると
横にいるスクリプター女史と簡単に言葉を交わして
本番を撮ります
… … …
いままで何度も渡邊邦男監督と仕事をしてきた
ベテラン俳優さんは、このリハーサルはそこそこに
すぐ本番を撮る監督さんの癖を知っていますから
台詞はきっちり入っていますし、演技も決めています
渡邊邦男監督と仕事をしたことのない俳優さんは
スケジュール通りセットにやってきますが
監督さんに「君の出番は済んだよ…」といわれます
… … …
渡邊邦男監督は出番の俳優さんが、来ていないときは
その俳優さんのカットを飛ばしてしまうのです
そのセットに出ている共演の俳優さんに
「△△は、ただいま,病に伏せっています…」と
云わせて出番の俳優さんをカットするのです
渡邊邦男監督の仕事はスケジュールより
かなり早く進んでいくのです
この話が撮影所に広まって、
出演している俳優さんたちは
早め早めにスタジオに集まるようになりました