初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

クレーン・ショット

2009年04月19日 18時35分51秒 | Weblog
  映画では、古くからクレーンが使われています。公園にあるシーソーのように、支点を挟んで、一方にカメラ、カメラマンが乗るプラットホームがあり、反対側にはバランスを取る、錘を乗せる箱が付いたアームの装置です。

 クレーン全体はトラックの車輪の付いた台の上に乗せられていて、移動効果係の2、3人でクレーンを操作します。

 このクレーンにカメラを中心に、カメラに向かって右側にレンズのフォーカスを操作するカメラ助手、カメラの左側に監督、カメラの後ろにカメラマンと3人が乗ります。
 カメラと3人のバランスを取る後の錘(カウンターウェイト)も大きなものになります。

 クレーンの前と後は支点を中心にバランスをとっていますから、クレーンの乗り降りには注意しなくてはなりません。

 不用意に1人でも下りるとバランスが崩れます。事故につながります。

 溝口健二(雨月物語、山椒太夫、楊貴妃…)監督が特に、クレーン・ショットが好きでした。ワンシーン・ワンカット主義で、クレーンを縦横に動かして、登場人物の出し入れのある、独特の画面を構成していました。午前中、このワンカットが撮れるかどうかという凝った仕事です。

 テレビも、VTRが普及して、映画のように部分撮りが可能になると、映画のクレーンが導入されました。テレビの場合は、カメラマンが1人でレンズのフォーカスも操作しますから、プラットフォームにはカメラマン用のシートベルトの付いた椅子と、雲台に乗ったカメラだけです。早いスピードでアームを振られると、カメラマンに遠心力のような力が働いて体を振られますので、カメラ操作にコツがいりました。

クレーンのアームが天井近くにあると、上からの照明器具の熱で、何となく眠くなって、カメラマンはシートベルトが無いと落ちそうで危ないのです…。

 テレビ用のクレーンは改造が進んで、クレーンの操作が、1人でできるように細いアームの先に電動雲台に取り付けられたカメラと、電動でフォーカス、ズームができるレンズが取り付けられて、クレーンのカメラマン用のプラットフォームは無くなりました。クレーンの上げ下げの係1人と、アームの後ろでリモコンを動かすカメラマンの2人でクレーンを操作できるまでになりました。

アームも分解できてコンパクトになって、組み立ても簡単になりました。
 
 スポーツのサッカーのゴールの後ろにクレーンがありますし、陸上のマラソンでもフィールドで大型クレーンを使っています。



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