兄弟の大勢だった親父の
次の兄は、歯科医を開業して
いました。
親父の一番上の兄は
東大医学部の部長でした。
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私がまだ、幼稚園に通っていたころ
朝早く、親父の一番上の兄貴が
夫婦で訪れたことがありました。
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挨拶を交わして、その叔父さんを
見ると、首に包帯を巻いていました
叔父さんは、食道がん、でした。
言葉は交わせたのですが、
小さく切った食パンを牛乳にしたして
食べておられました…
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叔父さんは、大きな大学ノートを
親父と母親に見せていました
その大学ノートには、
叔父さんの食道がんの、症状を
医学者として冷静に記録されて
いました…。
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その一番上のお兄さんは、
末っ子の親父に最後の別れに
京都へやって来たのでした。
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親父の兄弟は、みんな優秀で
医師、銀行の頭取とスゴいのですが
末っ子の親父だけ、映画界に勤める
異端児?でした。