中国系の東洋医学の先生に診てもらって、「中国では西洋医学の医者だったのです」といわれて「じゃあきっといい先生に違いない!」と思ってしまった方はいらっしゃいませんか?
実はこれはデパートの和服売り場に高い着物を買いに行ったら、「自分はドレスが専門ですけどね」といっている店員さんに応対してもらっているようなものです。
「お医者さんだったけれど鍼灸師ではなかった」ということですね。
ある方は中国人の医師出身の鍼灸師に診てもらって「あなたはあくまでも実証体質です。」といわれたそうです。この先生の説明では「実証体質とはその人の体質を虚証と実証に分けた場合、実的な症状が多い。赤ら顔、耳鳴り、不眠、イライラ、食欲は旺盛、便秘がちなどなど」だそうです。
だからこの方に処方された漢方薬はすべて熱を取ったり、イライラを修めたり、食欲を抑えて便秘を改善するようなものでした。 つまり症状の治療だけを考えていて、そういう症状を起こしたからだの根本的な変調はあまりみていないようです。典型的な医師型の治療です。
しかしですね、人間というのはだんだんと衰えていってしまいには誰もが死ぬわけで、むやみに熱などのエネルギー的なものをとってしまえばよいというのはどんなものでしょう?
確かにのぼせとか赤ら顔や汗かきなどは見ていても暑苦しそうで熱を取ってあげたくなりますが、一歩下がって距離を置いてこのような患者さんを診たときは、意外と体中が実体質という方は少ないようです。このような方でも体のどこかに必ず虚(きょ、弱さ、冷え、足りないもの)があるから体に不調をきたしているものです。つまり体が火照っているように見えても、どこかに虚して冷えていたり、血の流れが悪いようなところがあれば、ます暖めて補ってやることです。すると多くの場合は、必要以上に体力を消耗させることなく足腰が温まったり気や血の流れがよくなったりして、結果的にほてり等の実的症状が治まってくるわけです。それでもそれでも旺盛な症状が残っている場合は少しだけ熱を抜いてやるだけで十分治ります。
このように伝統的な医学を施すものたちはまずその虚を補って体が変調をきたした理由を治めてあげてから、それでも症状が残っている場合にその患部に関連する治療をして、病の根本と症状の両方にアプローチをいたします。これは中国のいわゆる中医師も日本の鍼灸師や漢方の専門家も漢医といわれる韓国の伝統医師も然りです。
中国本土では医科大学のカリキュラムに東洋医学も含まれていて、中医科大学のカリキュラムにも西洋医学が含まれていて、バランスの取れた教育内容ということです。しかし、米国で東洋医学を営む先生たちのなかで、ときどき「中国では医者だったんです。」とおっしゃっている方がいます。私が属しているCCAAというカリフォルニアの鍼灸師会にもこのような方が結構いるようです。これは渡米してから医師になることができず、仕方なく東洋医学の免許のほうを取って開業している医師たちです。
「本当はフランス料理のシェフになりたかったんだけど、家業が寿司屋だから仕方なく寿司を握っている」というシェフさんの寿司はおいしいでしょうか?
あ、おいしいかもしれません。でも心意気ってものがあるでしょう。。。。。確かに腕のいい先生もいらっしゃるようですが、当然多くの場合はその治療の方向性が西洋医学的というか神経医学的なものになるようです。例えばいきなり患部に鍼を2本刺して、電気を通したり、今出ている症状だけにあわせた漢方薬を処方したりするわけです。患者さんへの説明も西洋医学の単語をつかいます。
もちろんどの世界にも尊敬すべき名人達人はいらっしゃるわけで、こういった治療で疾病が治ってしまう方もいるでしょう。
もし、それだけでは物足りない気がする方は、本国でも中医師や鍼灸師の免許を持っていたり、ちゃんと中国や日本で東洋医学の修行をした事のある先生を訪ねてみるのも一方です。
胸を張って(別に威張って言う必要はないのですが、、)「私は国でも鍼灸師でした」「中医師でした」「漢方医でした」「日本のだれだれ先生のもとで勉強をしてきました」といえることも大事ではないかと感じます。要は患者さんに対する「心意気」というか「矜持(きょうじ)」ということですね。
「餅は餅屋」というお話でした。
実はこれはデパートの和服売り場に高い着物を買いに行ったら、「自分はドレスが専門ですけどね」といっている店員さんに応対してもらっているようなものです。
「お医者さんだったけれど鍼灸師ではなかった」ということですね。
ある方は中国人の医師出身の鍼灸師に診てもらって「あなたはあくまでも実証体質です。」といわれたそうです。この先生の説明では「実証体質とはその人の体質を虚証と実証に分けた場合、実的な症状が多い。赤ら顔、耳鳴り、不眠、イライラ、食欲は旺盛、便秘がちなどなど」だそうです。
だからこの方に処方された漢方薬はすべて熱を取ったり、イライラを修めたり、食欲を抑えて便秘を改善するようなものでした。 つまり症状の治療だけを考えていて、そういう症状を起こしたからだの根本的な変調はあまりみていないようです。典型的な医師型の治療です。
しかしですね、人間というのはだんだんと衰えていってしまいには誰もが死ぬわけで、むやみに熱などのエネルギー的なものをとってしまえばよいというのはどんなものでしょう?
確かにのぼせとか赤ら顔や汗かきなどは見ていても暑苦しそうで熱を取ってあげたくなりますが、一歩下がって距離を置いてこのような患者さんを診たときは、意外と体中が実体質という方は少ないようです。このような方でも体のどこかに必ず虚(きょ、弱さ、冷え、足りないもの)があるから体に不調をきたしているものです。つまり体が火照っているように見えても、どこかに虚して冷えていたり、血の流れが悪いようなところがあれば、ます暖めて補ってやることです。すると多くの場合は、必要以上に体力を消耗させることなく足腰が温まったり気や血の流れがよくなったりして、結果的にほてり等の実的症状が治まってくるわけです。それでもそれでも旺盛な症状が残っている場合は少しだけ熱を抜いてやるだけで十分治ります。
このように伝統的な医学を施すものたちはまずその虚を補って体が変調をきたした理由を治めてあげてから、それでも症状が残っている場合にその患部に関連する治療をして、病の根本と症状の両方にアプローチをいたします。これは中国のいわゆる中医師も日本の鍼灸師や漢方の専門家も漢医といわれる韓国の伝統医師も然りです。
中国本土では医科大学のカリキュラムに東洋医学も含まれていて、中医科大学のカリキュラムにも西洋医学が含まれていて、バランスの取れた教育内容ということです。しかし、米国で東洋医学を営む先生たちのなかで、ときどき「中国では医者だったんです。」とおっしゃっている方がいます。私が属しているCCAAというカリフォルニアの鍼灸師会にもこのような方が結構いるようです。これは渡米してから医師になることができず、仕方なく東洋医学の免許のほうを取って開業している医師たちです。
「本当はフランス料理のシェフになりたかったんだけど、家業が寿司屋だから仕方なく寿司を握っている」というシェフさんの寿司はおいしいでしょうか?
あ、おいしいかもしれません。でも心意気ってものがあるでしょう。。。。。確かに腕のいい先生もいらっしゃるようですが、当然多くの場合はその治療の方向性が西洋医学的というか神経医学的なものになるようです。例えばいきなり患部に鍼を2本刺して、電気を通したり、今出ている症状だけにあわせた漢方薬を処方したりするわけです。患者さんへの説明も西洋医学の単語をつかいます。
もちろんどの世界にも尊敬すべき名人達人はいらっしゃるわけで、こういった治療で疾病が治ってしまう方もいるでしょう。
もし、それだけでは物足りない気がする方は、本国でも中医師や鍼灸師の免許を持っていたり、ちゃんと中国や日本で東洋医学の修行をした事のある先生を訪ねてみるのも一方です。
胸を張って(別に威張って言う必要はないのですが、、)「私は国でも鍼灸師でした」「中医師でした」「漢方医でした」「日本のだれだれ先生のもとで勉強をしてきました」といえることも大事ではないかと感じます。要は患者さんに対する「心意気」というか「矜持(きょうじ)」ということですね。
「餅は餅屋」というお話でした。