Q&A
黒谷先生に質問です。例えば長年続いている皮膚病とかも鍼灸などで治せるものでしょうか?薬を塗ったり塗らなかったりなので完治しないのだとは思っていますが、どうも根気がたりないので、お灸とかをどこかのつぼに毎日やれば治るような気がしました。
(2006/11/30 Mさん)
回答 その1 (患部に対する直接的な治療)
皮膚疾患ですか、これがいわゆる水虫や疥癬(カイセン)といわれるような菌に感染している皮膚病と、アトピー性皮膚炎のようなアレルギー疾患かによって治療方法が変わってきます。
どちらも当然、「菌が繁殖しにくい免疫力の強い体質」をつくったり、アトピーのように「強すぎる免疫作用」を緩めて、皮下に溜まった不要な熱を汗とともに発散させることのできる体質改善を行います。それプラス、とりあえずかゆみを停めたり、菌を殺したりする治療と併用することになります。
今回は菌に感染した皮膚疾患の直接的についてお話します。
アレルギー性の皮膚疾患については回を改めて、ゼンソクの治療と一緒にお話したいと思います。
今回はせんねん灸などの名前で売られているインスタントお灸を使ってみましょう。
http://sennenq.co.jp/
1.肩口にある肩髃(ケングウ)というつぼにお灸をする
これは肩の前にあります。両腕を横に水平に挙げたとき肩の付け根の前と後がちょこっと引っ込みますね。この前のほうの引っ込んだ所です。ここにせんねん灸のレギュラーかそれよりすこし強いのをすえるのです。肩口のお灸は跡がつきやすいのである程度覚悟してください。これは皮下に溜まった熱を一時的に発散させるので、ジンマシンも含めた全身のかゆみ止めになります。
2.患部にお灸をする
これはせんねん灸の強めのものを直接患部の真ん中あたりにすえます。
足の指のまたとかに水虫ができている場合などは、この熱さがなんともいえない「あつきもちいい」ものです。
ごく軽いヤケドが皮膚のたんぱく質を壊し、これを治すために集まってきた白血球などが
このヤケドを治しながらそこに存在する菌も処理してしまうために、効果がでるのです。
3.紫雲膏(しうんこう)をぬる。
これは江戸時代に麻酔薬を考案し自分の母親と嫁に乳がんの手術を行った、華岡青洲が作った膏薬です。有吉佐和子さんが「華岡青洲の妻」をだしていますのでご存知の方も多いでしょう。
これは切り傷以外の皮膚疾患に大変効果があります。そして、ヤケドやあかぎれ、しもやけ、痔の痛みにも著効します。日本では薬局でどこでも変えます。
本来これはごま油で練りこんであるために、アメリカでこれを使うと「シュウマイくさい」とか
いわれて評判が悪いので、私の所では必要に応じてオリーブ油で練りこんだ紫雲膏を作ってお出ししております。どちらも塗った感じはマイルドで安心して使えます。毎日使ってください。
4.華佗膏(かだこう)をぬる。
中国製の名薬です。漢方薬の成分にサルチル酸という強力な殺菌剤が入っているので、塗った感じは少しひりひりします。眼や粘膜の場所は避けてください。毎日塗ってかまいません。
これはチャイナタウンの薬屋か乾物屋に行くと必ずおいてあります。
日本なら普通の漢方を扱っている薬局においてあります。
5.土槿皮酊(どきんぴ)チンキをぬる。これはむくげチンキとも呼ばれています。
これを塗ると涙が出るくらいひりひりします。眼や粘膜のあるところは避けてください。2日ほど続けて塗って様子を見てみましょう。
例えば水虫のあるところに塗ると、焼けるように痛いものですが、その後2-3日するとその部分の皮がボロボロと落ちて、なおります。あとはきれいな靴に履き替えておきましょう。
以上は患部に対する直接的な治療です。まずは痒みなどをとってもらうために先に説明しました。しかし、同じ菌がついても感染しない方もいらっしゃいます。要はそういうからだをつくってゆくことが東洋医学たるゆえんです。
次回は間接的な治療、体質のほうを改善してゆくことによって行う、皮膚疾患の治療についてお話します。
黒谷先生に質問です。例えば長年続いている皮膚病とかも鍼灸などで治せるものでしょうか?薬を塗ったり塗らなかったりなので完治しないのだとは思っていますが、どうも根気がたりないので、お灸とかをどこかのつぼに毎日やれば治るような気がしました。
(2006/11/30 Mさん)
回答 その1 (患部に対する直接的な治療)
皮膚疾患ですか、これがいわゆる水虫や疥癬(カイセン)といわれるような菌に感染している皮膚病と、アトピー性皮膚炎のようなアレルギー疾患かによって治療方法が変わってきます。
どちらも当然、「菌が繁殖しにくい免疫力の強い体質」をつくったり、アトピーのように「強すぎる免疫作用」を緩めて、皮下に溜まった不要な熱を汗とともに発散させることのできる体質改善を行います。それプラス、とりあえずかゆみを停めたり、菌を殺したりする治療と併用することになります。
今回は菌に感染した皮膚疾患の直接的についてお話します。
アレルギー性の皮膚疾患については回を改めて、ゼンソクの治療と一緒にお話したいと思います。
今回はせんねん灸などの名前で売られているインスタントお灸を使ってみましょう。
http://sennenq.co.jp/
1.肩口にある肩髃(ケングウ)というつぼにお灸をする
これは肩の前にあります。両腕を横に水平に挙げたとき肩の付け根の前と後がちょこっと引っ込みますね。この前のほうの引っ込んだ所です。ここにせんねん灸のレギュラーかそれよりすこし強いのをすえるのです。肩口のお灸は跡がつきやすいのである程度覚悟してください。これは皮下に溜まった熱を一時的に発散させるので、ジンマシンも含めた全身のかゆみ止めになります。
2.患部にお灸をする
これはせんねん灸の強めのものを直接患部の真ん中あたりにすえます。
足の指のまたとかに水虫ができている場合などは、この熱さがなんともいえない「あつきもちいい」ものです。
ごく軽いヤケドが皮膚のたんぱく質を壊し、これを治すために集まってきた白血球などが
このヤケドを治しながらそこに存在する菌も処理してしまうために、効果がでるのです。
3.紫雲膏(しうんこう)をぬる。
これは江戸時代に麻酔薬を考案し自分の母親と嫁に乳がんの手術を行った、華岡青洲が作った膏薬です。有吉佐和子さんが「華岡青洲の妻」をだしていますのでご存知の方も多いでしょう。
これは切り傷以外の皮膚疾患に大変効果があります。そして、ヤケドやあかぎれ、しもやけ、痔の痛みにも著効します。日本では薬局でどこでも変えます。
本来これはごま油で練りこんであるために、アメリカでこれを使うと「シュウマイくさい」とか
いわれて評判が悪いので、私の所では必要に応じてオリーブ油で練りこんだ紫雲膏を作ってお出ししております。どちらも塗った感じはマイルドで安心して使えます。毎日使ってください。
4.華佗膏(かだこう)をぬる。
中国製の名薬です。漢方薬の成分にサルチル酸という強力な殺菌剤が入っているので、塗った感じは少しひりひりします。眼や粘膜の場所は避けてください。毎日塗ってかまいません。
これはチャイナタウンの薬屋か乾物屋に行くと必ずおいてあります。
日本なら普通の漢方を扱っている薬局においてあります。
5.土槿皮酊(どきんぴ)チンキをぬる。これはむくげチンキとも呼ばれています。
これを塗ると涙が出るくらいひりひりします。眼や粘膜のあるところは避けてください。2日ほど続けて塗って様子を見てみましょう。
例えば水虫のあるところに塗ると、焼けるように痛いものですが、その後2-3日するとその部分の皮がボロボロと落ちて、なおります。あとはきれいな靴に履き替えておきましょう。
以上は患部に対する直接的な治療です。まずは痒みなどをとってもらうために先に説明しました。しかし、同じ菌がついても感染しない方もいらっしゃいます。要はそういうからだをつくってゆくことが東洋医学たるゆえんです。
次回は間接的な治療、体質のほうを改善してゆくことによって行う、皮膚疾患の治療についてお話します。
幸い成長期に受けた東洋医学の治療で、完治しましたが、アトピーと喘息に関しましては、私も子供の頃に大変苦しみました。そんなわけで、ことのほか思い入れがあります。
これからも関連した内容を載せてゆきたいと思います。