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切り火  達者でな!

2008-05-27 12:09:14 | 易経、東洋哲学
日本の伝統的な景気付けに「切り火」というのがありますね。
朝の出がけとか、旅立ちの前に家の人が出かける人の右肩口にカチッカチッと火花を散らすあれです。

私の年代ですと、大川橋蔵演ずる「銭形平次」でおかみさんのお静(香山美子、後に八千草薫)が「おまいさん いっといで! カチカチ!」とやる場面が懐かしいのです。「おうっ! いってくるぜ!」と、かっこよかったなあ。。。。

特に縁起というよりも「景気付け」を重んじるのは伝統的な職人の常です。
木場の材木問屋、芸者さん、でえく(大工)、火消し衆などなどです。
私たち鍼灸師も職人の粋って物がなければいけないと考えています。

だから私はいつも東洋医学校の生徒達に「おい、アメリカでは鍼灸師が大学院扱いの免許だからって、自分が職人だってぇのを忘れちゃぁいけねえ。ちゃんと技ぁ身につけねえと、食えねえからマルチ商売に手ぇだして、患者さんに変な栄養剤やシャンプーを売りつけることになっちまうぞ!」とはっぱをかけています。

私の診療所はサンフランシスコ空港のすぐ近くなので、私の診療所から直接旅立たれる方々も多く、「粋」のわかる患者さんには、カチカチと威勢良く切り火で送り出してあげることも多いのです。

先日は、ある常連の患者さんのグループ3人のうちの2人が、日本に帰ることが決まって、最後の治療をさせていただきました。お三方とも大変責任感が強く、頑張りやで、人間的にも立派な方々で、この4-5年アメリカで本当に頑張ってこられました。

私も大いに感ずるものがあったので、今後の景気付けとして、しばらくの間、硬く封印していた筮竹を取り出し、「易断」を大サービスしてしまいました。お三方ともこれまでの努力と、「東洋哲学、特に易経哲学には、物事は窮して止まってしまうことは絶対になく、必ず運勢を立命(クリエイト)することができる」という、考え方がしっかりされているので、大変明るい未来が待っているようです。

でもみなさんが行ってしまうのはさびしいものですね。。。。。

おっといけねえ!!切り火で送り出すのを忘れちまったい!!

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