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東洋医学的な生活観  命、相、卜、仙、医の「命」について

2017-06-15 06:35:56 | 易経、東洋哲学

この話題は、本気で取り組みますと、かなり長い文章になってしまいますので、少しづつお話をしたいと思います。7-8年前もこの話題について書いたことがあるのですが、過去のブログが出てこなくなっているようなので、もう一度現在の視点で書いてみたいと思います。

古の東洋医学の先達たちは四つの学問である、命学、相学、卜学(ぼくがく、易経のこと)、仙学を修めて初めて医学の門をたたくことができました。この四つの学問に医学を含めて命相卜仙医の五術と称したのです。
これらの学問のうち、まずは初めの四つの学問をすべて学んでから医学を学べというのでは、かなり無理があるので、すべてを実践する人は少ないと思われます。しかし、それらの基礎を知ることは、東洋医学的な生活観を身に着けるためにはとても大切なことだと考えております。


私の出た日本の学校や師匠たちには、このような薫陶を受けてまいりました。

1.古典医学の本を読むこと。それが臨床に結びつくように学ぶこと。
2.芸術でも武術でも何でもよいので、東洋の文化に親しんで、その心を感じること(武術は仙学の範疇です)
3.必ず命相卜仙医のうちの卜学(ぼくがく)である「易経」を研究して、陰陽とか五行の東洋思想を学ぶこと。
4.西洋医学の解剖学、生理学、病理学を学んで、きちんと患者さんに説明ができるようになること。


今回は「命学」のお話をいたしましょう。

命学はいわゆる運命学です。占星術などがその範疇に入ります。
これは、人が生まれてから死ぬまでの全体を観る学問ですね。

「あんたは、30歳で結婚して、45歳で死ぬね。。」と言われちゃあ身もフタもありません。
これは、多くの人は、生まれてから死ぬまでを「一本の線」と考えてしまうので、こんな発想になってしまうのです。
そうすると、「私は45歳で死ぬと言われたんだが、死ななかったじゃん。。当たってないね。」ということになってしまいます。

運命学として表現される人の一生は、川とか河と表現できるのです。
川は、どこかの一点から始まって、せせらぎが沢になり、小川になって川になってゆきます。
途中でいろいろな方向に曲がって河となり、最後は大海に注ぐ大いなる流れとなるわけです。

そしてその過程では、幅が細くなったり、広くなったり、浅くなったり、深くなったりするでしょう。
浅瀬があったり、大きな岩が行く手を塞いでいたりするかもしれません。

一人一人の人生を隅田川、ミシシッピー河、ナイル河など、方向性も形も全く異なった河と表現できるわけです。その途中に障害物があったりしても、「事前にこれを知っていれば、心がけ次第で回避できるかもしれない。」というおはなしです。

「一本の線ではない、幅があるのでいくらでも融通が利く。」ということを知ることです。
45歳で死ぬと言われたら、40歳くらいから健康法をしっかり学んだり、危ないところに行かないように注意したり、シートベルトを必ずしめるようにしたりして、少しづつ軌道を修正して、その「その年に死ぬという障害物」を避けて通れるように仕向けてゆくことを知る学問が、「命学」です。

まあ、「それでもそれで死んだらしょうがない。」と達観して生きるのも一つの生き方ではあります。

逆に、命学でよいことを言われたら、「真に受けてしまう。」ということです。
たとえば「官僚になって大成功する」といわれたら、それを真に受けてしまうと、そういう努力をすることが苦にならなくなります。

「命学」とはあまり関係ありませんが、武術の師匠の岡本眞先生に「一輪車を乗りこなせると、武術的身体が練りこまれる。」「ジャグリングは武術に大切な単関節運動と弛緩するということがわかるようになる。」
これらを真に受けてしまった私は、今はどちらもごく自然にできるようになってしまいました。

私の武術の腕が上がったかどうかはわかりませんが、鍼灸の臨床や、漢方医学の触診の際の身体操作に大変役に立っております。そして近所の小学校の臨時教員になって、米人の子供たちに一輪車やジャグリングを教えたり、いろいろなご縁が広がってきました。

人生には「幅と深さと方向みたいなもの」があるということです。

このように、「命学」は、大いなる方向性と可能性を述べているので、この歳で死ぬと言われたからと言って、あきらめたりしちゃあいけないのです。
また、いいことを言われたら、それを真に受けて楽しんで努力をしたり、そういう現象が起きそうな場所に行ったり人に会ったりするようにしていれば、現実にそうなる可能性も高まるというものです。
思い込みも大切なことです。

いつになるかわかりませんが、次は「相学」についてお話をいたします。

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