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元気がない。 気虚(ききょ)を補う その2

2019-12-27 01:23:28 | 東洋医学全般


前回は、元気がないときの代表的な漢方薬として、六君子湯(りっくんしとう)のお話をいたしました。
これが前回の動画です。
https://blog.goo.ne.jp/keisclinic/e/65d5a58e096ecd49caebf1b531fba9de

今回は、この六君子湯から派生した、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)のお話です。
この方剤は読んで字のごとく、補中の中は漢方医学では、胃腸を中心とした消化器系をさします。
消化器の弱りを補うということです。
益気も気を益するで気を補う、補気剤であるということですね。

もともと六君子湯の母体となる四君子湯の中の一つの茯苓(ぶくりょう)を取り去り、陳皮(ちんぴ)を入れて気虚の基本を補って、消化吸収を強化します。
これに体の表面を整えてむくみを取り去る黄耆(おうぎ)を入れて、さらにこれに柴胡(さいこ)と升麻(しょうま)を加えて、弛緩した筋肉やアトニーといわれる粘膜ゆるみを引き締めます。これに当帰(とうき)が加わって血行促進とダメージを受けた組織の回復を促します。これが補中益気湯の構成となります。

補中益気湯を使うときに必ず観なけらばならないのは、患者さんの精神状態に、「怒気」があるかどうかです。
元気がなくて、ぐったりしている患者さんの眼光を観察して、弱っているなりに「なんで俺だけがこんな目にあうんだ!」「ついてねえなあ、かったるいなあ!」「じれったいなあ!」などと感じさせる眼光があれば、補中益気湯の出番です。

この怒気をも鎮めながら元気を引き出すために配合されている重要な漢方薬が「柴胡(さいこ)」です。
六君子湯も、補中益気湯も「補気剤」のグループとしてお話をしているのですが、柴胡が加わっている漢方薬は、「柴胡剤グループ」として区分けして、処方される場合もあります。各種の病の状態に加えて、ストレスがある、怒気を感じる、何かを無理をして我慢している背景があるときに使います。
「柴胡剤グループ」の説明はそれなりの紙面を使いますので、日を改めてご紹介いたしましょう。

補中益気湯は元気がなく胃腸の働きが弱く疲れやすいときに使います。あるいは、ダメージを受けた体の回復にも使いますので、大手術の後や、ガンなどの治療で放射線治療や化学療法で体力が大幅に低下したときの体力氣力の回復にもの買います。
まずは、怒気を含んでいるかどうかを確かめて使いましょう。


漢方アメリカOnline
http://www.kanpouamerica.com/product/25

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