ごっとさんのブログ

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人類の希望「不老不死」の可能性

2019-05-17 10:18:40 | 文化
人類は古くから「不老不死」を求めてきましたが、現在はアンチエイジングと名前が変わり相変わらずの課題となっているようです。

紀元前3世紀、秦の始皇帝は中国全土で不老不死の薬を探させたと伝えられてきました。まあ不死は無理だとしてもアンチエイジングというのが少しは現実味を帯びてきたのかもしれません。

1990年代アメリカの研究者が、「成長ホルモン」を高齢者に与えると、若返りの効果があったと発表した時、これが不老不死の秘薬と評判を呼びました。アンチエイジングという言葉が使われるようになったのはこの頃からのようです。

我々の身体は成長ホルモンだけではなく、甲状腺ホルモン、男性ホルモン、女性ホルモンなど様々なホルモンが細胞機能を活性化し、また維持してくれていますが、加齢とともに減少していきます。

中でも成長ホルモンは20歳を超えると急速に減少するので、その補充が若返りにつながるのではというのは、当然の発想かもしれません。しかしそれほど単純ではなく、ホルモンの減少で老化が始まるのか、老化の付随現象としてホルモンが減少するのか、その因果関係がはっきりしないまま、やみくもにホルモンを与えるのは疑問のようです。

次に老化の原因として浮かび上がったのが老廃物の蓄積で、その一つが「活性酸素」です。細胞にはミトコンドリアという器官が存在し、酸素を使って糖類を燃やし、エネルギーを産生しています。

その過程で数%ですが、活性酸素という悪さをする酸素が発生します。これが身体の細胞や組織に、文字通り錆びさせてしまうのです。血管の老化を促すのが活性酸素であり、その血管によって活性酸素は全身に運ばれもします。

そうして全身が錆びついてしまうのが老化の8割を占めるとさえ、活性酸素の専門家は主張しています。この活性酸素の産生を抑え、作られた活性酸素を分解するようなサプリメントが次々と開発されてきました。

ただ私はこういったポリフェノールなどをあえてとる必要はないと考えています。最近老化の原因である老廃物として注目されているのが、AGE(終末糖化産物)という化合物です。

余った糖分に活性酸素が作用し、さらにタンパク質と結合してAGEを形成します。これがまた細胞や細胞間物質に取り付いて劣化させます。この対策はバランスのとれた食事と適度な運動で、糖尿病予防にもつながります。

これからしばらくはこのAGEが話題となるかもしれません。この様に老化に関する色々な知見が集まっていますが、こういったものにそれなりの対処をすれば老化が防げるのかもしれません。

しかし老化というのはすべての生物に生じる自然現象ですので、無理にこれを妨げることが良い結果になるとは限らないような気がしています。