ごっとさんのブログ

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「10連休」が日本のためにならない

2019-05-08 10:23:48 | 時事
史上最長ともいわれる10連休が終わりましたが、こういった連休が日本のためにならないという面白い記事が出ていました。

ある民間調査会社が、20代から60代の男女560名を対象に調査したところ、連休明けに「会社に行きたくない」と思ったことがあると回答したのは8割にも上りました。しかもその中で最も多いのが、連休に出かけたりして疲れているから(30%)となっていました。

つまり日本の連休は、本来の意味の休暇ではなく働く人たちの心と体を痛めつける「苦行」のようになっているという、厳しい現実があります。

なぜこんな皮肉なことになってしまうのかというと、この連休というものが国が定めた「公休」が連なったものであることが大きいようです。公休がゆえ国民の大多数が一斉に休み、一斉に予約した宿に押しかけて、一斉に観光地に殺到します。

こういう団体行動は、多くにヒトにとって会社や勤務先で行っている日常と大差ないことになります。満員電車でもみくちゃにされていたのが、行楽地や高速道路でもみくちゃにされるのに変わっただけの話であって、いつもと同じ行動をしているにすぎません。

連休明けに疲れ切っている人が多いのは、これが理由となっています。こういったことから今回のような大型連休が増えれば、ただでさえ低い日本の生産性が低空飛行のまま定着してしまう恐れもあるようです。

連休でしっかり休めば生産性はアップするという意見もあるようですが、生産性とは労働が生み出す付加価値と定義されますので、連休と生産性は無関係なようです。

日本は公休日(国が定める休日)が世界の中でも圧倒的に多くなっています。このために生産性向上のためにも必要な「有休休暇」が極端に少なくなっているという事もあります。有給休暇国際比較調査では、日本人の有休取得率は50%で、3年連続で最下位となっています。

本来労働者の正当な権利であるはずの有休休暇を取らないという事は、自分たちが受け取るべき代価を放棄しているという事で、ある試算によればこれが4兆円にもなるそうです。

この失われた4兆円を労働者に正しく還元すれば、実質的には賃上げを行ったことと同じなので生産性も上がっていきます。有給休暇を消化させようという取り組みが行われていますが、全く効果は出ていません。

その理由として、有休を取れと叫びながら、それを阻む連休を国が増やしているからと言えます。有給休暇の消化が常識となれば、日本人の休み方にも多様性が生まれ、すいた観光地でゆっくりしたり、渋滞にイライラする無駄もなくなるというわけです。

こういった連休と有休にほんとうに関連があるかは分かりませんが、なかなか面白い意見と感じました。