少し前にある芸能人が「消化管間質腫瘍」という聴き慣れない病名で亡くなりました。
この「間質」とは、体内のあらゆる器官や臓器の隙間を埋めている組織のことで、それぞれの器官や臓器を支える役割を担っています。
一般的に胃ガンや大腸ガンなどの消化器系ガンは、臓器の表面を覆う上皮(粘膜)細胞がガン化することで発症しますが、消化管間質腫瘍は上皮ではなく、その下層にあり消化管を動かす働きを持つ「カハール介在細胞」という特殊な間質細胞が悪性腫瘍に変化して起こります。
これは自覚症状に乏しく、患者が異変に気づきにくく、医師にとっても上皮にできるガンに比べ間質の壁の中にできる間質性ガンでは、同じ検査を行っても診断が難しいようです。
例えば加齢とともに増加する前立腺肥大や膀胱炎などと間違いやすいのが「間質性膀胱炎」です。通常の膀胱炎や過活動膀胱の症状と非常に近いため混同されやすいのですが、間質性膀胱炎の場合は、細菌を抑える抗生物質を処方されてもほとんど効かず、なかなか治りません。
一般的な膀胱炎は尿道から細菌が侵入し繁殖することで起こるので、抗生物質が有効ですが、間質性膀胱炎は細菌ではなく粘膜下層の間質に尿が染み込むことで生じます。診断がつかずに何年も膀胱炎の治療をして初めて間質性膀胱炎とわかった患者もいるようです。
間質性膀胱炎は進行すると間質が線維化し、膀胱が委縮してしまいます。生理食塩水を注入して委縮した膀胱を拡張させる手術しか治療法はありません。
尿をろ過する働きを持つ腎臓にも「間質性腎炎」があります。一般的な腎炎が糸球体(血液をろ過するフィルターの役割を担う組織)に炎症が起きて発症するのに対し、間質性腎炎は糸球体以外に炎症が起きます。
自覚症状がないまま進行することが多く、ほとんどは健康診断などで腎機能の低下を指摘されて初めて発覚します。放置すると慢性腎不全を引き起こし、人工透析を余儀なくされこともあるようです。
これは抗菌剤や非ステロイド系消炎鎮痛剤などの副作用で起こる薬剤性の疾患と思われていましたが、薬剤性以外にも原因不明の間質性腎炎もあることが分かってきました。
このような間質性炎症は、どこの部位に発症しても全く自覚症状がないことが特徴としています。早期発見すればそれなりの対症療法はあるようですが、よほどの偶然がない限り難しいようです。
ただ間質性炎症自体は稀な病気とされていますが、難治性の炎症などがある場合は疑ってみる必要がありそうです。自覚症状もなく診断法もないというのはやや気持ち悪い病気ですが、頻度は高くないようですので、こういった病気があると知っておく程度でよいのかもしれません。
この「間質」とは、体内のあらゆる器官や臓器の隙間を埋めている組織のことで、それぞれの器官や臓器を支える役割を担っています。
一般的に胃ガンや大腸ガンなどの消化器系ガンは、臓器の表面を覆う上皮(粘膜)細胞がガン化することで発症しますが、消化管間質腫瘍は上皮ではなく、その下層にあり消化管を動かす働きを持つ「カハール介在細胞」という特殊な間質細胞が悪性腫瘍に変化して起こります。
これは自覚症状に乏しく、患者が異変に気づきにくく、医師にとっても上皮にできるガンに比べ間質の壁の中にできる間質性ガンでは、同じ検査を行っても診断が難しいようです。
例えば加齢とともに増加する前立腺肥大や膀胱炎などと間違いやすいのが「間質性膀胱炎」です。通常の膀胱炎や過活動膀胱の症状と非常に近いため混同されやすいのですが、間質性膀胱炎の場合は、細菌を抑える抗生物質を処方されてもほとんど効かず、なかなか治りません。
一般的な膀胱炎は尿道から細菌が侵入し繁殖することで起こるので、抗生物質が有効ですが、間質性膀胱炎は細菌ではなく粘膜下層の間質に尿が染み込むことで生じます。診断がつかずに何年も膀胱炎の治療をして初めて間質性膀胱炎とわかった患者もいるようです。
間質性膀胱炎は進行すると間質が線維化し、膀胱が委縮してしまいます。生理食塩水を注入して委縮した膀胱を拡張させる手術しか治療法はありません。
尿をろ過する働きを持つ腎臓にも「間質性腎炎」があります。一般的な腎炎が糸球体(血液をろ過するフィルターの役割を担う組織)に炎症が起きて発症するのに対し、間質性腎炎は糸球体以外に炎症が起きます。
自覚症状がないまま進行することが多く、ほとんどは健康診断などで腎機能の低下を指摘されて初めて発覚します。放置すると慢性腎不全を引き起こし、人工透析を余儀なくされこともあるようです。
これは抗菌剤や非ステロイド系消炎鎮痛剤などの副作用で起こる薬剤性の疾患と思われていましたが、薬剤性以外にも原因不明の間質性腎炎もあることが分かってきました。
このような間質性炎症は、どこの部位に発症しても全く自覚症状がないことが特徴としています。早期発見すればそれなりの対症療法はあるようですが、よほどの偶然がない限り難しいようです。
ただ間質性炎症自体は稀な病気とされていますが、難治性の炎症などがある場合は疑ってみる必要がありそうです。自覚症状もなく診断法もないというのはやや気持ち悪い病気ですが、頻度は高くないようですので、こういった病気があると知っておく程度でよいのかもしれません。