ごっとさんのブログ

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細胞の老化はガンを抑制する

2019-05-07 10:17:27 | 自然
社会の高齢化が進み、定年70歳時代が迫っているとも言われています。

こういった老化が目立つ年代になると、ガンというのが身近になってきますが、細胞の老化がガンを抑制するという新しい説が出てきました。

60代を超え元気な人でも、足腰が弱くなったり体力が落ちたなど、若いころに比べて何らかの老いを感じるのは当然です。肉体的な低下は、年齢に伴い程度の差はあるものの誰にでも訪れるものです。

一方で仕事では歳を重ねて経験や技術などが豊富な人が役立つ場面があり、細胞レベルでも老化は悪い事とは言えないようです。

細胞の老化はガンの抑制に関わることが、さまざまな研究で明らかにされており、老化がガンの発症を防いでいます。細胞が老化できないようにすると、正常な細胞がガン化しやすくなります。細胞の老化は必ずしも悪い事ではないという意見があるようです。

人から取り出した細胞を培養すると細胞分裂を繰り返して増殖しますが、一定の回数で細胞が分裂の寿命を迎えて増えなくなります。老化した細胞の形は大きく変わり、見た目もにも老化を迎えるわけですが、この仕組みがガン細胞を無限に増殖をするのを抑制する働きがあります。

最近ガン細胞に老化様の増殖停止を誘導する薬剤(CDK4/6阻害剤)が、乳ガンの治療薬として承認されました。

正常な細胞が、ガン細胞へと変化してしまうのは、(1)ガン抑制遺伝子の欠落と変異、(2)細胞を増殖させるシグナルの活性化、(3)細胞が不死化する、ということが関わり、これら3つが揃うと細胞はガン化してしまいます。

(1)と(2)があっても。細胞の老化の仕組みで(3)が阻止されればガン細胞は増殖できません。細胞の老化はガンを防ぐ重要な役割をしています。

通常老化細胞は役割を終えると免疫システムによって排除されますが、ストレスなどによって老化細胞が多く蓄積するようになると、ガン発生の後押しをしてしまいます。つまり、健康に役立つ細胞の老化と、ガンなどの病気に関わる細胞の老化が存在するようです。

悪い働きをする老化細胞が体内にあふれることで、ガン細胞はもとより生活習慣病なども後押しするようになります。それを防ぐには、異常に働く老化細胞を蓄積させないようにしないといけないようです。

老化細胞の蓄積には、ストレスによる遺伝子損傷が関わります。食事内容によってもストレスとなる場合があり、正常な細胞に老化を引き起こすことがあります。健康的な生活習慣とストレス発散は、細胞の老化の良い面を生かすためにも重要と考えられるとしています。

この説では高齢者はガンが多いという事実を全く無視しており正論とは思えませんが、研究結果の解釈次第でこのような結論がでてくるのかもしれません。