ごっとさんのブログ

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「本当に効く薬」が続々登場

2019-12-14 10:29:24 | 
医療現場では新しく承認された薬の話題で持ちきりになっているようです。

通常新薬が承認されるのは1年で100例ほどありますが、医療現場での治療方針を変えてしまうような「特効薬」が出てくることは極めてまれなことです。ところが今年度は医師が驚くようなよく効く薬が続々登場しているようです。

その一例がアトピー性皮膚炎の治療薬「ヂュピクセント」で、アトピーの新薬は10年ぶりの登場です。これは内服薬ではなく皮下注射ですが、そのわずらわしさを上回る効果があるようです。

アトピー性皮膚炎は、元々アレルギー体質の人や皮膚のバリア機能が弱い人に多いといわれる免疫疾患で、子供から大人まで強烈なかゆみと皮膚の炎症を繰り返す病気です。厚生労働省の調べによると2017年で国内の総患者数は50万人を突破し、30年前の2倍になっています。

アトピー性皮膚炎の人は、かゆみや皮膚の炎症によって皮膚の中にアレルギー反応を起こす特殊な免疫細胞が増えています。ヂュピクセントは、この免疫細胞が作り出す2種類のタンパク質(炎症やかゆみを起こし、皮膚のバリア機能を低下させる物質)を直接ブロックすることで、皮膚内部の炎症を抑えるという初めての作用メカニズムを持った免疫抑制剤です。

治療対象は既存のステロイド外用薬や保湿剤を使ってもコントロールできない中等症から重症の患者となります。治療は外来での皮下注射で、2週間に1回通院が必要となります。

薬代は3割負担で1本25,000円とかなり高価ですが、それに見合う以上の効果があるといいます。こうした患者負担をできるだけ減らすために、患者自身が自宅で打つ「自己注射薬」としても使えるようになりました。

まだ外来での注射を希望する患者が多いようですが、将来的には糖尿病のインスリン注射のように自己注射へシフトしていく可能性は高いとしています。

次が失明原因の1位である「緑内障」の治療薬です。今年9月には「アイベータ」という新薬が承認されました。これは眼圧を下げるための2種の薬剤が配合されており、患者がいくつも目薬を持ち歩く必要がなくなっています。

まだ一般の患者に対する効果は分かっていませんが、多種の目薬を使っている患者には期待が持てる治療薬のようです。

その他インフルエンザ治療薬にも、1回吸入するだけでよいという「イナビル」が登場し、いろいろ工夫がされており高齢者にも適しているようです。

この様に今年度は注目される治療薬が続々と出ており、まだ効果が確認されていないものの大いに期待されているようです。

インフルエンザのように寝ていれば治る病気に薬が必要かという疑問はありますが、こういった薬が準備されているというのは安心できることかもしれません。