ごっとさんのブログ

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薬剤師に明日はあるのか

2019-12-20 10:26:48 | その他
医薬品や医療機器の規制などについて定めた医薬品医療機器等法(薬機法)の改正案が、開会中の臨時国会で審議されました。

改正案の柱は、医薬品・医療機器の早期承認を図る仕組みや、法令順守体制の整備と並び、住み慣れた地域で患者が安心して医薬品を使うことができるようにするための薬剤師・薬局の在り方を見直しとなっています。

具体的には薬剤師が、調剤時に限らず必要に応じて患者の薬剤の使用状況の把握や服薬指導を行う義務や、薬局薬剤師が患者の薬剤の使用に関する情報を他の医療提供施設の医師らに提供する努力義務について法制化します。

薬剤師の仕事は、処方箋を受け取って薬を出したら、それで終わりというわけではないという事になります。改正案はまた、患者自身が自分に適した薬局を選択できることを目的として、機能別の薬局の都道府県知事認定制度の導入を提案しています。

一つは「専門医療機関連携薬局」で、ガンなどの専門的な薬学管理に他の医療提供施設と連携して対応します。もうひとつが「地域連携薬局」で、入退院時の医療機関との情報連携や在宅医療などと、地域の薬局が連携しながら一元的、継続的に対応します。

患者のための「かかりつけの薬剤師」としての機能を求めています。ここで述べられている日常から患者の服薬状況の把握や指導は、本来当たり前に行われているべきことなのに、あえて法律で義務付けられなければならなかったことが現状の課題を表しているような気がします。

どうも日本では薬剤師は医師と並んで医療を実施する立場であるはずが、全く軽んじられているようです。

薬学部は医学部と同じように6年制になっており、薬品に関しては医師よりも豊富な知識があるはずですが、医師が薬剤師に助言を求めるというようなケースは聞いたことがありません。

大病院の薬剤部などはよく分かりませんが、身近にある調剤薬局などは、単に処方箋に書いてある薬剤を間違いなく患者に渡すという仕事しかしていないような気がします。

今回の法案にあるような患者の服薬状況の把握ですら、薬剤師が具体的にどのようなことをするのかもよく分かりません。多分現状では、処方された薬に何かわからないことがある場合は、薬剤師ではなく医師に質問するという事が一般的なような気がします。

今回の法改正で薬剤師の役割を明確にするようですが(昔からの役割のはずですが)、医師の意識を変え、薬のことは薬剤師に相談するよう患者に進めるといった方向が出ない限り、薬剤師に明日は無いような気もします。