ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
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ガンの自由診療を規制できるか

2020-04-23 10:23:56 | 健康・医療
インターネットにはガンの自由診療の広告があふれています。

糖質を摂取しなければガンが小さくなる、ニンジンジュースには抗ガン作用がある、血液クレンジングはガン予防に有効といった、効果が期待できないようなものがほとんどです。

こういったことを信じてしまい、怪しいクリニックに大金を払ってしまったりして命を危険にさらす患者が後を絶たないようです。

私の持論である「病気を治すのは自分自身」という点からは、科学的根拠がなくても、高額だから効くはずという思い込みで効果が出るような気もします。といっても非常に多くの怪しげな治療法があることは確かで、ある程度の規制は必要な気もします。

国民の2人に1人が生涯のうち一度はガンになる時代になり、ガンは身近な病気になりました。しかしガンについて学ぶ機会はほとんどなく、仮にガンと告知され心身ともに弱り切った状態でも、怪しい治療法を避け正しい治療法を選ぶ必要があります。

簡単に言えば標準治療が最善で最良の治療であり、保険が適用されるので安価に受けられるという事になります。しかし保険適用以外に特別な治療があり、お金を出せばもっといい治療が受けられるのではないかと考える人がいても当然のような気がします。

そこにつけ込むのが自由診療です。自由診療とは一般にクリニックなどの医療機関で自費で行われる治療のことを指します。

日本のガン医療は、自由診療に対して十分な法規制をかけていないため、実施するのが医師であれば、全く科学的根拠がなくても基本的に患者に提供することができ、価格設定も自由となっています。

自由診療の中でガンに有効であるという科学的根拠が充分なものは基本的にないはずで、根拠があるならば標準治療として保険適用になっているはずだからです。

自由診療の例として、ガンに対するビタミンC療法があります。インターネットで検索すると300件以上の医療施設(クリニックなど)が見つかります。

ガンに対するビタミンCの効果については、古くから多数の研究が行われており、細胞や動物実験ではある程度効果があることが分かっています。ガン患者にビタミンCが効くのかを厳密に調べた研究もありますが、ビタミンC療法の有効性は証明されませんでした。

ビタミンC療法は概して副作用が少ないのですが、腎不全や溶血の作用も報告されています。日本では未承認治療は臨床研究として行うべきとする臨床研究法が2017年4月に公布されましたが、まだほとんどの自由診療は規制対象になっていないようです。

私は標準治療をやめたりしないのであれば、何でも試したいと思う患者の気持ちを受け入れても良いと思いますが、ある程度の規制は必要な気もしています。