ごっとさんのブログ

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新型コロナの死亡率は男性が高い

2020-04-26 10:25:50 | その他
新型コロナは男性に対して脅威で、中年から高齢男性と免疫系の基礎疾患を持つ男性への影響が特に大きいようです。

なぜ現在のパンデミックの影響に男女差があるのか、科学者も明確に回答できないのですが、それほど驚くことではなさそうです。

この男女差が初めて確認されたのは中国でした。武漢市で新型コロナウイルスの感染者が初めて確認された2019年末から2月11日までの44,672件の確定症例を分析したところ、男性の死亡率が2.8%だった一方で女性は1.7%だったことが判明しています。

3月19日に中国の死者数を上回ったイタリアでも、同じような傾向で推移しています。イタリアの国立保健研究所によると、感染者の致死率は男性が10.6%、女性は6%となっています。

新型コロナのパンデミックで何が男女差を生んでいるのかは、科学的にも明確には分かっていません。喫煙と飲酒が原因であるとの説が浮上しています。

もともと男性の喫煙率は女性よりも高いのですが、その差が特に大きい中国では男性の喫煙率が約50%で、女性は3%未満となっています。喫煙者は肺や心臓の慢性疾患を患う傾向が強い上に、そのような慢性疾患は新型コロナに感染した際の重症化につがると指摘されています。

中国の新型コロナ感染症の患者1,099人に対して調査が実施され、集中治療を受けた人や死亡した人の内、およそ26%が喫煙者であったことが判明しています。

これに対してイタリアでは、中国よりも患者に占める喫煙者の男女差がはるかに小さく、男性喫煙者が28%で女性喫煙者が19%でした。これは他にも何らかの未知の要素による影響があることを示唆している可能性があります。

ひとつには女性が男性より強い免疫応答を示すという事実でも説明がつく可能性があります。アイオワ大学の微生物学者たちが2017年に行った実験によると、マウスをSARSを引き起こしたコロナウイルスに感染させたところ、ヒトの場合と同様にオスの死亡率が高くなりました。

ところがメスから卵巣を取り出してみたところ、メスの死亡率が大幅に上昇しました。これは女性ホルモンが、何らかの作用によりメスをSARSから守ったことを示しています。

遺伝子構造のおよそ79%がSARSと一致する新型コロナでも、ヒト気道に対する作用の仕方にホルモンが関与する可能性があります。なぜ性差が出るのかはまだほかの説もあるようですが、やはり現時点ではデータが圧倒的に少ないようです。

この差異を説明できれば、その差異をなくすための薬を開発できる可能性もあり、研究は進んでいるようです。私は女性は図太い(失礼)から平均寿命も長く、致死率も低いで納得できそうです。